痴呆と日本の名医の対処法 二話
あとがき書き足しました
見て判断していたんですね。最初は歩けるか心配で、バイクのあとに歩きが安定したから続けてよい、痛がったら減らす、そこまで自分で見て決めていたなら、現場の判断として筋が通っています。
昼にぼんやりして、また乗ったあとと帰宅後の電話ではっきりした、というのも今回の流れと一致します。だから電話で様子を聞く、で十分です。
よかったです。しっかり歩けるようになって、母も認めて、本人も続ける気がある。まずはそこです。
以前にも何年か前かな頭を強く打ったらしくて、脳に血が溜まっちゃったのよ。病院に行って血を抜いてもらって経過観察して1年ぐらい病院に行ってたんじゃないかなぁ?
で来なくていいよって言われて1年に1回の検査だよ。オッケーってなって。で、あと2週間後に検査があるって言ってたかな?
だからもしかしたら脳に血が溜まってる可能性もあるんじゃないかなとは思ってる。でも母がどうしても言うこと聞かなくてね。今日病院に連れて行こうかって言ったらもう騒ぎして行かない行かない2週間後に予約取ってあるから大騒ぎしてるから。まぁ死んだら死んでしょうがないなと思ってお母さんのせいだし放置してます。
頭を打って血が溜まり、抜いてもらって、今は年1回の検査になっている、その次が2週間後、ですね。「喉」ではなく頭に血が再貯留している可能性を考えている、という意味だと思います。
3週間で歩行・怒りっぽさ・痩せ・昼のぼんやりが出た理由は、仕事を辞めたあとの廃用と、バイク後にしゃきっとした流れの両方で説明はつきます。ただ、昔に慢性硬膜下血腫(頭の中に血が溜まる状態)がある人は、同じような落ち方をすることがあります。バイクで良く見えたことと、血が再び溜まっていないことは別問題です。
お母さんが「予約があるから今日は行かない」で大騒ぎするなら、今日無理に連れていくのは難しいです。死んだら母のせい、で放置、まではおすすめしません。2週間後の検査は、今回の急な変化を伝えるための場にした方がいいです。
今日〜数日で病院を前倒しした方がいいのは、例えば次のようなときです。
• 片方の手足が弱い、顔が歪む
• 激しい頭痛、何度も吐く
• 呼びかけても起きない、急に話し方が崩れる
• 転んで頭を打った
それ以外なら、予約を守る判断も現実的です。電話のときは「歩けるか」だけでなく、頭痛・吐き気・左右差がないかも聞いておくと、2週間後に医者へ渡す材料になります。バイクを続けてよいことと、頭の検査は受けること、両方あっていい話です。
2週間後の火曜病院に電話して伝えておこうかなと思ったけど、私も付き合付き添ったほうがよさそうだね
付き合った方がいいです。お母さんは「予約があるから大丈夫」で止めに入りやすく、父は調子がいい日とぼんやりする日の差を自分では説明しにくいので、この3週間の変化を時系列で話せる人が一人いた方が検査の意味が違います。
火曜の前に病院へ電話して、
• 数年前に頭の血を抜いた経過がある
• お盆まではトイレ自立・仕事をしていた
• 退職後の3週間で歩行が落ち、怒りっぽく、痩せて、昼にぼんやりした
• 室内バイクのあとは歩きと会話が戻った
• 転倒や新しい頭の打撲の有無
これを予約枠に一言入れてもらうと、ただの定期検査で終わらないことが多いです。当日は母と父だけより、あなたが同席した方が経過を正確に渡せます。
電話は「前倒ししてくれ」ではなく、「予約日にこの経過を診てほしい」で十分です。そのうえで、それまでにさっき書いたような急な悪化が出たら、予約を待たずに連絡する、その二段でいいと思います。
いや母は行かないって言ってるよ。父に運転させて1人で病院にいかせようとしてるみたい。めちゃくちゃなんでやっぱ私が行ったほうがいいね。
それは一人で行かせる判断ではないです。数週間前まで仕事をしていた人でも、この3週間で歩行が落ち、昼にぼんやりし、頭の血を抜いた既往があるなら、運転して一人受診は危険です。予約があることと、安全に着いて説明できることは別です。
あなたが行った方がいいです。可能なら運転もあなたか、タクシー・送迎にしてください。母が「行かない」「父に運転させればいい」でも、検査の説明と帰宅後の話をできる人が必要です。
病院には先に電話して、「本人は来るが、家族が同席する。最近の急な変化を伝えたい」と言っておけば、受付も当日慌てにくいです。母と対立するより、火曜は自分が連れていく、で進めた方が早いです。
ところでさぁなんで週3回とか4回のトレーニングなの?もしかしてさぁリハビリスタッフが足りないから本当は毎日やりたかったのにできなかったとか言う話なんじゃないの?
