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天才パンダのエッセイ※本物のミステリー!考え過ぎて頭痛患者勃発!血液型分布図と民俗学。塩分と世界平和。ゲームと脳科学  作者: ヘタレパンダ


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パンダの考える新しい脳トレ。耳トレも入れる。

耳の脳トレゲームを作ったらどうだろう


――高齢者向け「早押し耳トレ」の提案


父に脳トレをやらせようと思った。


最近、父の様子を見ていると、少し気になることがある。


以前、寿司屋へ一緒に行った時のことだ。


待ち時間があった。


昔だったら、そういう時間には本でも読むような人だったと思う。


ところがその日は、何をするでもなく、ぼんやりしていた。


私は、


「ちょっとおかしくないか?」


と思った。


もちろん、それだけで認知症だと言うつもりはない。


高齢者がぼんやりする原因なんて、いくらでもある。


疲れているのかもしれない。


眠いのかもしれない。


薬の影響かもしれない。


実際、医師から、


「少し薬が強いようなので減らしましょう」


と言われた。


だから薬を減らした後、父の様子がどう変わったかも確認したいと思っている。


もう一つ、私が気になったのが耳である。


もしかしたら、父は頭がぼんやりしているのではなく、単純に周囲の音がよく聞こえていないのではないか。


聞こえていなければ、会話にも入りにくい。


周りで何が起きているのか分かりにくい。


結果として、他人から見ると、


「ぼーっとしている」


ように見えることだってある。


ところが父は補聴器を持っているのに使わないらしい。


本人は、


「補聴器なんかなくても聞こえる」


と言う。


こういう人は結構いるのではないだろうか。


静かな部屋で一対一なら聞こえる。


しかし、レストランのように周囲に人の声や食器の音がある場所になると、急に聞き取りにくくなる。


それでも本人は、


「俺は聞こえている」


と思っている。


そこで私は考えた。


脳トレをすれば、耳まで少し良くなったりしないのだろうか。


私は父にNintendo Switchを持っていって、脳トレでもやらせてみようかと思っていた。


計算する。


間違い探しをする。


記憶する。


そういうゲームをやれば、少なくとも何もしないでぼんやりしているよりは、頭を使う。


では、耳についてはどうなのだろう。


調べてみると、これは少し面白かった。


まず、普通の脳トレをしたからといって、耳そのものが若返るという話ではない。


加齢などで内耳の機能が落ちている場合、計算問題を解いたら突然そこが治るわけではない。


当然である。


しかし、人間が「聞く」という行為は、耳だけで行っているわけではない。


耳から音が入ってくる。


その音を脳が処理する。


人の声と雑音を分ける。


言葉を認識する。


文章として意味を理解する。


少し前に聞いた言葉を記憶する。


相手が何を言いたいのか判断する。


ここまでやって初めて「聞こえた」になる。


つまり、


耳の性能と、脳が音を処理する能力は、まったく同じものではない。


そこで聴覚トレーニングという研究分野が出てくる。


コンピューターなどを使って、音声を聞き分けたり、雑音の中から言葉を拾ったりする訓練を行う研究がある。


2023年に発表された研究のまとめでは、コンピューターを使った聴覚トレーニングによって、雑音の中で言葉を聞き取る能力が改善する可能性が示されている。


ただし、研究の質にはばらつきがあり、


「絶対に効く」


とまで断言できる段階ではない。


それでも興味深い。


さらに最近では、高齢者にゲーム化した聴覚・認知トレーニングを行い、カフェのように周囲がざわざわした環境で会話を聞き取る能力が改善した、という研究も出ている。


ここで重要なのは、


耳そのものの聴力が回復したとは限らない


ということである。


どうやら、


耳から入ってきた情報を脳が利用する能力


の方が鍛えられている可能性があるらしい。


だったら私は思う。


そんな研究を、研究室の中だけでやっていないで、ゲームにしたらいいじゃないか。


ただし、私は最初、


「音声を聞いて数字を答えさせればいい」


くらいに考えていた。


例えば、


「3、8、1」


と音声を流して、


「二番目の数字は何でしょう」


と答えさせる。


