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第72話
銘々好き勝手に魔術を掛けようとし始めたものだから、あちこちで呪文の詠唱で衝突が起こった。
「一体何がしたいんだ?」
隊長は訝しむ。
こういうときには必ず裏があるということを経験で知っているからだ。
全体を見まわし、それでもまだわからない。
「あ」
一言声を発するのが放出だ。
それが何かわからないからこそ、緒方が近づいて聞く。
「なにか気付いたか」
「ええっと、なんて言ったらいいでしょうか。ハーモニー、調和のようなものを感じるんです」
「調和?」
緒方が聞き返す。
詠唱はなおも続いているが、それはバラバラに動いていたメトロノームがゆっくりと一緒に律動していく感覚があった。