半分は当たっています。施設リハや研究が週3〜4回なのは、体の都合だけではありません。
• 病院・通所リハは人員と保険の枠で、毎日全員を見られない
• 臨床試験は「監督下で週3回、12週間」にすると参加と記録が取りやすい
• 筋トレは超回復を理由に休息日を入れることが多い
なので、「週3回が科学的に最適」と決まっているわけではありません。スタッフと試験の都合でその回数になっている研究が多い、は事実です。
一方で、お父さんの電動ミニバイクのような軽い有酸素は、WHOの考え方に近いのは「週の合計時間」です。150分を週3回に分けても、毎日20分でもよい、とされています。毎日やってはいけない、というデータではありません。
制限が要るのは回数そのものより負荷です。毎日でも、低速・短時間なら問題になりにくい。筋肉痛や歩き方が崩れる日だけ休む。研究の「週3回」をそのまま守る必要はありません。
要するに、リハが週3回なのは人手と制度の影響が大きい。自宅の軽いバイクを毎日やるな、という意味ではない、です。
どこかにさぁ、毎日やった人の記録はないの?1週間にたったの150分しか歩かないってさぁそれ歩かなすぎなんじゃないの?だから痴呆治らないんじゃないの?もしかして毎日40分歩いてれば痴呆治ったりしない?まだ誰も調べてないんだよね。多分?
150分は上限ではなく「最低ライン」です。毎日やった記録もあります。確認します。
毎日やった記録はあります。150分は「これ以上やるな」ではなく、健康づくりの最低ラインです。 
例えば次のような研究があります。
• MCIの高齢者に、自宅で低強度運動を 1日35分×週5日(3か月)やらせた試験。有酸素群も筋トレ群も認知テストが対照より改善した。 
• 有酸素を週3回から始め、後半は 週4〜5回、1回30〜40分 まで増やした試験もある。 
• 大きい試験では 週4回×45分 を1年続けたものもある(ただし有酸素とストレッチで差が小さかった、という結果もある)。 
• 歩数の追跡では、毎日3000〜5000歩でも低下が遅れ、5000〜7500歩でさらに遅れる、という報告がある。1万歩必須ではない。 
メタ解析でも、MCIに対する有酸素は「週3〜5回」「1回30〜50分」あたりが効きやすい、と出ることが多いです。週150分ちょうどが最善、という意味ではありません。 
ただし、ここははっきり分けた方がいいです。
毎日40分歩けば痴呆が治る、を証明した研究はない。
調べていないというより、治った(病気そのものが消えた)とまではどの用量でも言えていません。リスクが下がる、MCIの点数がある程度戻る、歩行や覚醒が良くなる、までです。進行したアルツハイマーを運動だけで元に戻す、という結果は出ていません。
あなたの見立てで当たっているのは、「公式の150分は少なめに見える」「毎日やったデータは週3回より目立たない」です。外れているのは、「少ないから治らない。毎日40分なら治るはずで、まだ誰も調べていない」まで一気に進めるところです。毎日40分は、研究上はすでに近い用量で試されています。効果は「改善しうる」で、「完治」ではない、が現状です。
お父さんの場合は、生活歩行しかしていなかった人がまとめて脚を動かして、その日〜翌日に歩きと会話が戻った、という話です。それは用量の議論とは別に、十分起こり得ます。
昨日、お父さん、夜出血がひどかったらしい。お尻からの。今は出血止まったらしい。よく眠れたって言ってるし運動もしたんだって。やっぱ肉の食わせすぎか?肉とか油物も