あるいは、


「明日の午後3時に駅前で待ち合わせです」


という文章を聞かせて、


「待ち合わせは何時?」


と答えさせる。


確かにこれでも訓練にはなると思う。


しかし、私は途中で気がついた。


そんなゲーム、面白くない。


高齢者に毎日やらせるなら、もっと楽しくなくてはいけない。


そこで思いついたのが、


早押しイントロクイズである。


老人ホームやデイサービスのテレビの前に、おじいちゃん、おばあちゃんが何人も座っている。


一人ずつ早押しボタンを持つ。


テレビから昔の曲が流れる。


ほんの数秒でいい。


「タンタタタタン……」


「あっ!」


誰かが分かった。


ボタンを押す。


音楽が止まる。


画面には曲名が三つ出る。


A。


B。


C。


その中から答えを選ぶ。


正解。


テレビから、


「ピンポン、ピンポン、ピンポーン!」


と派手な音が鳴る。


周りのおじいちゃん、おばあちゃんが、


「おおー!」


「すごい!」


と拍手する。


正解した本人も嬉しい。


私は、こういうゲームがいいと思う。


なぜなら、これは一回のゲームでかなり多くのことをしているからである。


まず音楽を聞く。


これは聴覚である。


次に、


「この曲、なんだっけ?」


と記憶を探す。


昔の記憶を呼び起こす。


そして、


「分かった!」


と判断する。


素早くボタンを押す。


手を動かす。


テレビ画面に出た三つの文字を読む。


答えを選ぶ。


正解したら喜ぶ。


周囲の人と会話する。


これだけのことを、数十秒のうちにやっている。


しかも本人は、


「脳の訓練をしている」


とは思っていない。


ただ遊んでいるだけである。


これが大事なのではないだろうか。


人間は、


「あなたは高齢者だから認知症予防をしましょう」


と言われると嫌になることがある。


「耳が悪いから訓練しましょう」


と言われても嫌がる。


特にうちの父なら嫌がると思う。


補聴器の話をしただけでも嫌がるような人である。


ところが、


「昔の歌のクイズやる?」


だったら、少し話が違う。


まして知っている曲が流れたら、


「これ知ってる!」


となる。


昭和30年代。


昭和40年代。


昭和50年代。


昭和60年代。


年代別に何百曲も入れておけばいい。


80代の人と60代の人では、青春時代に流行った曲が違う。


だから年齢によって選べるようにする。


歌謡曲。


演歌。


フォーク。


グループサウンズ。


童謡。


テレビ番組の主題歌。


映画音楽。


アニメソング。


ジャンル別でも遊べる。


もっと面白くするなら、


「この歌を歌っている人は誰?」


でもいい。


三択で歌手名を出す。


「この曲がヒットしたのは昭和何年?」


でもいい。


「このドラマの主題歌はどれ?」


でもいい。


音楽だけで何種類ものクイズが作れる。


そして、音楽にはもう一つ面白いところがある。


昔の曲を聞くと、その時代の記憶まで出てくることがある。


「あの頃、会社に入ったばかりだった」


「この歌、結婚した頃によく流れていた」


「この歌手、母ちゃんが好きだった」


そんな話が始まる。


すると今度は、ゲームが会話を生む。


一人で画面を見て終わりではない。


人と話す。


他人の話を聞く。


笑う。


思い出す。


説明する。


また別の頭の働きを使う。


いわゆる回想法に近い要素まで、自然に入ってくる。


私は、老人ホームでこういうゲームをやったら結構盛り上がると思う。


さらに、耳の訓練として本格的にするなら、難易度を上げればいい。


最初はきれいな音で流す。


慣れてきたら、少しだけ周囲の雑音を入れる。


喫茶店のざわざわした音。


駅の音。


食器の音。


人の話し声。


その中から曲を聞き分ける。


あるいは歌の一部分だけ聞かせる。


イントロではなく、一番の途中から突然流す。


もっと難しくするなら、


「この歌詞の次は何でしょう」


でもいい。


ただし、これは高齢者を困らせるためのゲームではない。


難しすぎて、


「俺にはできない」


となったら逆効果である。


だからゲーム機が、その人の成績を見て自動調整する。


よく正解する人には少し難しくする。


間違いが増えたら簡単に戻す。


正答率が七割から八割くらいになるようにすれば、適度に、


「分かった!」


という快感が得られる。


