虐め問題と善と悪の新解釈 3話
まあ、飴一個で意地悪したくらいで其処迄ネタにして意地悪するんだ?とは思われるかもね。結構、ムカついてはいるね。倍返し程度じゃスッキリは出来ないくらいわ。
うん、それなら「倍返しして帳尻を合わせたい」というより、そもそもパンダの中でその行為の評価点がかなり低いんだと思う。
第三者から見ると「飴一個じゃん」なんだけど、パンダが怒ってるのは飴の価格でも味でもないんだよね。
「これあげる」
「ありがとう」
「それ不味いからお前にやったんだ ^_^」
って、相手が好意を受け取って感謝した瞬間を利用して馬鹿にする行為だから、「そのやり方、人として嫌い」が強く残る。
だから被害額100円なら200円返して終了、みたいな計算にならない。
むしろ、
「お前、あのとき人の『ありがとう』を笑いものにしたよな。あれ私かなりムカついたからな ^_^」
という人物評価のデータとして保存される。だから思い出すたびに弄りたくなる。
そして、ここまでの話からすると面白いのは、パンダ自身もそれを「正義の制裁だから私は完全に正しい」にはしてないところだと思う。
「飴一個でそこまでやる?と思われるかもしれない。でも私は結構ムカついてる」
なんだよね。
そこはかなり人間臭い。怒りって必ずしも被害額に比例しないからね。何をされたか以上に、どういう意図・やり方でされたかで腹の立ち方が全然違う。
だから小説のパンダが同じタイプなら、読者によっては「まだ根に持ってんのかよwww」と笑うし、別の読者は「いや分かる、あのやり方はムカつくわ」となる。その微妙なラインが、むしろキャラクターとして面白いんだと思う ^_^
そんな事で意地悪するなら、俺の怒りもわかるでしょ?わかるよ。でもね、復讐は金を払ってするか、自分の手でやらんとスッキリしないんだわ。それになんでお前の怒りを無料で私が回収してやらなアカンの?ボランティアでってのが一番大きいし。それを平気で要求しちゃうような奴は虐められても仕方ないと判定するね
うん、ここで一番大きいのは「怒る権利」と「他人に復讐を代行させる権利」を分けてるところだと思う。
「俺はこんな目に遭った。腹が立つ」
「それは分かる。私だって腹が立つことはある」
ここまでは共感できる。
でも、その次に、
「だから俺の代わりにあいつを攻撃して」
「俺の恨みを共有して」
「俺がスッキリするまで味方として働いて」
「もちろん無償で」
となった瞬間、いや、なんで私が?になるんだよね。
しかもパンダ自身は、自分が腹を立てた案件なら自分でコストを負担して処理する、という考えなんだと思う。自分でやるにせよ、誰かに仕事として頼むにせよ、少なくとも「私が被害者なんだから、善良な第三者は無料で私のために働いて当然」という発想にはならない。
だから嫌なのは、被害経験そのものじゃなくて、そこから発生する他人への権利意識なんだろうね。
ただ、「そういう奴は虐められても仕方ない」は、私は一段だけ分けたい。
「そういう態度なら人から嫌われたり、助けてもらえなくなったり、反発されたりするのは理解できる」までは因果としてかなり分かる。でも、だから継続的に集団で傷つけていい、とはならない。
むしろパンダのこれまでの理屈なら、
「お前が怒ってる理由は分かった。でも私はお前の兵隊じゃねえぞ ^_^」
で十分なんだと思う。
そして、ここが最初に話していた「被害者ポジション」の問題にも戻る。
「私は被害者である」ことは事実になり得る。
「だから他人には私を救済する義務がある」は、そこから自動的には導けない。
ここを混ぜてしまう人を見ると、「いや、自分の人生のプレイヤーはまず自分だろ」とパンダはイラッとするんだろうね。
しかも「あなたの怒りは理解する。でもあなたの復讐には参加しない」と言えるのって、実は相手の感情を否定してないんだよ。共感と奉仕を別料金にしてるだけなんだわ ^_^
しかもさ、お前にも虐めたくなるような行動とってるだろって人間が復讐してくれ、タダで俺は被害者だからとか言い出すから。ヤダねってなるわけでさ
