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天才パンダのエッセイ※本物のミステリー!考え過ぎて頭痛患者勃発!血液型分布図と民俗学。塩分と世界平和。ゲームと脳科学  作者: ヘタレパンダ


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国会中継を見て  外来生物

カミキリムシを駆除するだけで終わるな!


――沖縄では虫を放して害虫を根絶した。なぜその発想をもっと使わないのか。


2026年10月16日。


テレビで、外来種のクビアカツヤカミキリの問題を取り上げていた。


この虫は、サクラやウメ、モモなどの木に入り込み、内部を食い荒らす。


被害が進めば木が枯れることもある。


サクラの名所が失われたり、果樹園に被害が出たりすれば、当然、経済的な損失も発生する。


だから駆除しましょう。


まあ、それは分かる。


しかし、私が考えたのは別のことだった。


どうして、いつまでも駆除し続けることを前提にしているのだろうか。


害虫が増えました。


駆除しましょう。


また増えました。


また駆除しましょう。


それを何十年も続けるつもりなのか。


そんなことをしていたら、いつまでたっても金がかかるではないか。


だったら、そもそも子供を作れなくしてしまえばいいんじゃないのか。


私はそう考えた。


繁殖できないカミキリムシを放せばいい


私が思いついたのは、遺伝子技術などを使い、子孫を残せないカミキリムシを作って放す方法だった。


雄も雌も繁殖できないようにして大量に放す。


すると、野生のカミキリムシが繁殖可能な相手と交尾する機会が減り、次世代の個体数を減らせるのではないか。


もちろん、雌雄両方を放す方がいいのか、雄だけを放す方が効率的なのかは研究しなければ分からない。


遺伝子を改変する必要があるかどうかも、研究してから判断すればいい。


放射線などを利用して繁殖能力を失わせる技術もあるからだ。


重要なのは、不妊化した虫を放すことによって、野生の虫が子孫を残す割合を減らすという発想である。


そして、この方法は、決して私が思いついただけの空想ではなかった。


調べてみたら、実際に日本で成功していたのである。


それも沖縄で。


沖縄では虫を放して虫を根絶していた


その害虫の名前は、ウリミバエ。


ゴーヤやキュウリ、カボチャなどのウリ科植物をはじめ、農作物に被害を与えるハエの仲間である。


沖縄では1919年に八重山群島で確認され、その後、県内各地へ分布を広げた。


この害虫がいるために、沖縄から本土へ持ち出せない農産物もあった。


農家にとっては、作物を育てるだけではなく、販売先まで制限されるという問題だったのだ。


そこで1972年、沖縄県は久米島でウリミバエの根絶実験を始めた。


使われたのが「不妊虫放飼法」である。


方法はこうだ。


まず大量のウリミバエを人工的に飼育する。


その虫に放射線を照射し、繁殖できないようにする。


不妊化した虫でも、野生の虫と交尾する能力は残せる。


しかし、正常に子孫を残すことはできない。


その虫を大量に野外へ放すのである。


すると、野生の雌が繁殖能力のある雄と交尾する確率が下がる。


次世代の虫が減る。


そして、その次の世代も減る。


これを繰り返していく。


もちろん、最初から不妊虫を放すだけで全部解決したわけではない。野生の虫の数を減らす対策も組み合わせた。


しかし、その積み重ねによって、1978年には久米島でウリミバエの根絶に成功した。


その後、取り組みは沖縄県内のほかの島々へ広がっていった。


そして1993年10月30日。


ついに沖縄県全域でウリミバエの根絶が宣言されたのである。


ここで、その規模を聞いて驚いた。


根絶までに放した不妊虫は、約530億匹。


530億匹である。


なんという数だろう。


しかも、国の記録によれば、南西諸島でのウリミバエ根絶事業には22年の歳月と約204億円の防除費用がかかっている。


ずいぶん金がかかったと思うかもしれない。


