表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/136

七十八ニャン 改造計画

「うーん・・・

 高さと広さを・・・あと2センチ・・・いや、6センチくらい大きくしよう。

 あとは、取り掛かるドアの順番は・・・

 とりあえず『前回』と同じく、カットは庭でするとして、その間に『お留守番カメラ』に頑張

 ってもらって・・・」


かつおの家は、リフォームを施しても、日本家屋の面影を残している。

それがはっきり分かるのが、部屋を仕切る『ドア』

かつお家のドアは、ほぼ全て『引き戸』

かつて『障子』があった場所に引き戸を設置してあるのだ。

リフォーム前はふすまで仕切られていたのだが、枠組みだけを残して、そこにピッタリ戸を嵌め込んだ。

襖は傷みやすく、時間が経過すると襖自体の色が薄くなったり、劣化が進むと『虫の棲家』になってしまう恐れも・・・

それに、猫にとって、襖は『爪研ぎ場所』にされやすく、猫の鋭い爪の餌食になってしまえば、一発でアウト。

ちなみに、かつお家の猫達は、自分達で引き戸を開けない。

理由はかつおにも分からないが、それはそれで、引き戸が猫の爪の犠牲にならずに済む。

ただ、猫ドアが作られる前は、いつもかつおが戸を開けていた。

猫ドアの設置を考え始めたのは、レイワを飼い始めた頃である。

いつも大人しく、頻繁に部屋を行き来しないヤマブキとは違い、レイワはとにかく部屋の行き来が激しく、その度にかつおは作業を中断して、レイワの元へ行っていた。

かつお家の戸はほぼ開けっ放しにしているが、レイワの場合、戸が閉まっている場所に何があるのかが気になって、何度も開閉を要請していたのだ。

かつお自身、戸を開ける事は別に構わないのだが、何度も何度も呼び出しを食らってしまうと、自分の作業がいつまでも進まない。

動画編集の事もあり、前々から気になっていた猫ドアを、幾つもの戸に設置する事にした。

丁度、猫ドアを考えていた時期に、巷では『DIY』が流行っていた為、かつおも挑戦してみる事に。

猫ドアを設置する手順として、簡単に2段階で説明するなら・・・


1・ドアに穴を開ける

2 ・開けた穴に猫ドアを設置して固定する


元々手先が器用なかつおにとっては、DIYは『ちょっぴり危険な裁縫』的な作業。

かつお家の真横にある物置には、『DIY』に必要なセットが一式ある。

鍵を開けて入ってみると、案の定、埃の巣窟になっていた。何故ならかつおがこの納屋の戸を開けるのは、一年に一度程度。

納屋の中に入っているのは、猫が触ると危険なDIY道具、『糸ノコギリ』や『釘』等。

また、倒れると危険な『三脚』だったり、もう乗らない『折り畳み自転車』も、そのまま放置されている。

昔はその自転車で、割と遠くの方まで行っていたのだが、最近はもっぱら車での移動が多くなってしまった。

そもそも、かつおは自転車に乗るのが若干下手。

かつおがちゃんと自転車に乗れる様になったのは、中学三年生になってから。

だが、乗れても時々フラついたり、ペダルを踏む力が弱すぎて、なかなか目的地に辿り着けなかったり・・・と。

『自転車の扱い』と『運動神経』は、果たして関係があるのか・・・という話は置いておくとして。

その折り畳み自転車は、父から『一人暮らしのお祝い』としてプレゼントされた為、捨てるに捨てられない。

それに、若干錆びてはいるものの、まだ乗れる。

「翼か椿に譲ろうか・・・?」と考えた時期もあるが、よくよく考えてみると、かつおの両親も二人と親しい。

つまり、譲り受けた事が、すぐに両親の耳に入ってしまう。

そうなってしまうと、色々と不安が頭を過ってしまう為、とりあえず納屋に放置している。

車の免許があると、どうしても自転車等とは疎遠になってしまうのだ。


「ゴホッ!!! ゴホッ!!!」


かつおが一歩足を踏み入れただけで、床に敷かれていた『埃のカーペット』が波打ち、かつおの全身に覆いかぶさる様に襲い掛かる。

足を踏み入れたまではいいが、このままではまともに道具も探せない。入ったばかりなのに、鼻と口が泣き叫び始めた。

とりあえずかつおは、納屋の戸を開けっぱなしにした状態で、家に一旦帰って『マスク』を装着する。

一旦家に帰って来たかつおの体中に、灰色の埃がびっしり張り付いていた為、猫達はドン引き状態のままその場で固まった。

一瞬、家に来たのがかつおなのか疑ってしまう程、様変わりしていた。

その姿は、まさに『巨大な埃の塊』

そして、かつおがトボトボと家の中を歩くと、服に付着していた埃が徐々に離れていく。

ポロッと落ちた塊状の埃に対して、ヤマブキが恐る恐る臭いを嗅ごうとした。

だが、首を激しく震わせながらくしゃみを連発してしまう。

それに驚いたまんぷくも、同じく臭いを嗅ごうとしたのだが、やはりヤマブキと同じく、くしゃみでそれどころではなくなってしまう。

2匹の様子を見たレイワは、急に怖くなったのか、埃の塊に対して猫パンチを繰り出す。

すると、レイワのパンチ力で、塊は一気に霧散した。

すると今度は、その霧散した埃があちこちに飛び散り、猫達の『くしゃみ大合唱』が、家中に響き渡る。

その音を聞いて、自分の体が今どうゆう状況なのかをようやく理解したかつおは、マスクを手に取ると一目散に外へ飛び出し、一旦全身をバシバシと叩いて、付着した埃を払う。

彼に付着していた埃は、かつお自身でも引くぐらい、すごい量である。

かつおはその時、改めて『掃除』の大切さを理解する。

納屋の中は、一年に一度どころか、三年に一度のペースでしか、中を掃除しない。

「そこまで出入りする場所じゃないから、大丈夫だろー・・・」と思っていたツケは、もう家の廊下に散らばっている埃を見れば、一目瞭然である。

全身の埃をある程度祓い終わった後、再び家に戻り、すぐさま『ルンバ』を稼働させる。かつお家の猫は、ルンバとも仲が良いのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