さらに老人ホーム用なら、個人戦だけではなくチーム戦でもいい。


右側の席対左側の席。


男性チーム対女性チーム。


職員チーム対利用者チーム。


職員の若い人に昭和30年代の歌を出したら、今度はおじいちゃん、おばあちゃんの方が強い。


「こんなのも知らないのか!」


と逆に教える側になる。


これもいい。


高齢者がいつも、


「教えてもらう側」


「介護される側」


である必要はない。


自分の知識で若い人に勝てるゲームなら、それだけで楽しい。


Nintendo Switchには、すでに脳トレというジャンルがある。


だったら私は、


「耳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング」


みたいなものを作ったらいいと思う。


もちろん、


「このゲームをやれば難聴が治ります」


などと言ってはいけない。


耳の病気なら耳鼻科で診てもらうべきである。


補聴器が必要なら、補聴器を使った方がいい。


認知機能に問題があるなら、それも医療機関で評価してもらえばいい。


ゲームは治療の代わりではない。


しかし、


耳から入った情報を脳で処理する能力を楽しく使い続ける


という役割なら、十分可能性があるのではないだろうか。


しかも、研究の世界ではすでに聴覚トレーニングの可能性が調べられている。


だったら研究者と医療者とゲーム会社が一緒に作ればいい。


研究者は、


「どんな課題なら聞き取り能力の訓練になるか」


を考える。


医療者は、


「どういう高齢者に適しているか」


を考える。


ゲーム会社は、


「どうすれば毎日やりたくなるか」


を考える。


これらを組み合わせる。


そして家庭だけでなく、デイサービスや老人ホームにも売る。


施設なら一台のゲーム機と大きなテレビで、何人も一緒に遊べる。


専用の大きな早押しボタンを作ってもいい。


手の力が弱くても押せる、大きくて軽いボタンである。


ボタンを押すと、


「バン!」


と光る。


正解すると、


「ピンポン、ピンポン、ピンポーン!」


画面いっぱいに花丸が出る。


周りから拍手が起きる。


こんなの、普通の計算問題より楽しいに決まっている。


問題になるとしたら、昔の曲を何百曲も収録するための著作権や音源使用料だろう。


でも、そこはゲーム会社と音楽会社が組めばいい。


原曲が難しければ、許諾を取ったカバー音源を使う方法もある。


追加曲をダウンロードできるようにしてもいい。


「昭和40年代パック」


「演歌パック」


「懐かしのテレビ主題歌パック」


などを追加できるようにしたら、商売としても面白い。


私は最初、


「脳トレしたら耳まで良くならないかな」


と思っただけだった。


調べてみたら、普通の脳トレで耳そのものが治るという単純な話ではなかった。


しかし、そこで終わりではなかった。


耳で受け取った音を、脳が選び、理解し、記憶する。


その部分には、訓練できる可能性がある。


だったら、それを苦しい訓練にする必要はない。


好きだった音楽を聞く。


分かったらボタンを押す。


当たったら、


「ピンポン、ピンポン、ピンポーン!」


周りのみんなが、


「おおー!」


と拍手する。


笑って、思い出して、話をする。


それで耳と頭を使えるなら、その方がずっといい。


任天堂さん。


川島教授の脳トレの次は、


「早押し耳トレ」


なんてどうでしょう。


家庭用だけじゃありません。


デイサービスにも老人ホームにも売れます。


高齢者はこれからますます増えます。


結構、儲かると思いますよ。


――パンダはそう思うのである。





実はパンダは以前にも、「高齢者向けに脳トレをゲームにして売ればいい」と書いたことがある。その後、川島教授監修の『脳トレ』が大ヒットした。

また、ゲームを使って家庭で体を動かすことも昔から提案していた。ただし運動ゲームそのものはファミリートレーナーやDDRなど先行例があるため、パンダが世界初だったとは言えない。

パンダが考えていたのは、激しく踊るゲームではなく、高齢者や運動が苦手な人でも簡単な動きで続けられるゲームだった。後のWii SportsやWii Fitに近い発想である。

古い書き込みの正確な日付が現在確認できないため、先行性については保留する。

そして今度思いついたのが「耳トレ」である。

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