しかし、考えてみてほしい。


この事業によって、ウリミバエの発生を理由に制限されていた農産物の移動規制が解除され、県外への出荷が可能になった。


つまり、単に害虫を減らしたのではない。


農家が商品を売れる市場そのものを広げたのである。


204億円を使ったから損だと考えるのは早い。


その結果、農家の収入がどれだけ増えたのか。


農業生産がどれだけ増えたのか。


地域経済にどれだけ利益が生まれたのか。


そこまで計算しなければ、本当の費用対効果は分からない。


私は、こういう計算が大好きなのである。


さらに驚いた。甲虫でも成功していた


調べてみると、もっと興味深い事例があった。


アリモドキゾウムシである。


この虫はサツマイモを食い荒らす害虫で、カミキリムシと同じ甲虫目に属する。


もちろん種類は違うが、ハエだけでなく、甲虫にも不妊虫放飼法が応用されていたのだ。


沖縄県久米島では、1994年から根絶事業が進められた。


まず、雄を誘引して捕獲する方法で野生の虫を減らす。


その後、不妊化した虫を大量に放していく。


琉球大学などの研究によると、放した不妊虫は合計約4億6千万匹。


約19年間にわたる事業には、約45億円が使われた。


そして2012年末に根絶が確認され、2013年には正式に根絶が認められた。


さらに沖縄県の津堅島でも、2021年に同じアリモドキゾウムシの根絶が達成された。


甲虫類を対象にした広域的な不妊虫放飼による根絶の成功例である。


これを知って、私はますます興味が湧いた。


ハエでできた。甲虫でもできた。だったら、カミキリムシではどうなのか。


当然、そういう疑問が出てくるではないか。


クビアカツヤカミキリは幼虫が木の内部で長期間育つため、ウリミバエやアリモドキゾウムシと同じ方法がそのまま使えるとは限らない。


大量飼育ができるのか。


不妊化しても交尾能力を維持できるのか。


雌雄のどちらを放すのがいいのか。


何匹放せば効果があるのか。


野外に放したときに新たな被害を生じさせないか。


検証することはいくらでもある。


しかし、それは研究してみなければ分からない話だ。


私は研究しなくても成功すると言っているわけではない。


成功した技術があるのだから、その応用を考えたらどうかと言っているのである。


そもそも輸入経路はどうなっているのか


そして、私がもっと気になるのがこちらだ。


海外からの侵入経路である。


クビアカツヤカミキリは、輸入された木材や木製梱包材、パレットなどに幼虫が潜んで侵入した可能性が指摘されている。


ただし、日本への実際の侵入経路がすべて特定されているわけではない。


だったら、まずそこを徹底的に調べる必要があるのではないか。


海外から貨物が入ってくる。


港で荷物を降ろす。


倉庫に運ぶ。


別の倉庫に移動する。


工場や販売店に届ける。


そのどこかで、木材の内部に隠れていた虫が羽化したらどうなるのか。


国内で発生した虫をいくら駆除しても、同じような経路から何度も入ってきたら意味がないではないか。


入り口がガバガバなら、出口でいくら頑張っても終わらないのである。


もちろん、日本にも植物検疫の制度はある。


木製パレットや梱包材についても、国際的な基準に基づいて消毒などの規則が設けられている。


問題は、その制度で実際にどこまで侵入を防げているのかということだ。


私はそこを数字で知りたい。


年間どれだけの貨物を検査しているのか。


害虫は何件見つかっているのか。


検査されていない貨物には、どのようなリスクがあるのか。


輸入業者や倉庫では、どのような管理を行っているのか。


害虫が見つかった貨物の輸出元まで追跡できるのか。


検疫に問題が見つかった場合、改善させる仕組みは十分なのか。


そういうことを調べて、問題のある経路から順番に対策を強化すればいい。


必要なら法律や検査基準も見直せばいいではないか。


セアカゴケグモのときから思っていた


私は以前、セアカゴケグモが問題になったときにも、似たようなことを考えていた。


