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八十ニャン 早急に・・・

「ニャーオゥー」

(かつおさーん、遊ぼー!)


「ごめんねー、今はちょっと遊べないんだ。夜に沢山遊んであげるから、ちょっとだけ待って

 てねー」


ネネが遊びたがっている気持ちは、かつおにもよく伝わっていた。

だが、どうしても今日中に、やらなければいけない『仕事』がある。

しかも、『今日中』に終わらせないといけない。焦っている時間すらないのだ。

本来は、新しい猫ドアが来てから、本格的に作業を開始する・・・という流れだったのだが・・・

『予想外』が『2つ』も立て続けに起きてしまったのだ。


まず『1つ』は、かつおが工具をいじりながら、まだ使えるかを確認している最中だった。




「こんにちわー!」


「・・・・・あれ?」


突然、横の方から声が聞こえ、振り向いてみると、そこにはいつもの宅配業者が荷物を持っていた。

かつおはびっくりしたものの、荷物を受け取った。

猫ドアは、確かに昨日のうちに注文した。でも、まさかこんなに早く届くとは思っていなかったのだ。

注文した品が予想以上に早く届く事は、本当に稀。

若干遅くなる事はよくあるのだが、完全に不意をつかれたかつおは、数分間ずっとパニック状態だった。

こうなってくると、色々と怪しくなって、段ボールの中身を確かめるのだが、やはり注文した猫ドアに間違いない。

もしかしたら、何か別の商品が、人違いで送られて来たのか・・・と思ったから。


そして、もう『1つ』の『予想外』

それは、かつおが新たな猫ドアを戸に設置する日を考えようとして、スマホで天気を確認した時に起こった。

やはりDIYをすると、あちこちに木くずやゴミが散乱してしまう。それを猫達の口や鼻に入れてしまうのは非常にまずい。

だから、かつおはDIYをする時、決まって『晴れた日の外』である。

かつおはスマホで天気予報アプリを起動して、晴れの日が次はいつになるのかを調べた・・・のだが。


「・・・・・・・・・・


 えぇぇ?! マジ?!!」


思わず大きな声を出してしまうかつお。

それもその筈、かつおが見た週間予報に、『晴れマーク』が表示されているのは、今日1日だけ。

その後は、ずーっと『雲マーク』か『傘マーク』

そう、かつおは忘れていたのだ、もうすぐ『梅雨入り』である事を。

一応、かつおが朝見ていたニュースにも、お天気キャスターがそれを強調して伝えていた。

だが、レイワと一緒に遊びながら朝ごはんを食べていた為、耳にも目にも入ってこなかったのだ。

今は自宅の外で作業ができなくても、ホームセンターでDIYができる設備がある。雨が降っても関係ない。

だが、やはりホームセンターで常備されている道具よりも、使い慣れている道具の方が良い。

それに、梅雨終わりにすぐ作業に取り掛かれるわけではない。

梅雨が終わっても、地面がまだ濡れている状態では、戸やかつお自身が泥だらけになってしまう。

それに、梅雨が終われば、今度は猛烈な真夏日が続き、外で作業をしていたら、かつおの体は半日も保たない。

最近の異常気象の影響で、『真夏の作業=死と隣り合わせ』なのだから。


つまり、DIYに取り掛かれるのは、今日だけ・・・という事。

もちろん、そこまで急ぐような事でもないのだが、またあの事態になった時、無事にまた救出できるのか、自信がなかったかつお。

彼は急いで家の中に入り、猫ドアが設置されている戸を全部外に出した。

かつお家のドアは全部取り外しが簡単なタイプな為、外して外まで持って行くのは簡単。

いきなりかつおが慌てた為、家の中でかつおの様子をジッと見守っていた少し戸惑ったまんぷく達。

だが、そんな事より、戸がほぼ無くなってしまった家の方に興味が向いてしまう。

やはり、いつもはある物が無くなる・・・というのは、新鮮で面白い。

部屋を区切る遮蔽物がないと、家自体がいつもの何倍も広く見えるのだ。

まんぷくとヤマブキは、いつも以上に広くなった部屋で、一緒に追いかけっこをして楽しんでいた。

さくらは、贅沢に広々とした一部屋の真ん中で、へそ天をしながらリラックスする。

レイワとネネはというと、手早く作業を終えようとするかつおを窓から眺めながら、少しヒヤヒヤしていた。

戸を運んでいる間にも、かつおが何度も人工芝に足を取られ、転びそうになっている。

転けても手をつけば問題ないのだが、重たい戸を運んでいる状況で足を踏み外してしまえば、大怪我をする可能性だって十分ある。

ただ、かつおは手先も器用な上に、容量もいい。

リフォームしなければいけない戸は約十数枚だが、手順ややり方が頭に入っているかつおなら、一人きりの作業でも半日で終えられる。

今日はそれ程暑くもなく、寒くもない。絶好の『外作業日和』だったのが幸いだった。


「・・・とりあえず、挨拶はしなくていいから、作業風景だけ撮影しよう・・・」


そう言って、かつおはまた家の中へ戻り、ビデオカメラを手に取り、外へ行こうとするの・・・だが。


「・・・あっ!! ごめんごめん!!

 お昼ご飯忘れてたぁ!!」


かつおは玄関のドアを開けた瞬間、急カーブしてまた家に戻って来る。

そして、手早く猫達のお昼ご飯を用意して、今度こそ作業に取り掛かる。

早くしないと、夕方になって視界が暗くなってしまう。その前に、さっさと終わらせたかったのだ。

だが、窓の外からかつおの様子を見ていた猫達は、かつおの作業が気になって、お昼ご飯を食べ終わった後、全員で窓際に集合して、かつおを応援していた。


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