第2話【大神京子_任意の部位を痒くする魔法】④★★☆
「えっと確かこうやって……」
「いや!くすぐったい!痒い!まじやばい!!」
「ちょっと動くな!できないじゃん」
「ダメ痒すぎる…頭変になる」
僕が最後の机を運んでいると、安井の悲鳴が上がった。
どうやらさっき僕が山本にやった事を、今度は山本が安井にしてあげようとしているらしい。
机に手をつきアキレス腱を伸ばすストレッチのような体勢をとった安井の膝裏に山本がキスをするように顔を近づけている。
だが、当然その行為にはなんの効果もなく、逆に痒さを増幅してしまったようだ。
「あれーおかしいなぁ。
ねぇ山田くん!やり方ってこれであってる?」
山本が困り顔で聞いてくる。
「だいたい合ってるけど、挟み込むタイミングにコツがあるんだよ」
僕は机の角度を微調整しながら答える。
「うーん、寧々と私の相性が悪いのかも。
次は京子で試してみる!ね、京子も痒いところあるんでしょ」
山本はそう言って標的を大神に変える。
ちなみに、寧々は安井の事だ。
「私はいいよ」
標的にされた大神はあっさりと断る。
「え?でも痒いんでしょ?」
「部室に行けばムヒもあるし、それまで我慢する」
「まぁまぁそう言わずに、どこが痒いかおねぇさんに教えてみんしゃい」
痒さが取れて機嫌が良くなった山本が大神に抱きつくようにダル絡みを開始した。
体格は山本の方が大きいが、大神は鞄を使って巧みにブロックしている。
そんなキャットファイト?を繰り広げる二人を尻目に気まずそうな顔をした安井が近づいてきた。
「ねぇ山田、さっき沙耶香にしてたの私にも……」
歯切れ悪く告げるその顔はかなり限界に近いように見えた。
この魔法、思ったより凶悪なようだ。
「さっきのって?」
僕は目線を机に落としたまま答える。
ふむ、ここの角度がなかなか決まらないなぁ
「さっきのあれだよ。痒みが無くなるってやつ。
あれを私にもやってって言ってるの」
「けど自分で「変なこと」って言ってたでしょ?
僕も変なこと呼ばわりされてまでしたくはないんだけど」
「それは謝るから!
もうほんとに痒さがやばいの!藁にもすがる想いなの?」
「安井さんが痒がってるのって膝裏でしょ?
山本さんは腕だったからまだいいけど、女の子の生足にアレをやるのは流石に気が引けるよ。
さっき山本さんがやってるのを見たけど、あれを僕がやるのはかなり絵面的にまずいし」
「いーから!ほら私今フリーだし!誰も咎めないし!
痒みが取れるなら足に触ったってチューしたっていいからお願い!」
安井には【多少無茶な理屈を言いくるめる魔法】は使っていない。
つまり、これはすべて安井本人の意思での発言である。
抑えられない痒みというのはここまで人を狂わせるのか。
これ以上問答を繰り返すのもかわいそうなのでそろそろ折れるとする。
言いくるめの魔法をかけた場合とかけなかった場合の反応の違いを確かめる目的で、山本と安井に差をつけてみたが、思った以上に面白い結果が得られた。
さてあとは、掃除をサボった咎を羞恥という形であってもらおう。
「分かったよ。そこまで頼まれたなら仕方ないね。
けど、終わった後に変な言いがかりをつけるなよ」
僕がそういうと、安井の表情が一気に明るくなった。
「つけないつけない!痒みをとってくれるならなんでもいい!」
「じゃあそこに肩幅くらい足を開いて立って」
僕は教卓の横のスペースを指さして安井に指示を出す。
「え?さっきみたいに足を伸ばすんじゃないの?」
「アレじゃ痒いところの皮膚が伸び切っててうまくできないんだよ。痒みを取るなら立った状態じゃないと」
「けど、それだとスカートが」
うちの高校の女子生徒はスカートとパンツタイプの二種類から制服を選ぶのだが、安井はスカートタイプを着ている。
安井のスカートは膝下まであるので患部が隠れる事を心配したのだろう。
「スカートたくしあげて」
僕がそう告げると、安井は一瞬たじろいだ表情を見せたが「分かった」と言って教卓の前に移動した。
安井は黒板の方を向いて立ち、ゆっくりと自分の手でお尻側のスカートをたくしあげる。
膝裏が少し見えたあたりで手が止まる。
「これでいいかな?」
「もっと上げて」
今度は太ももまだスカートが捲り上がる。
「これでいいよね」
「まだよく見えない。やる気がないならやらなくてもいいけど」
強めに告げると安井の方がビクッと動き太ももがすべて露わになる位置までスカートを捲り上げた。
パンツが見えるか見えないかギリギリなラインだ。
「これならいいよね」
安井の問いかけには答えず、その姿を俯瞰で観察する。
普段授業をしている教室でパンツが見えそうなほどスカートをたくしあげて立つその姿は、僕の気を否が応でも昂らせる。
「ねえ!ほんとにお願い!
痒くてたまらないの!右足の膝の裏の少し下あたり!」
スカートを持ち上げたまま安井が懇願する。
僕はゆっくり安井に近づき、その足元に跪く。
姿勢が低くなったことで安井のスカートの中が丸見えになる。
運動部に所属している生徒は、スカートの下に練習着や体操服を着ている場合が多いが、運が悪いことに?この時の安井はそれらを履いていなかった。
同級生の女の子のパンツが、眼前15センチの位置に迫る。
『少し叡智な魔法の使い方』と出会う前であれば考えられない状況に頭が一瞬眩む。
僕はパンツを凝視したまま、安井の足に手を当ててさっき山本にやったのと同じ行為を行う。
「んっ!!
ああっ」
両手で患部を挟みこみ、つねり上げた瞬間、安井の膝がガクガクと数回震えた。
「これやばい…」
そんな小さな呟きと共に安井はスカートをたくしあげたまま床に座り込む。
僕の視線からはパンツが丸出しになっているが、そんな事は気にならないようだった。
後に、安井はこの時のことをこう語る。
「私のふくらはぎにもう一つの乳首があった」っと。




