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天才パンダのエッセイ※本物のミステリー!ゲームと脳科学 楽しい経済学 切り裂きジャックと孤独  作者: ヘタレパンダ


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アホな人のための教育 第1話 戦争で儲けるつもりが、自分の首まで失う人たち

アホな人のための教育


第1話 戦争で儲けるつもりが、自分の首まで失う人たち


――知識を披露するな。知識を使って考えろ。


私は昔から疑問に思っていることがある。


人間は、どうして同じ失敗を何度も繰り返すのだろうか。


歴史の教科書には、戦争、革命、反乱、クーデター、暗殺といった事件が山ほど載っている。


誰が何年に戦争を起こして、どこの国が勝って、誰が処刑されたか。


そんなことを一生懸命覚えさせられる。


それで、テストで100点を取ったら頭がいいらしい。


いや、ちょっと待て。


お前、それを覚えて一体何に使うつもりなんだ?


歴史を勉強する意味は、年号や人名を暗記することだけじゃない。


過去の人間が何を間違え、なぜ失敗し、その結果どうなったのかを知ることだ。


そして、同じ失敗を繰り返さないために、その知識を使うことだ。


ところが、世界には歴史を学んでいるはずなのに、過去の失敗を見事に繰り返している指導者がいる。


もうね。


お前、本当に歴史を勉強したのか?丸暗記しただけなのか?


と言いたくなる。


■ 戦争をすると、いくら儲かるのか?


さて、ここで問題です。


あなたは一国の指導者です。


国家予算から100億円を使えるとしましょう。


その100億円を、戦争に使いますか?


それとも国民の教育や産業の発展に使いますか?


もちろん、安全保障のために必要な防衛費まで否定しているわけではない。


私が問題にしているのは、戦争を始めることで利益を得ようとする場合だ。


戦争に勝てば、領土が増えるかもしれない。


資源を手に入れられるかもしれない。


軍需産業で儲かる人もいるだろう。


権力を拡大できると考える指導者もいるかもしれない。


では、そこまで計算したところで質問しよう。


その戦争によって失うものは、全部計算したのか?


兵士の命は?


国民の命は?


壊された住宅や工場、道路、学校は?


農業や商業が停止したことによる損失は?


税収の減少は?


外国へ逃げた技術者、研究者、医師、教師たちは?


教育を受けられなくなった子供たちの将来の所得は?


戦後の復興費用は?


さらに、国が貧しくなった結果、治安が悪化する可能性もある。


人口が流出し、生産力が落ち、税収まで減る。


そのうえ、困ったから外国に支援してくださいと言い出す。


ちょっと待て。


お前、自分で戦争を起こして国を壊しておいて、今度は他国の国民に後始末のお金を払わせるつもりなのか?


だったら、まず戦争を起こした責任者や、不正な利益を得た人間の責任を調べるべきだろう。


実際、世界銀行が2025年に発表した報告では、激しい紛争が起きた経済では、5年後の一人当たりGDPが紛争前の予測より累計約20%低くなると分析されている。


つまり、戦争が国を貧しくするという研究結果は、すでにある。


こんなことは私が新しく発見したわけじゃない。


過去の歴史を調べれば、いくらでも出てくる話だ。


それなのに、なぜ繰り返すのか。


もしかして、利益だけ計算して損失を計算していないのではないか。


■ フランス革命で貴族たちは何を失ったのか


ここで、フランス革命を考えてみよう。


18世紀末のフランスでは、戦費や財政制度の問題などによって国家財政が危機に陥っていた。


1787年、財務総監カロンヌは、貴族や聖職者などの特権階級にも広く課税する改革を提案した。


ところが、有力者たちの会議は改革を承認しなかった。


もちろん、革命の原因はこれだけではない。凶作や食料問題、政治制度への不満も重なっていた。


しかし、結果としてフランスの政治体制は大きく揺らぎ、1789年に革命が始まる。


その後、王政は倒れ、国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットは処刑された。※余談だがパンダは16世の事を14世だったか?15世だったか覚えてないからチャッピー教えろと言った。


貴族にも財産や地位を失った人、国外へ逃れた人、処刑された人がいる。


さて、ここで計算してみよう。


当時の特権階級が守ろうとしていたのは、自分たちの利益や地位だった。


では、その利益を守り続けようとして、政治体制そのものが崩れたらどうなるか。


今まで持っていた特権を全部失うかもしれない。


財産を失うかもしれない。


場合によっては、命まで失う。


お前、何を守るために、そんな大きな危険を背負ったんだ?