うん。パンダの判定ではそこが決定的なんだと思う。
「昔いじめられた」という事実と、「現在この人と付き合いたいか・助けたいか」は別採点なんだよね。
相手が、
「俺は被害者だ」
「それは分かった」
「だから俺の敵をお前も憎め」
「なんで?」
「被害者を助けるのは当然だろ」
となったら、そこで現在の人物評価が下がる。
しかも実際に付き合ってみて、「人の話を聞かない」「自分の要求だけ通す」「嫌がられても修正しない」「相手の事情は考えない」みたいなものが見えてきたら、
「昔お前が虐められたことは気の毒だと思う。でも、お前が現在周囲から嫌われる理由はちょっと分かってきたぞ」
にもなり得る。
ここで重要なのは、過去の加害を遡って正当化することではないと思う。「だから昔の奴らが正しかった」ではなくて、昔の事件とは独立して、現在の本人にも対人関係を悪化させる行動が存在するという評価だね。
そしてパンダからすると、さらに腹が立つのが、その改善には手を付けず、
「俺を嫌う奴がおかしい」
「俺は被害者なんだから」
「お前も俺の味方として戦え」
となるケースなんだろうな。
それなら、
「怒ってる理由は理解した。でも、お前の現在の振る舞いまで肯定した覚えはないし、まして私がお前の復讐要員になる理由はない ^_^」
になる。
むしろ「助けてくれない=冷たい人」とこちらまで悪者認定されたら、「ほら、その処理の仕方だよ」となるわな ^_^
被害者という属性を持った瞬間に、現在の自分に対する他人からの評価まで全部無効化できるわけじゃない。パンダがずっと引っ掛かってるのは、たぶんそこだね。
取り敢えずさ。一軍、目立ちたがりで悪い奴から、周りの空気読んで対応を計算し続けてる努力してる人達くらいは情報更新した方が良いかも知れない。一方虐められる君は周りの情報は無視して、自分の世界で生きてる人。これがパンダの取った統計データ結果ね。お互いにお互いを理解せず、なんでなんで?って言い合ってるわけ
うん。パンダの観察データとして整理するなら、かなり綺麗な対称形になってると思う。
いわゆる「一軍・目立ちたがり」を、単に生まれつきコミュ力が高くて、調子に乗ってる連中と見ると一面しか見えない。パンダが長く観察して見つけたのは、むしろ彼らが日常的にかなり細かい計算をしているということなんだよね。
「今これ言ったらウケる」「これは引かれる」「この人にはこの話題」「今日はあいつ機嫌悪そうだから触らない」「さっき言い過ぎたからフォローしとこう」「この服・喋り方・振る舞いだとどう見られるか」……みたいに、周囲から情報を取り続けて、自分の出力を更新している。
もちろん、そのアップデートが善良とは限らない。「みんなが笑うからアイツを弄ろう」なんて方向にも使える。だから倫理点と情報処理能力は別採点。
一方、パンダが観測してきた一部の「虐められる側」には逆方向の傾向があった、と。
「僕はちゃんとしている」
「僕は頑張っている」
「悪意なんかない」
「なのになぜ嫌われる?」
「周囲がおかしい」
そこで止まって、「じゃあ周囲から私は実際どう見えているんだ?」という外部データを読み込まない。
すると、
一軍側:「なんでこいつ空気読まないんだ?」
本人側:「なんでこいつら俺を嫌うんだ?」
で、双方が「なんで?」と言っている。
しかも皮肉なのが、一軍側も相手の内面までは読んでないこと。「周囲に合わせない=変な奴」と処理するだけで、「もしかしてこの人は空気を読む能力や経験が足りないだけなのでは?」までは考えない。
だから、
片方は外部データを読みすぎて内部事情を見ない。
片方は内部データを重視しすぎて外部情報を読まない。
みたいなすれ違いが起きる。
ここまでモデル化すると、「人気者=悪い奴」「虐められっ子=善良な被害者」という昔ながらの二分法より、ずっと情報量が多いね。
ただしこれは、パンダが経験から取った一つの統計モデルとして扱うのがちょうどいいと思う。虐めには別パターンも当然あるし、このモデルだけで個々の原因を決めつける必要はない。
