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R15な魔法しか載ってない魔導書を見つけた。  作者: あーる72


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第9話【上野ひとみ_とっても気持ちのいいマッサージ】④

「僕がさっき入った残り湯がまだあるんでそれでいいですか?それとも張り直しましょうか?」


「の、残り湯で!残り湯がいいです」


紅茶を吹き出して服を濡らした私に、山田くんはお風呂を勧めてくれた。

これ以上彼に迷惑をかけられないので断ろうとした私だったが、目の前に「残り湯」と「張り直し」という選択肢を提示され、思わずより負担の小さい残り湯を選んでしまった。


咄嗟のことで強目に反応してしまったが、あれでは男子高校生の残り湯に入りたがっているアラサーOLだ。


改めてお風呂は断ろうとしたが、あれよあれよと準備を進められ、断るタイミングを逸した私は今。山田くんの家の湯船の中に沈んでいた。


他人の、それもまだ会って二回目の男子高校生の家で、その男子高校生と二人っきりの状況で裸になるなんて、学生時代の私が聞いたら卒倒しそうな出来事だ。


「湯加減はどうですか」


「ひゃい!大丈夫れす」


すりガラス越しに山田くんに話しかけられ、驚いて舌を噛んでしまった。

近づけば体の輪郭くらいなら透けて見えそうな防御力の低い扉一枚隔てた先に男子高校生が立っている。

その事実だけで心臓の音が早くなる。


「着替えここに置いておきますね。

 僕の体操服なんですが、訳あってつい最近買った新品です」


「何から何まですみません」


「疲れてるみたいだったんでゆっくり浸かって、疲れをとってくださいね」


扉の奥の山田くんは、ここに裸の私がいることになんの動揺も見せずに着替えの準備をしてくれている。


たった二回会っただけの私になんて親切なのだろうと感謝する心と、とはいえ裸の私がすぐそこにいるのだから、もう少し動揺してくれてもいいんじゃないかと憤る心が同時に生まれる。


後者に関しては、日曜からの経緯を踏まえた上でどの口が言っているんだと私でも思う。

けれど、私もアラサーとはいえまだ二十五歳。

男子高校生から見ればおばさんかもしれないが、気持ちはまだまだ若者なのだ。


それに、男子高校生といえば女性の体に興味津々のお年頃のはず。

たとえ年が多少離れていても、裸の女性が目の前にいればもう少し下心とかすけべ心とかを見せてくれてもいい気がする。

私だって、プロポーションにはそれなりの自信が……



……こういう考えはやめよう。

山田くんは、痴女同然の私を抱えて紳士的に家まで送り届けてくれた好青年だ。

今日も家に入れない私を、なんの見返りもなく家に上げてくれ、お風呂まで入れてくれている。

下心やすけべ心のある男なら、どこかのタイミングでその正体を表し、私の体に触ったりエッチな要求をしてきたことだろう。

それがないということは、山田くんなとって私は完全に対象外なのだ。きっと親戚のおばちゃんとかと同じ括りなのだろう。

ピンチを助けてくれた恩人が、私のことを性的な目で見るはずがない。


上野ひとみ25歳。

性的な対象として見られないのは少し残念ではあるが、逆に考えると私のことを性的な目で見る男性と二人っきりという状況よりは遥かにマシである。


山田くんは、性的なことへの興味が薄い(少なくとも年上の私に対しては)男の子なのだと私は結論づけた。


相手にされていないと分かると逆に気持ちが軽くなった気がする。

改めて湯船に肩まで浸かる。

山田くんの家のお風呂は、掃除が行き届いていて自分の家のお風呂より快適だ。

こうなれば、安心して二日ぶりの入浴を楽しませてもらおう。



しっかりと温もり湯船から上がり、用意されていたバスタオルで体の水分の拭う。

お風呂をお借りしておいて脱衣所を汚すわけには行かないので、しっかりと体を拭いてから浴室を出る。


洗濯中の洗濯機の上に、畳まれた体操服が置かれている。

てっきり長袖なのだと思っていたが、用意してあったのは半袖と半ズボンの体操服だった。

お風呂上がりで体が火照っていることを想定してだろうか?


服はいいとして、問題は下着だ。

今回っている洗濯機には、私の服が入っており、そこには下着が含まれている。

もちろん、下着の替えなんて持っていないので、入浴後も同じ下着を身につけるつもりでいた私に「下(・)着(・)の(・)代(・)わ(・)り(・)に(・)な(・)る(・)も(・)の(・)を(・)準(・)備(・)し(・)て(・)お(・)き(・)ま(・)す(・)よ(・)」と山田くんが言ってくれたのでお言葉に甘えさせてもらった。

さすがに、入浴後に二日履いていたショーツを身につけるのは精神衛生上良くない。


だけど、男子高校生が準備できる女性用下着ってなんだろう?

まさか、彼女のものってことはないだろう。お母さんのもの……という線も薄い気がする。

うーん、さっきは何も気にしなかったが、冷静になって考えてみると何かおかしい気がする。


そう思いながら体操服を手に取った私の目に、山田くんが準備してくれた下着が飛び込んできた。


「え……」


思わず声が出た。

なぜなら、そこにあったものが私の想像の範疇を大幅に飛び越えたものだったからだ。


そこにあったのは、体操服と違い明らかに使用感のある男性用のボクサーパンツと、少し大きめの2枚の絆創膏だった。











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