海外から持ち込まれる生物に、どう対応するのか。


港や倉庫の管理はどうなっているのか。


そもそも、どうやって侵入したのか。


そういうことを調べなければ、また同じことが起きるのではないか。


セアカゴケグモとクビアカツヤカミキリでは、生態も侵入経路も違う。


だから同じ駆除方法が使えるわけではない。


しかし、侵入してから慌てて駆除するだけでは不十分だという点は共通している。


私は昔、研究者が国の規制によって十分な調査を行えないという趣旨の話を聞いた記憶もある。


その具体的な内容は改めて確認する必要があるが、研究の障害になる制度があるなら、改善できないか検討すべきだと思う。


現在の外来生物法でも、特定外来生物を野外に放すことは原則として禁止されている。


当然だろう。


勝手に放して繁殖されたら困るからである。


ただし、防除技術を開発する学術研究については、許可を受けて実施できる制度もある。


だから私は、無断で放せと言っているわけではない。


安全性を確認し、必要な研究を行い、効果があるなら適切な制度のもとで実用化すればいいと言っているのである。


沖縄は根絶した後も対策を続けている


そして沖縄の成功例には、さらに重要な続きがある。


沖縄県では1993年にウリミバエを根絶した後も、海外からの再侵入を警戒している。


2026年に公表されている県の資料によると、現在でも一週間に約2,650万匹もの不妊虫を放している。


さらに県内527か所の定点トラップによる監視も行っている。


つまり、根絶して終わりではないのだ。


なぜか。


海外からまた侵入してくる可能性があるからである。


そうだろう。


私は、まさにそのことを言っているのだ。


せっかく根絶しても、侵入を許してしまえば、また最初からやり直しになってしまう。


だから侵入防止と繁殖防止を同時に考えなければならない。


沖縄の成功例は、駆除する技術だけでなく、根絶した状態を維持するための管理まで教えてくれているのである。


最終的にいくら得をするのか


私は、この問題も最終的には費用対効果で考えればいいと思っている。


例えば、現在の駆除対策に年間いくらかかっているのか。


被害を受けた果樹園の損失はいくらなのか。


枯れた桜を伐採して植え替える費用はいくらなのか。


観光地としての価値が下がることで、どれだけの経済的損失が生まれるのか。


それに対して、不妊虫放飼法の研究や実用化にはいくらかかるのか。


輸入経路の検査を強化した場合には、どれだけ侵入の危険を減らせるのか。


五年後、十年後、二十年後まで計算して、どの組み合わせが最も効果的なのか調べればいい。


もちろん、すぐに答えが出るわけではない。


だからこそ、研究が必要なのである。


私は昔から、問題が起きるたびに誰かを批判するだけの議論が嫌いだった。


例えばゲームの中で問題が発生したとしても、ただ批判されるだけならつまらない。


しかし、どうすれば改善できるのか、どの方法なら成功するのか、どうすれば費用を抑えられるのかを考えるゲームだったら面白い。


現実の政治や行政だって同じだと思う。


問題が起きた。


誰が悪い。


なぜ防げなかった。


そんな話を延々とするよりも、どうすれば解決できるのかを考えた方が建設的ではないか。


実際、沖縄では約530億匹の不妊虫を放してウリミバエを根絶した。


さらに甲虫の仲間であるアリモドキゾウムシまで根絶している。


前例がまったくない話ではないのだ。


だったら、研究すればいい。


検査体制を調べればいい。


対策を組み合わせればいい。


そして、最終的にいくらの経済的利益が生まれるのか計算すればいい。


私は、害虫を何匹駆除したかという話だけを聞きたいわけではない。


どうすれば、いずれ駆除を繰り返さなくても済む状態にできるのか。


それが知りたいのである。


虫を放して虫を根絶した沖縄の成功例は、実に面白い。


問題解決とは、こういう発想から始まるのではないだろうか。



世界中の研究者は情報交換している。それなら日本は何をしているのか?


