第3話【森崎千紗_感覚を遮断する魔法(低級)】④★★★
【感覚を遮断する魔法】
対象の部位のありとあらゆる感覚を遮断する魔法
低級では、任意の範囲の感覚を完全に遮断する
感覚を遮断している間に受けた刺激は蓄積されず、魔法解除後に一気に襲いかかることもない。
おしっこがオムツを叩く音って意外と大きいんだな。
僕は目の前で俯きながら立ったままおしっこをする女性を見ながらそう思った。
「いや……」
おしっこをしていた女性。森崎先輩は小さく言葉を吐く。
僕の前でおしっこをするのは一週間ぶり二回目。
図書室でおしっこをするのも一週間ぶり二回目。
オムツにおしっこをするのは、おそらく十数年ぶり。
僕はおしっこの音を聞いて手を揉むのをやめた。
だが今度は森崎先輩の方から僕の方に縋り付いてくる。
どうやら足に力が入っておらず、僕の支えがないと立っていられないようだ。
今にも泣き出しそうな、真っ赤な顔をしている。
改めて至近距離で見るその顔は小動物を思わせる可愛さで、やはり僕の嗜虐心を大きく刺激する。
僕はそんな森崎先輩をよそに、あえて事務的な手つきでスカートを捲る。
さっき見た時よりもふた周りほど大きくなったオムツが森崎先輩の股にぶら下がっている。
オムツから伸びる二つの白い太ももを撫でるように触る。
少し肉付きの悪い細い太ももは、熱でもあるかのように熱い。
立っておしっこをしたので、オムツからおしっこが漏れていないかと心配したが、どうやら最近の大人用オムツはよく出来ているようだ。
「よかったですね。漏れてないですよ」
僕がそう告げると、森崎先輩はどういう表情をすればいいか迷うようにぎこちなく笑う。
「安心してください。オムツの替えは準備していますよ」
僕は森崎先輩の手を離してバックから新しいオムツとウエットティシュ、それからビニール袋を取りだす。
「オムツの取り替えは自分でできますか?それともお手伝いしましょうか?
立てないくらい疲れているなら、僕が手伝った方がいいと思うんですが」
「あ、えっと、自分で!自分でできます」
僕の問いに森崎先輩は食い気味に答えて、僕が見ているのにもかかわらず慌てた手つきでオムツを履き替え始めた。
うむ、流石にこのレベルの要求は魔法の力を使っても叶える事ができないようだ。
まぁ目の前でオムツを履き替えている時点で十分変な状況ではあるのだが。
森崎先輩はスカートを履いたままオムツを外したので,当然大切な部分は見えていない。
だが、目の前の可愛らしい女性のスカートの下がノーパンだという事実は僕に別の興奮をもたらしてくれる。
森崎先輩は、おしっこを吸って重たくなったオムツを脱いだ後、僕が手渡したウエットティシュで濡れたお股を綺麗に拭く。
スカートの下から手を入れて拭くので、スカートが捲れて太腿まで露わになる。
見えそうで見えないその光景もまたいい。
十分に拭いたタイミングで、森崎先輩に新しいオムツを手渡す。
森崎先輩は一瞬固まったが、さっきよりもスムーズにオムツに足を通す。
僕は森崎先輩が新しいオムツを履いている隙に古いオムツをビニール袋に入れて持ち上げる。
新品のオムツと比べるとかなりずしっとした重さがある。
ビニール袋の方を縛って、カバンに入れる。
「あ、あのそれは」
「僕の方で片付けておくのでご心配なく」
森崎先輩は何か言いたそうにしていたが、ビニール袋のまま持ち歩くわけにもいかないので渋々と言った様子で頷く。
「これで準備は万端です。
じゃあ今日も一日、勉強を頑張ってください」
僕は森崎先輩の背中に回り込み、図書準備室から押し出すように背中を押す。
「え、あのまだ心の準備が」
「堂々としていれば外からはオムツを履いてるなんて分かりませんよ」
「でも……」
渋る森崎先輩だったが、持ち前の押しに弱い性格を遺憾なく発揮し簡単に図書準備室から図書室に押し出される。
図書室にはすでに数名の学生が勉強をしていた。
そんなところで押し問答もできないので、森崎先輩は諦めたように予め押さえていた自習席に座る。
席に座った森崎先輩は、落ち着かない様子でソワソワと辺りを見渡したり、姿勢をこまめに変えたりしている。
僕は森崎先輩の隣の席に座った。
[どうしました?]
小声で尋ねる。
[お尻がゴワゴワして座りづらくて……
これじゃ集中できないです]
森崎先輩も小声で答える。
どうやらオムツをして座るのは違和感が大きいようだ。
[それはいけませんね。
僕いい方法を知っていますよ]
僕はそう告げてから、カバンの中の『少し叡智な魔法の使い方』のお目当てのページを探す。
読み癖がついていたのですぐに見つかった。
【感覚を遮断する魔法(低級)】
魔法を使いたいと念じる。
指先がちくっとする。
頭の中に情報が流れ込んでくる。
この魔法を誰に使うか?
どの部位の感覚を遮断するか?
これは、他の魔法を使うときと同じ手順だ。
この状態で、僕は森崎先輩の手を握る。
森崎先輩の体が一瞬強張る。
[すみません。でも、こうすればお尻の違和感が軽減されるはずです。
僕の握った手に全神経を集めるつもりで集中してください。
僕の手の形、触り心地、体温。全てを言語化するつもりで詳細に感じ取ってください]
できるだけ優しい声でそう告げると、体の緊張がとけ僕の手を少し握り返してきた。
その状態で僕は念じる。
(今手を握っている人の下半身の感覚を遮断する)
念じた瞬間、また森崎先輩の体が強張る。そしてまたすぐに緩む。
[すごい。本当に違和感がなくなった。
それどこらか私座ってないみたい]
森崎先輩にしてみれば体重を支えている足とお尻の感覚が消えたので空を飛んでいるような感覚なのかもしれない。
それはそれで違和感を感じそうだが、森崎先輩は僕に一言礼を言った後ものすごい集中力で勉強に取り掛かった。
その姿は高校三年生にしてオムツをしたまま勉強をしている女子高生には到底見えなかった。




