第10話【山田のモーニングコーヒー】③
『少し叡智な魔法の使い方』には沢山の魔法がのっているが、その中で僕が使えるものはそう多くない。
これまで使った魔法は、
【尿意を操る魔法】
【多少無茶な理屈を言いくるめる魔法】
【任意の部位を痒くする魔法】
【感覚を遮断する魔法(低級)】
【取るに足らない存在になる魔法】
【ラッキーすけべになる魔法】
僕が読めるのは、これ以外にはあと4つだけ。
合計10個の魔法しか読めないし使えない。
そして残りの4つについてもどのような効力があるのかは、これまで散々読み込んでおり、今回のパターンでは使い物にならないことは分かっている。
だから、本を開く瞬間の僕が願っていたのは「新しい魔法が使えるようになっていてくれ」というものだった。
果たしてその結果は。
僕の意図を汲み取ったかのように、『少し叡智な魔法の使い方』に変化が起きていた。
これまで新しいページは全く読めるようにならなかったのに、ところどころ新しい魔法の情報が頭に流れ込んできたのだ。
なぜこのタイミングなのかはわからない。
【より高度な叡智魔法を使うには、まずは初歩的な叡智魔法をマスターしなければならない】
と書かれていたが、最初から見えていた10の魔法のうち半数以上を使ったことで、初歩的な魔法をマスターしたと認識されたのだろうか?
原因は後で考えるとして、まずはどんな魔法が使えるようになったのかを確認する。
使えるようになったのは全部で5つ。
その中の一つ。魔導書の後ろの方のに書かれている魔法に目が留まる。
【対象の衣装を変更する魔法】
対象の衣装をイメージ通りに変更することができる。
変更させたい衣装の一部を目視する必要がある。
変更後の衣装は、術者のイメージ力に依存する。
変更する衣装のが多いほど、大量の魔力を消費する。
変更ではなく、新しくアイテムを創造することもできるが、その場合は変更よりも多くの魔力を消費する。
新しく創造する場合、術者は被術者がそのアイテムを装着する体の部位の一部に触れている必要がある。(例えば手袋を作りたい時は、被術者の手に触れている必要がある)
本の後半に書かれているので、おそらく最上級の魔法の一つなのだろう。
説明にも、魔力消費が大きいと書かれている。
魔力消費が大きいとどうなるのかはわからないが、今はそんなこと気にしている余裕はない。
僕は早速魔導書に手を添える。
そして、周囲に人がいないタイミングを見計らい、もう片方の手で、鷲宮先輩のズボンを少しだけ下げて水着を出す。
魔法を使いたいと念じる。
本に触れていた指にわずかな電気が流れた。そしてそれと同時に頭に情報が流れてきた。
その情報は、二つのことを決めろと僕に告げる。
この魔法を誰に使うか?
どのような衣装にするか?
僕は頭の中で答える。
『目の前で寝ている女性の水着を僕がイメージしている下着に変える』
魔法の効果はすぐに現れた。
一旦元の服が消えたから変わるとか、魔法少女のように全身タイツのようなキラキラ状態になってから変身するとか、そんな演出もなく、鷲宮先輩が来ていた水着は瞬時に下着に変わった。
僕は女性の下着に詳しくないので、この前見た大神たちの下着を参考にした。
ちゃんと全て変わったか確認したいが、ズボンを下ろすわけにもいかないので我慢する。
腰の部分を見るに、完璧に変わっていそうなのでよしとする。
それにしても、一度魔法を使っただけで疲労感がすごい。
魔力消費が大きいというのは、こういう事なのか。
多分もう一度使うのが限界だと、肌感覚で分かる。
だが、まだブラが残っている。
鷲宮先輩は現状ノーブラなので、変更ではなく新たに創造する必要がある。
創造は変更よりも多くの魔力を消費すると書かれているが、正直耐えられる気がしない。
せめて変更扱いにするために、簡易的にブラがわりにできるものはないかと周囲を見渡す。
その時、棚の上の絆創膏が目に止まる。
確か、『あたしンち』で、ブラを忘れたみかんに、親友のしみちゃんが、乳首に絆創膏を貼って代用すれば?と提案する話があった気がする。
絆創膏は、どう言葉を尽くしても下着ではないが、しみちゃんが下着の代用になると言っているのだからいけるかもしれない。
僕は自分自身に【取るに足らない存在になる魔法】をかけて棚の絆創膏を一枚拝借する。
そして絆創膏の裏紙を剥がした状態で、お腹側から鷲宮先輩の服の中に手を入れる。
僕自身は認識されていなくても、鷲宮先輩のことはみんなから見えている。
服をはだけさせるわけにはいかないので、差し込んだ手で胸の位置を探る。
鷲宮先輩の控えめな胸は、仰向けに寝ていることでさらに主張を弱めている。
僕は結果、先輩の小豆を探し当てるしかなかった。
数秒の捜索ののち、小豆を見つける。
その小さな膨らみに触れた瞬間、サウナでの出来事がフラッシュバックする。
ベットで横になる鷲宮先輩の唇に視線が奪われる。
猛烈に鷲宮先輩に口付けしたい欲求に駆られたが、今はそんなことをしている暇はない。
手の感覚だけで乳首に絆創膏を貼る。
鷲宮先輩の手が少し動いた気がする。だがまだ目は開かないので、意識は回復していないようだ。
僕は今度は首の方に顔を近づけて、服の隙間から鷲宮先輩の胸に貼った絆創膏を目視する。
そして念じる。
『この胸の膨らみが控えめな女性の絆創膏を僕がイメージしている下着に変える』
またしても変化はすぐに起きる。
鷲宮先輩の胸は、この前見た大神のものとそっくりなスポブラに包まれた。
よかった。
そう思った瞬間、僕の体を強烈な疲労が襲う。
さっきよりも強いその疲労感は、僕の体から力を奪い取る。
このままでは意識を保つことができないと、本能が告げている。
まずい、取るに足らない存在になったままだ。
その考えが頭をよぎった直後、僕の意識はフェードアウトした。
【対象の衣装を変更する魔法】
対象の衣装をイメージ通りに変更することができる。
変更させたい衣装の一部を目視する必要がある。
変更後の衣装は、術者のイメージ力に依存する。
変更する衣装のが多いほど、大量の魔力を消費する。
変更ではなく、新しくアイテムを創造することもできるが、その場合は変更よりも多くの魔力を消費する。
新しく創造する場合、術者は被術者がそのアイテムを装着する体の部位の一部に触れている必要がある。(例えば手袋を作りたい時は、被術者の手に触れている必要がある)