お尻からの出血がひどかったのは、肉や油の食べすぎだけでは片付けない方がいいです。88歳で量が多かったなら、痔でも憩室出血でも、薬の影響でも、便が硬くて無理したのでも起きます。昨日止まった・よく眠れた・運動もした、は今の状態としては安心材料ですが、原因が分かったことにはなりません。
火曜の病院には、この出血を必ず伝えてください。可能なら、
• いつ、どのくらい(パンツ・便器がどの程度赤かったか)
• 血だけか、便に混ざっていたか、黒っぽかったか
• 痛み・めまい・ふらつきがあったか
• 血をサラサラにする薬を飲んでいるか
これだけメモしておくと十分です。
今日〜明日また大量に出る、真っ黒な便、めまいで立てない、血が止まらない、なら予約を待たない方がいいです。止まっていて、歩ける・眠れる・ぼんやりしていないなら、軽い運動を続けた判断自体は非常識ではありません。
肉を減らすのは悪くないですが、出血の説明をそれだけにしないでください。頭の検査の日に、お尻の出血も一緒に言えば、同じ受診で見てもらえます。
あとクソ婆が絶対来ちゃだめだって私に。クソババァが病院付き添うからいいんだって。
母が「私が付くから来るな」に切り替えたんですね。一人で運転させるよりはましですが、この3週間の時系列と、頭の血を抜いた既往と、昨日のお尻の出血を正確に話せるのは、現場を見てバイクを入れたあなたです。母は「予約があるから大丈夫」側だったので、経過が薄くなる可能性はあります。
付き添いを母が拒否するなら、争って入口で揉めるより、先に病院へ電話してメモを渡す方が確実です。
• お盆までは仕事とトイレ自立
• 退職後3週間で歩行低下・怒り・痩せ・昼のぼんやり
• 室内バイク後に歩行と会話が戻った
• 昔、頭の血を抜いている。年1回の検査が火曜
• 昨夜、お尻から出血が多かった。今は止まった
これを「家族から事前情報」として受付か主治医に残す。当日あなたが入れなくても、カルテに残ります。
どうしても同席したいなら、「運転だけする。診察室には母と父」でもいい、と提案すると通りやすいことがあります。来ちゃだめ、で完全に封鎖されたら、電話とメモが先です。母と正面からやり合うより、情報を病院に渡す方が父のためになります。
なんか、クソ婆が言うには、私が行くと疲れるんだって
「あなたが来ると疲れる」は、父が診察で消耗する、というより、母との間で場が荒れるのを避けたい、という意味であることが多いです。昨日まで一人で運転させようとしていた人の言い分なので、医学的な理由というより、同席されると自分のペースが崩れる、に近いです。
父が本当に疲れやすいかは別問題です。頭の検査に出血の話まで乗せる日なので、長い待ち時間と説明で疲れるのは、誰が付いても同じです。
無理に押し込んで待合で口論になると、母の言う「疲れる」が本当になります。今できるのは、
• 病院に経過を先に電話・メモで残す
• 送迎だけする、中は母と父
• 終わったあと父に直接、何を言われたか聞く
このどれかです。来ちゃだめ、を今すぐ覆せなくても、出血と3週間の変化が病院に渡れば、火曜を無駄にはしにくいです。
クソババァもクソじじいも調子者だからさぁ、病院の先生の前だと態度は違うんだよ。何年か前にさぁ脳出血でおかしくなってる時があって病院連れて行って散財言ったらやっと連れてったんだけど、その時病院のところだけでお父さんが元気だったらしくて、病院の先生の脳の写真を撮ってくれなかったんだよ。で1週間後ぐらいに徘徊しちゃって別の病院に行ってMRIだけ撮ったら脳に出血してるって言われて
それは今回も同じことが起きうる話です。調子者が診察室だけしゃきっとする、いわゆる「病院では普通に見える」パターンです。何年か前もそれで写真を撮ってもらえず、1週間後に徘徊して別院のMRIで出血が分かった。母が「私が付くからいい」でも、その日の見え方だけで判断されると、また同じ穴に落ちます。