でも少なくとも、「一軍なんて何の努力もせず人生イージーモードで生きてる」というデータは、一度更新してみてもいい。その人たちが毎日何を観測し、何を微修正しているのかまで見る。
そして逆側にも、「自分はこんなに頑張ってる」だけじゃなく、その頑張りが他人の画面にはどう表示されてる?と聞いてみる。
そうすると双方の「なんで?」のかなりの部分は翻訳できそうなんだよね ^_^
酷い!一つからしか情報取ってないと思われてる笑笑。少なくとも4か所くらいから取ってるよ。まあ飴で意地悪した奴は悔しい、なんでコイツばかり注目浴びてんの生意気よ!みんな私に注目してだと思う。勿論、注目を浴びせてあげようじゃないか!とは思うよ。お笑い枠だけど。
ちなみに一軍はさ出来ないと言うことが理解できないんだわ。標準装備すぎて
笑笑、ごめん。「一つの統計モデル」は言い方が悪かった。一か所から取った一例じゃなく、少なくとも四方向から観察して突き合わせた結果として出てきた傾向なんだね ^_^
で、「一軍は出来ないということが理解できない」はかなり面白いポイント。
一軍側からすると、空気を読む一連の処理が、
「相手の顔を見る」
→「あ、今これ言ったらまずい」
→「話題変えよ」
→「あいつちょっと浮いてるから声かけとくか」
→「今日は自分が出すぎたから少し引こう」
みたいに、ほぼバックグラウンドで自動実行されてるんだろうね。
だから本人には「努力している」という自覚すら薄い。
それで、できない人を見ると、
「なんで分からないの?」
「見りゃ分かるじゃん」
「今それ言う?」
「普通そうするでしょ?」
になる。
でも相手からしたら、
「その『普通』のアルゴリズムを俺はインストールされてねえんだよ!」
なんだわ笑笑。
逆にできない側は、一軍が裏でそんな大量の社会情報を常時処理していることが見えないから、
「顔がいいから」
「人気者だから何やっても許される」
「目立ちたがりの性格悪い奴ら」
と結果だけで評価してしまう。
これ、双方とも相手の処理過程が見えてない。
そして飴女の推定も、このモデルなら面白い。
「パンダばっかり注目されて悔しい」
→「ちょっと恥かかせてやろう」
→ゲロまず飴イベント発生
→パンダ「なるほど。注目されたいのね ^_^」
→ではご希望どおり注目を集めて差し上げましょう
→ただし、お笑い枠。
これ、復讐としてなかなか嫌だわ笑笑。
本人が欲しかったのは「みんなが私を羨望する」という主役枠なのに、パンダが供給するのは、
「皆さん! 本日の面白人物はこちらです ^_^」
だから、確かに注目は浴びてる。要求仕様を絶妙に間違えて納品してる笑笑。
しかも、これもパンダの「相手を無視しない」と繋がってるんだよね。完全無視じゃない。むしろものすごく観察して、欲しがってるものまで推定した上で、ちょっと意地悪な形で返してる。
そりゃパンダを見てる側はスッキリするかもしれない。「聖人パンダ」じゃなくて、理解力を善行だけに使うとは誰も言ってないパンダなんだわ ^_^
まあさ。こう言うカラクリを知ると。自分が何故虐められたか解るし。大切なのはお互いがお互いを攻撃することじゃなくて理解することだって解るわけ。それでもあの時ムカついたって未来に言うのは悪いことじゃないとは思うけど。事情が解ってまで地獄に堕として俺の苦しみを味合わせてやりたいとかトンチキな事言い始めるとさ。地獄に堕ちたのは自分にも責任あるぜ!とパンダに言われる。蜘蛛の糸はそこら中に張り巡らされてるのに、態々鋏でちょん切って地獄にいる事選んどいて何言ってんの?って話
うん。その「蜘蛛の糸」の比喩、今までの話をかなり綺麗にまとめてると思う。
パンダが言ってるのは、「虐められたのはお前にも責任がある」ではなく、「その後、何十年も地獄に居続ける選択まで全部昔の加害者の責任にするな」なんだよね。ここは全然違う。
当時については、
「お前のあの行動、ムカついたわ」
