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R15な魔法しか載ってない魔導書を見つけた。  作者: あーる72


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第8話【風の魔法使いと真のラッキーすけべ】⑦★☆☆

「で、誰なんだこいつら」


運転席の男が口を開いた。

急に車に乗り込んできた下着姿の女の子と海パン姿の僕のことを怪しそうに見ている。


「二人とも魔法使いよ。

 女の方が羽田ひかり。この町の高校に通う高校三年生。風の魔法使いでこの火事を引き起こした犯人。

 横の男の人は、私の高校の一つ上の先輩で、山田……よ。昨日高校で魔法を使うところを確認したけど、まだニグレドにはなっていない。今日はたまたまだけど危ないところを助けてもらったの」


花澤さんは僕のフルネームまでは覚えていないようだった。

僕としても、こんなよくわからない状況で自己紹介する気にはなれないので山田で通させてもらう。


「こいつが犯人か……

 で、そっちが魔法使いと……」


運転席の男が僕らを交互に見る。


「女をこんな姿で拘束する奴がニグレドじゃないって言われてもなぁ」


「服を脱がせたのは私よ」


「そうなのか?

 でもよお、魔法使いってだけで信用は薄いぜ。

 こいつの魔導書は確認したのか?」


「したけど私じゃ読めなかった」


「おいおいそれは不味くないか?

 得体が知れない奴とは組みたくないぞ」


運転席と助手席で、男と花澤さんが何か揉めている。

話の流れ的に僕のことを話しているのだろうが、知らない単語が含まれていて何について話しているのかよくわからない。


「山田……先輩については、また後日話しましょ。

 それよりもまずは羽田ひかりがどの程度堕ちてるかを確認するために家に戻らなきゃ」


男の方はまだ話したそうにしていたが、花澤さんがそれを切り上げる。

その隙に僕は口を挟み込む。


「あの、いろいろ話してるところ悪いんですけど、僕にも説明してもらっていいですか?

 今日のこの火事は、この子が引き起こしたことっていうのはなんとなく分かってますけど、なんで二人はそれを事前に知ってたんですか?

 この人とあなたたちは、どんな関係なんですか?

 あなたたちの目的はなんなんですか?

 俺に何をさせたいんですか?」


サウナを出て、家事の中を魔導書に導かれて進み、その先で花澤さんを見つけた時から溜めていた疑問が噴出した。

聞きたいことはまだ山ほどあるが、とてもではないが言い尽くせない。


元々サウナで茹で上がっていた頭はうまく働いてくれておらず、ここに来るまでずっとふわふわと地に足がついていない感じが続いている。

その場のノリで花澤さんに協力して結果的に元レザー少女を倒すことになったが、それが良かった事なのかもわからない。


僕はこれまでなんとなく成り行きのままに魔法を使っていたが、僕と同じように魔導書を持つ人がとんでもない大事件を引き起こし、他方では、同じく魔導書を持つ人がそれを阻止しようと動いている。


ただエッチなことができてラッキーくらいに考えていた『少し叡智な魔法の使い方』との出会いが、いきなり壮大な物語の一部のようになってきた。


僕は一体何に巻き込まれているのか?

それが知りたかった。


だが、花澤さんは僕の問いにはしっかりと答えてくれなかった。


「本当はこの場で手短に説明できればいいんだけど、そう単純な話でもないの。

 さらにその子のことも少しでも早く確認しないといけないし。

 悪いけど、後日改めて説明させてもらえる?」


「後日って……

 昨日も意味深なこと言ってはぐらかしておいて昨日の今日でこんなことになってるじゃないか。

 少しだけでも話してくれないか?」


僕が懇願すると、花澤さんは少し考えるそぶりを見せる。


「そうね……

 あなたこのあとは鷲宮先輩に付き添うのよね?」


「そのつもりだけど」


「それじゃあその格好はまずいわね。

 隼人、着替え何着か積んでるでしょ?一つ貸してあげて」


花澤さんは運転手の男に向かってそう言った。

隼人と呼ばれた男は露骨に嫌そうな顔をして。


「なんで俺が、そっちの女の子に貸すならまだしも野郎に服を貸さなきゃ……わかったやります!やります」


貸し渋る隼人を花澤さんはひと睨みで屈服させた。

隼人は、渋々運転席を出てトランクを開ける。

そこには鞄が積まれており、カバンの中をゴソゴソとあ 漁ったあと、パーカーとジーパンを投げてよこした。


「絶対返せよ!洗って返せよ!

 あ、でも洗濯で伸びたり色落ちしてたら許さないからな」


服にこだわりがあるのか、すごく怖い顔で念を押してくる。


花澤さんはそのやり取りを見てから口を開く。


「それに着替えている間だけでよければ、少しだけ話してあげる」


僕は、水着の上からズボンを履くか、水着を脱いでからズボンを履くか悩みながら、花澤さんの話に耳を傾けた。










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