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第3話 官僚たちの訪問

翌日、神祇庁の北部支部から地方官僚2人がセイを学校に尋ねてきた。

学校の応接室を空けてもらって、セイは2人と対面した。


地方官僚はセイの緑色の瞳ををひと目見て、なぜこんな辺境に左遷されたのか悟ったような顔をした。


「中央の神祇庁からこんな遠い所までお越しいただきありがとうございます。」


官僚の1人がそう言った。セイは微笑んだ。


「いえ…仕事ですから。私もここへ来て魔女信仰の厚さを実感しています。これはなかなか根深そうですね。」


もう1人がセイを明らかに見下した態度を取った。


「で?魔女は捕まえたんですか?もう来てから6日も経っているでしょう?」


セイは微笑みを崩さなかった。


「村の人達が崇めている魔女を無理矢理捕まえても魔女信仰は収まらないかと。逆に神殿に敵意を持たれても困りますから。」


官僚は鼻で笑った。


「同じ緑眼だから同情ですか? 魔女を捕まえてさっさと処刑してしまえば魔女信仰など消えるのですよ。 自分の仕事が遅い言い訳をしないでいただきたい。」


セイは目を伏せた。


「すみません…」


こんな小さく閉鎖的な村で、何も考えず、崇められている魔女を捕らえれば反発を生む。

余所者のセイなどどんな目に合うか分からない。


官僚とは違い、セイはここから先、ここで暮らさねばならないのだ。


それを解っていて、官僚はモノを言っている。

緑眼の神官など捨て駒だから。


セイは、ナジェでは人々は緑眼に好意的…そう思っていたけれど、どこに行っても緑眼差別はついて回ると実感していた。


母が死んでから、王城に引き取られた。

高齢の父はそれなりに可愛がってくれたと思う。


その父親が亡くなった後、王城や職場で繰り返されるあからさまな差別に心が折れた。


心を殺して何も感じないかのようにしていると、虚しさに溺れそうになる。

死ぬことが出来ないから、ただ生きているだけ…そんな気分だった。


子供の頃、魔術の研究が大好きだった。

だが、いつの間にか魔術書ひとつ読まなくなっていた。


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