第1話【森崎千紗_尿意を操る魔法】② ★★☆
土曜の校舎には人の気配がない。
遠く離れたグランドで運動部が部活動に勤しむ声が聞こえるが、それすらもこの図書室の孤立感を強める要素にすぎない。
『あそこに座っている女性の尿意を上げる』
僕は、苦悶の表情を浮かべる森崎先輩にさらに魔法を重ね掛ける。
森崎先輩は、とうとうスカートの上から下腹部を押さえ始めた。
きっと尋常ならざる尿意に戸惑っているのだろう。
真っ赤になった耳から、首、頬へと赤が伝播する。
ここまで来てようやく、彼女はテキストを閉じ帰り支度を始めた。
だが、不用意に動いた事がさらに尿意を加速させるのか、少し動いては止まり少し動いては止まるを繰り返す。
呼吸は荒くなり、ひたいには汗も浮かんでいるようだ。
二人しかいない図書室に、熱を帯びた呼吸音が響く。
『あそこで悶えている女性の尿意を上げる』
「ッんん!」
初めて声が出た。
なりふり構って居られなくなったのか、下腹部にあった手がさらに下に降りる。
内腿をピッタリと閉じて擦り合わせる。
それだけ見れば、何か別の行為に見えなくもない。
僕はそんな彼女を見ながら二つの興奮に震えていた。
一つは魔法が本当に使えた事に対するもの
もう一つは、女性が尿意を我慢する姿は対するものだ。
今僕の目の前には、真面目に問題集に取り組んでいた女子生徒の姿はない。
そこにいたのは、なりふり構わずスカートをくしゃくしゃにして握りしめて、内腿をしかりに擦り合わせながら、熱い吐息を吐き出す、うっすらと汗の浮かんだ肌と、涙が浮かぶ目をした女性だ。
尿意という一つの欲求だけで人はここまで変わるのか。と思った。
尿意を我慢する彼女の姿は、僕のムクムクを大いに喜ばせた。多分、今夜一晩は困らないだろう。
そんな満足感を感じながら、僕はチンポジを治してから立ち上がった。
初めて使った魔法としては十二分の成果を得られたので、今日のところは、この辺りで切り上げようと思ったのだ。
だが、森崎先輩の膀胱は僕の想像よりもかなりギリギリの状態だったらしかった。
あるいは、僕が魔法を無邪気に重ねがけしたのが良くなかったのかもしれない。
僕が立ち上がる時、椅子が床を擦った。
その音に反応して先輩が勢いよく立ち上がり、こちらの方を見た。
いや立ち上がりかけたところで腰が止まった。
両手をつき、お尻を椅子から数センチ浮かせた姿勢で固まる。
まるでお尻を突き出したかのような姿勢の森崎先輩と、目と目が合う。
彼女の目は今にも泣き出しそうに潤んでいた。
普段なら女性の目をしっかりと見る事なんてないしそもそもできない。
けれど今日はなぜかその目から視線を外さなかった。
彼女の方も、僕の存在に驚きながらも目は外さなかった。
その状態のまま、消え入りそうな声でこう告げた。
「お願い、見ないで……」
その声と同時に彼女の方がビクンッと跳ねた。
「あぁ、ダメ」
口では否定の言葉を発しながら、どこか恍惚とした表情を浮かべる。
もう一度、二度肩がビクンッと跳ねる。
今度は肩と同時に突き出したお尻が小刻みに震える。
その突き出した部分のスカートの色が濃くなる。
その次にスカートから伸びる白い脚に、何本ものも液体の道ができる。
くるぶしを覆っていた白い靴下が、淡い黄色に染まる。
その液体が上履きにまで到達すると、最終的に図書室の床に大きな水たまりを作った。
立ち上がってからここまで数分ほどかかったか、あるいは数秒の出来事だったか分からない。
全てを出し尽くした彼女は力無く椅子に座り直すと、ようやく僕から目線を外し、机に顔を埋めて泣き出した。
「高校三年生にもなってお漏らしなんて…」
僕は急いで魔導書にもう一度触って、さっきとは違うページの呪文を念じてから、開いていたページを閉じると、泣きじゃくる森崎先輩の元へ近寄り、できるだけ平静を装った声で話しかけた。
「大丈夫ですか?気分とか悪くないですか?
今拭くもの持って来ますね」
手早く掃除用入れから雑巾とバケツを取り出すと、床にできた水たまりに雑巾を放り投げた。
「や、だ、大丈夫です。自分で!自分で片付けますから」
僕の行動に面食らったのか、泣き腫らした顔を上げて叫び出す。
近くで見るとかなり小柄だ。
小動物のような顔と仕草は、僕の心の中の嗜虐心を大きく揺さぶる。
僕はできるだけ事務的な口調と表情を心がけながら彼女の顔を覗き返す。
「いえ、図書室の清掃は図書委員の仕事なのでお気になさらず。
それより体調は大丈夫ですか?濡れた格好のままだと風邪をひきますよ。
服を脱いだほうがいいんじゃないですか?」
「え、あ、そうか!そうですよね」
盛大なお漏らしをして気が動転していたのか、彼女は僕の目の前で、勢いよくスカートを脱ぎ始めた。
ほっそりとした真っ白な太ももと、高校三年生の女子高生にしてはやや幼女趣味的な綿のパンツが顕になる。
白地のそのパンツは、前側を中心に黄色く変色していた。
初めて女性のパンツを、それも至近距離で目の当たりにして、逆に僕の方が動揺した。
「あの、見えてますよ!」
思ったよりも大きな声が出てしまった。
下半身パンツ一枚になった森崎先輩は、その格好のまましばらく固まるとその場にしゃがみ込んだ。
「もうやだ…」
本人としてはパンツを隠したつもりなのだろうが、床の水たまりを拭く為に床に手をついていた僕の目線からは、濡れたパンツがピッタリと張り付いた1番大切なところがはっきりと見えてしまっている。
これを指摘したらさらに泣いてしまうのだろうな。
そう思って、あえて黙っておいてあげることにした。