という話になる。


ここで勘違いしてほしくないのは、当時の貴族が全員同じ考えだったわけではないことだ。


実際に改革を支持した貴族もいた。


だからこそ重要なのは、人間を「貴族だから悪い」と分類することではなく、どの人物が、どんな判断をして、どんな結果になったのかを調べることだ。


そして私は、もう一つ考えてしまう。


そもそも、地位の高い人間が、必ずしも国を経営する能力に優れているとは限らない。


当時のフランスには、官職を購入したり、地位を相続したりする制度も存在していた。


つまり、立派な地位に就いていることが、そのまま問題解決能力の証明になるわけではなかった。


そんな人間に国家経営を任せたらどうなるか。


これは現代でも考える価値がある問題だと思う。


■ 自分の取り分しか考えない人間


私が考える優秀な経営者というのは、自分の取り分だけを計算する人間ではない。


相手の取り分も計算する人間だ。


例えば、国全体で100億円の利益が出ていたとしよう。


指導者が80億円を取って、国民には20億円しか残さない。


それで国民が貧しくなり、教育も受けられず、産業も発展しなかったらどうなるか。


国全体の利益は増えない。


ところが、国民に十分な取り分を残し、教育や産業に投資して、将来の利益が1,000億円になったらどうだろう。


その30%を受け取るだけでも300億円になる。


これは説明のための仮定だけれど、言いたいことはわかると思う。


100億円のうち80億円を独占するより、1,000億円のうち300億円を受け取る方が儲かる。


もちろん、投資には費用も時間もかかるし、必ず成功するわけではない。


だからこそ、その確率や費用を計算する。


目の前のお金をたくさん取ることと、長い時間をかけて大きな利益を得ることは違うのだ。


■ 働いた人には、ちゃんと報酬を払え


もう一つ、政治家や経営者に言いたいことがある。


国民や部下に向かって、


「国のために働きなさい」


「人の役に立つことは素晴らしい」


「達成感が得られれば幸せでしょう」


なんて言う人がいる。


そりゃ、人の役に立つのは素晴らしいことだろう。


でもね。


達成感で飯が食えるのか?


働いた人には、きちんと報酬を払いなさい。


例えば、ある人が4兆円の純利益を生み出したとする。


その人が2兆円の報酬を要求したら、金額だけを見て「強欲だ」と言う人もいるだろう。


でも、仮にその成果が本人の貢献によるもので、報酬の取り決めにも合っているなら、支払った後にも2兆円の利益が残る。


それを「月5万円で我慢しろ」と言ったら、どうなるか。


ふざけんな、という話だ。


※この金額は報酬と利益の関係を考えるための仮定である。


ここで賄賂についても考えてみたい。


賄賂は悪い。だから全部なくせ。


そう言うだけなら簡単だ。


でも、実際には金銭や役職、利益供与によって協力を得てきた政治体制がある。


それまで利益を受けていた人に、突然何も与えず協力だけ要求したら、反発が起こる可能性はある。


大切なのは、違法な賄賂を続けることではなく、何の対価としてお金が求められているのかを理解することだ。


仕事をして成果を上げた人には、正当な報酬を払う。


有能な人間が活躍できる機会を与える。


その方が、こっそり賄賂を渡すより、国の制度としても安定させやすい。


人を働かせたいなら、相手が何を得られるかまで考えろ。


これも当たり前の損得計算だと思う。


■ 国民を不幸にすると、指導者自身も危険になる


国民に十分な食料がない。


働いても生活できない。


努力しても正当に評価されない。


能力があるのに、その能力を生かす場所がない。


兵士には命を懸けさせるのに、十分な待遇を与えない。


そんな状態が続いたら、どうなるだろう。


不満がたまる。


働く意欲がなくなる。


国外に逃げる人が増える。


場合によっては、反乱やクーデターにつながる。


もちろん、クーデターには軍内部の権力争いなど、国民の貧困とは別の原因もある。だから、歴史を調べるなら、誰が何に不満を持って反乱を起こしたのかまで確認する必要がある。