「私もあの時は嫉妬してた」
「だからって、あれは酷かっただろ」
「それはごめん」
でいい。事情を理解したからといって、当時感じた痛みまで偽物になるわけじゃない。許すかどうかも別問題。
でも数十年後まで、
「相手を地獄に落としたい」
「同じ苦しみを味わわせたい」
「そうならない限り私は救われない」
となると、人生の操作権をまだ相手に渡してることになる。
そこで蜘蛛の糸なんだよね。
友達を作る糸、環境を変える糸、新しいことを始める糸、勉強する糸、仕事を変える糸、相談する糸、遊ぶ糸、恋愛する糸、昔の出来事を再解釈する糸――一本じゃなく、そこら中にぶら下がっている。
全部掴めとは言ってない。一番近い一本だけでもいい。
ところが、
「そんなものでは俺の苦しみは消えない!」
チョキン。
「新しい友達なんか昔の傷とは関係ない!」
チョキン。
「相手が幸せなのに俺だけ楽しめるか!」
チョキン。
「俺が欲しいのはあいつが不幸になることだ!」
チョキン。
……と自分で全部切っておいて、
「見ろ! 俺はまだ地獄にいる! あいつのせいだ!」
と言われたら、パンダからすれば、
「いや、途中までは確かにアイツのせいだよ。でも今お前が持ってるその鋏は誰の手にあるんだよ ^_^」
になるわな。
そして、たぶんこれがパンダの虐め論の核なんだと思う。
加害者を理解するのは、加害者を免罪するためじゃない。
被害者に責任を押し付けるためでもない。
自分がどうしてその状況に入ったのかというカラクリを理解して、次に同じ盤面が来たとき選択肢を増やすため。
だから「理解」が攻撃の反対側にある。
相手を理解すれば、「あいつは絶対悪だから地獄へ落とせ」から離れられる可能性がある。自分を理解すれば、「私は永遠の被害者だから何もできない」からも離れられる。
それでも、
「いやー、お前のあれは今思い出してもムカつくわ ^_^」
は残ってていい。
そこまで消す必要はないんだよね。むしろ「ムカついた」という過去の感情まで否定せず、それを抱えたまま今日を面白くできる方が、パンダのいう攻略成功に近いんだと思う。
聖人も善人も悪人も世界には存在しない。フィクションの世界以外は。by天才パンダ
笑笑、これはかなり天才パンダ思想を一行に圧縮してる。
「聖人も善人も悪人も世界には存在しない。フィクションの世界以外は。by天才パンダ」
というのは、「善悪なんてない」という意味じゃないんだよね。善い行動も悪い行動も存在する。でも、それを人間そのものの固定属性にするなという話。
飴を使って意地悪した人だって、その行動は「嫌なことしたな」と評価できる。でも、その人を《悪人》というジョブに永久固定する必要はない。
逆に、虐められた人も《善良な被害者》というジョブが永久保証されるわけじゃない。その後に他人へ理不尽な要求をすれば、「いや、それはお前が悪い ^_^」となる。
そしてパンダ自身も同じ。
相手の事情を理解することもある。
助けることもある。
でもムカついたら仕返しする。
場合によっては弄りにも参加する。
謝罪されたら許すこともある。
それでも昔のネタを掘り返してまた弄ることもある笑笑。
だからパンダ自身が一番、「善人」というラベルに収まらない。
人間を固定キャラクターとして見るんじゃなく、
人間=大量の選択をし続けて、その都度評価が更新されるプレイヤー
として見てるんだと思う。
だから「昔あいつは加害者だった」も一つのログに過ぎない。「今日あいつは誰かを助けた」という新しいログも追加する。「でも昔の飴はまだムカつく」は削除しなくてもいい笑笑。
フィクションなら魔王を倒して「悪は滅びました!」でエンディングにできる。
リアルは翌朝も全員ログインしてくる。
昨日いいことした奴が今日しょうもないことをするし、昨日しょうもなかった奴が明日は誰かを助ける。
たぶん天才パンダにとっての「リアリティ」って、そこなんだろうね ^_^
そしてこの一文、今まで話してきた虐め論の見出しとしてかなり強いと思う。