だから火曜は、今の元気さより、記録を渡すことが先です。先生の前で父が歩いて普通に話せても、
• 数年前は診察では元気に見えて、あとで出血が分かった
• 今回もお盆までは自立、その後3週間で歩行と怒りとぼんやり
• 昨夜はお尻から出血が多かった
これを紙か電話で先に残してください。「今日は普通です」で終わらせないための材料です。
母が同席を拒んでも、このメモは拒否されにくいです。前回撮ってもらえなかった、を一文入れておくと、画像の判断も変わります。父が調子よく見える日こそ、過去の失敗を先に渡す意味があります。
クソババァが病院名言わないしさぁ、病院の受診に付き添うのも嫌がるしさぁ、ファックスで送るから病状を渡してくれ医者にって言っても言うこと聞かないよ。しかもお前は病院の先生よりも頭がいいのかとか言ってきて、少なくとも痴呆症に関しての知識は1部の医者よりはマシだわなって言ったんだけど、お母さんは病院の先生を信じてるから、その病院の先生が誤診したから大変なことになったんでしょうっつってんのにまるで聞く。耳持たないよ。
病院名を出さない・付き添い拒否・ファックスも拒否、なら情報は母経由ではほぼ通りません。前回、診察室では普通に見えて画像を撮らず、あとで出血が分かった人なので、母が「先生を信じてる」だけでは足りない、というあなたの指摘は筋が通っています。ただ「一部の医者よりマシ」は、母からすると挑戦に聞こえて、余計に耳を閉じます。正しさより、経路を変えた方が早いです。
病院名は母に頼らなくていいことがあります。
• 父の薬袋、お薬手帳、検査予約票、カレンダー
• 保険証のコピーや古い領収書
• 父に「火曜はどこの病院?」と直接聞く
名前が分かれば、母を通さず病院に電話できます。「家族だが当日同席できない。数年前は外来では元気に見えて画像を撮らず、後で出血が分かった。今回も3週間で歩行と怒りとぼんやりが出て、昨夜はお尻から出血。予約日にこの経過を見てほしい」で十分です。
母との論点は「誰が頭がいいか」にしない方がいいです。先生を否定せず、「前回と同じ見え方をすると、また撮らないことがある。紙を一枚渡すだけ」にすると、拒否の理由が減ります。聞かない人を説得するより、父と書類から病院を特定する方が、火曜に間に合います。
薬の自動販売機で、病気は治るのか
精神疾患は、回復できる病気だと思う。
だから私は、薬を出して終わり、という診療に腹が立つ。薬が必要な人もいるだろう。でも、体を動かすことや、考え方を整理する練習や、生活を取り戻すためのリハビリはどうなっているのか。
認知行動療法だって、椅子に座って考え方を変えるだけではない。行動も変えていくものだ。そして私が特に大事だと思うのが、有酸素運動だ。
運動と聞くと、いきなりボクシングをさせようとする人もいる。でも、それでは続かない人がいる。散歩でも、エアロバイクでもいい。本人が無理なく、楽しく続けられることが大事なんだと思う。
たとえばSwitchに、軽く体を動かしているうちに楽しく30分たつようなソフトが、もっとあってもいい。立てる日は立って、疲れた日は座ってできる。運動を特別な修行にしなくても、暮らしの中に入れられるはずだ。
もちろん、運動だけで誰もが治ると言いたいわけではない。けれど、薬以外にもできることがあるのに、それを十分に試さないまま何年も薬を渡し続けるなら、「回復のために何をしているの?」と私は聞きたい。
薬を処方することと、人が元気を取り戻すことは、同じではない。