ただ、政治の失敗によって国民や兵士の不満が高まり、指導者自身の安全が脅かされることは、歴史が示している。


1989年のルーマニアでは、深刻な生活物資の不足と政治的抑圧が続いた末、民衆の抗議が広がり、軍の離反も起きた。チャウシェスク政権は崩壊し、夫妻は処刑された。


これは処刑を正当化するために紹介しているのではない。


政治判断の結果として、指導者自身がどれほど大きな危険を背負うことになったのかを考えるためだ。


だから私は、戦争を始めようとする指導者に聞いてみたい。


その戦争には、国民や兵士の損失だけでなく、政権崩壊や暗殺の危険まで計算に入れていますか?


国民を守るはずの政治で、国民も自分自身も危険にさらして、一体何がしたいんだ?


■ 本当に幸せな金持ちとは何か


私は、お金を持っていることだけが幸福だとは思わない。


もちろん、お金は必要だ。


欲しい物を買いたいし、おいしい物も食べたい。


旅行にも行きたいし、映画も見たい。


豊かな暮らしを楽しみたい。


だからこそ、働いた人にはきちんとお金を払ってほしいと思う。


でも、私が幸福について考えるとき、一番大切だと思うものがある。


安心して、ぐっすり眠れることだ。


何百億円も財産がある。


豪華な宮殿に住んでいる。


高級車も、宝石も、使用人もいる。


でも、いつ誰に襲われるかわからない。


部下の裏切りを警戒しなければならない。


兵士が反乱を起こすかもしれない。


自分の家族まで危険にさらされるかもしれない。


そんな暮らしを、私はうらやましいとは思わない。


それよりも、国民が安心して眠れて、指導者自身も安心して眠れる国を作った方がいい。


教育を受けられる。


才能を発揮できる。


働けば正当な報酬をもらえる。


家族を養える。


安心して暮らせる。


その結果、国の産業が育ち、税収も増える。


指導者もその豊かさを享受できる。


その方が、長い目で見れば、ずっと合理的ではないだろうか。


■ 歴史は暗記するためにあるんじゃない


さて、ここまで読んでくれた人に質問したい。


過去に国家を衰退させた指導者は、どんな間違いをしたのだろう。


その人たちは、国民や兵士に何を与え、何を奪ったのだろう。


反乱を起こしたのは誰で、何を理由に反乱を起こしたのだろう。


そして、別の政策を実施していたら、結果は変わっていただろうか。


私は、その答えを歴史から調べるべきだと思う。


教科書に載っている人名や年号を暗記するだけではもったいない。


せっかく先人たちが失敗して、その結果まで歴史に残してくれているのだ。


だったら、その失敗を教材にすればいい。


知識を披露するな。知識を使って考えろ。


そして、次回は、実際に貧しい国の教育を改革しようとした一人の指導者について考えてみたい。


彼は教育の重要性に気づいていた。


国を豊かにしようともしていた。


しかし、改革の途中で命を落とした。


彼は何を間違えたのだろう。


そして、限られた予算の中で、別の方法はなかったのだろうか。


次回は、その問題を考えてみよう。


⸻


参考資料


* 世界銀行(2025年)『Fragile and Conflict-Affected Situations: Intertwined Crises, Multiple Vulnerabilities』

* Encyclopaedia Britannica, “French Revolution”

* John Hardman(2010)『Overture to Revolution: The 1787 Assembly of Notables and the Crisis of France’s Old Regime』

誰かの失敗から学ぶ事が最適解に近づく為に必要なプロセスの一つである。


天才パンダ

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