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第2話 緑眼の王子と予言

セイは400年ぶりに生まれた緑眼の王族だ。


400年前にアジェリアという緑眼の王女がいた。

アジェリア王女は魔術に特別に優れていて、色々な逸話が残っている。


アジェリア王女が3日3晩祈りを捧げ続けて得たという「アジェリア予言」は何百年分、何千ページにも及ぶ。そして、これまで一度も外れた事がない。


予言を盲信するものが事件を起こすことを防ぐため、今では実質的に国王以外には閲覧が許されていない秘本となっている。


アジェリア王女は当時行われていた隣国との争いでも大きな功績を残した。

だが異母妹に嫉妬した王は次第にアジェリア王女を冷遇するようになり、アジェリア王女は王城から姿を消した。


王は王族以外に権力が移ることを恐れて、魔術を使う官職である神官に高い地位と給与を与えてきた。

その一方で、緑眼と市井の魔術師を迫害した。


それは数百年続き、今では市井の緑眼や魔術師はナジェの様に中央から遠く離れた山間部以外では、差別対象になっている。


アジェリアが姿を消して以降約400年。王族には魔術に優れた者も緑眼も産まれなかった。


王家は依然として権力の中枢ではあるが、今や大貴族が台頭し、王家の意向が通らない事も多く、有力貴族の市民への横暴は王家でも止めることは出来ない。


アジェリア予言を盲信した前王は緑眼の男児を欲しがった。そうしてセイは市井の緑眼の母と前王の間に産まれた。


けれど予言を知る者は少なく、貴族のみならず王族からも緑眼の王子は毛嫌いされた。


先王はセイの母が亡くなるまで2人を王城に入れることすら叶わなかった。


母が亡くなってからセイは王城に引き取られた。だが、先を案じた父王がセイを神官見習いとして前神官長に託し今に至る。


セイは神官としてこの村に派遣された。

魔女信仰の厚い地域があると、神祇庁の北部支部から連絡があり、中央の魔術部から神官を派遣することになったのだ。


セイは兄である現王に疎まれている上、


人より少しだけ魔力が高く魔術の研究が好きで魔術に詳しいだけの、成人したばかりの若造。

異動に反対してくれる有力者もいなかった。いわゆる左遷だった。


今回、セイに課せられた使命は2つ。

・魔女を捕らえることと

・ナジェの魔女信仰を改めさせ人々を神殿に帰依させること。


そのためにナジェの学校に派遣され、神官として子供たちを教え導くことになっていた。


魔女を捕らえることはすぐに成果が表れるだろう。

だが、学校で子供たちを教え導いたところで、

魔女信仰を改めさせるという成果が表れるのは何年先なのだろう。


兄王から辞令を聞いた時にセイにはこう聞こえた。


「この辺境のナジェに骨を埋めろ。

 都に二度と戻ってくるな。」


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