ここまで調べて、私は一つ疑問に思った。


世界中で、いろいろな研究者が害虫の駆除方法を研究している。


沖縄ではウリミバエを根絶した。


同じ沖縄では、甲虫の仲間であるアリモドキゾウムシの根絶にも成功した。


シンガポールでは、ウォルバキアという細菌を利用し、蚊の繁殖を抑えている。


中国では、バッタが集まる原因となるフェロモンを研究している。


アフリカなどでは、バッタに感染する菌を使った生物農薬が利用されている。


つまり、世界中の研究者たちが、それぞれ違う方法で害虫の問題を解決しようとしているのである。


だったら、この研究者たちは、お互いに情報交換しているのではないか。


そう思って調べてみた。


案の定、していた。


国連食糧農業機関(FAO)と国際原子力機関(IAEA)は、共同で不妊虫放飼法などの研究を進めている。


両機関が運営する共同センターでは、世界400以上の研究機関や実験施設が協力して、年間25件以上の共同研究プロジェクトを支援しているという。


研究成果は論文として発表され、技術の普及も進められている。


なんだ。ちゃんと世界中で情報交換しているではないか。


それなら、次の疑問が出てくる。


日本の研究者は、こうした技術を知らないのだろうか。


いや、そんなことはないだろう。


実際に日本でも、クビアカツヤカミキリのフェロモンを研究したり、被害を早期に発見する技術を開発したりしている。


農研機構は2026年3月31日に、外来カミキリムシ3種類の防除技術をまとめたマニュアルまで発行していた。


環境省と農林水産省も、2026年9月にクビアカツヤカミキリ防除戦略を決定している。


つまり、何もしていないわけではない。


しかし、私が調べた公開資料では、クビアカツヤカミキリに不妊虫放飼法を実用化する具体的な計画は確認できなかった。


だったら聞きたい。


沖縄で成功した技術を、カミキリムシにも応用できないか検討したのだろうか。


検討して無理だったのなら、その理由を知りたい。


大量飼育が難しいのか。


放射線を照射すると交尾能力まで失われるのか。


費用がかかりすぎるのか。


不妊虫を放しても、野生の虫の繁殖を十分に抑えられないのか。


あるいは、本州のような広い地域では、島で成功した方法が通用しないのか。


理由はいくらでも考えられる。


だからこそ、研究結果を知りたいのである。


検討した結果、効果がないと分かったのなら、それも立派な研究成果だ。


では、次の方法を考えればいい。


だが、もし検討そのものをしていないのだとしたら、なぜなのか。


そこを知りたい。


私は、日本の研究者が怠けていると言いたいわけではない。


むしろ、これほど世界中で研究が進んでいるのだから、どこまで知識や技術が共有されているのかを知りたいのだ。


そして研究者だけではない。


政治家や行政の担当者は、こうした研究についてどこまで把握しているのだろうか。


研究者が提案しても、予算が付かないのか。


法律上の問題があるのか。


すでに別の方法の方が効果的だという計算が出ているのか。


それとも、現在の駆除方法を続けながら、新技術の研究が進むのを待っているのか。


事情によって、必要な対策はまったく違う。


知らないなら調べればいい。知っているなら検討すればいい。検討したのなら結果を説明すればいい。


私は、それだけのことを言っているのである。


そして、もう一つ。


世界中で研究者がそれぞれ成功させた技術を、もっと積極的に比較してもいいのではないか。


繁殖を防ぐ技術。


フェロモンを利用する技術。


菌を利用する技術。


人工衛星やドローンで発生を予測する技術。


そして輸入経路で侵入を防ぐ技術。


これらは、必ずしもどれか一つしか使えないというものではない。


組み合わせれば、単独で使うより大きな効果が出る可能性がある。


もちろん、異なる害虫に技術を応用するには、それぞれ実験が必要だ。


しかし、最初から一つの方法だけにこだわる必要もない。


私は、こういうときこそ研究者の知恵を集めればいいと思う。


世界には、何十年もかけて害虫の繁殖を研究してきた人たちがいる。


実際に根絶に成功した研究者もいる。


その知識を利用しない手はないだろう。


問題が起きてから金を使って駆除するだけでなく、問題そのものを発生しにくくする方法に投資する。


そこまで考えてこそ、長期的な害虫対策になるのではないだろうか。


私は研究者を批判したいのではない。


研究者が何十年もかけて得た知識を、もっと有効に使ってほしいのである。


そして、その成果を政策へ反映させる仕組みがどうなっているのか。


そこを知りたいのだ。

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