表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/136

七十一ニャン のんびりとした日々と猫と一緒に

かつおの趣味・・・とは言えないものの、『暇つぶし』の一つに挙げられているのが、『読書』

ただ、一言で『読書』と言っても、読む本は『漫画』や『雑誌』等、多種多様である。

今ではスマホで本を読む事も、『読書』のうちに入るのだから。

だが、かつおの読んでいる本に共通しているものといえば、やはり『猫』

ゲームに限らず、猫が登場する漫画も、本屋で多く見かける。

『猫のお世話がガイドブック』のみならず、『美猫の写真集』『世界の猫特集』『猫の可愛い撮り方』・・・等。

本屋でのんびり眺めているだけで、気になる表紙がいくつもある。これは、『本屋あるある』なのかもしれない。

かつおのよく行くホームセンターにも、大型の本屋がある。

そのホームセンターに行った時は、ついでにその本屋も覗いて、面白そうな猫ブックがないか散策するのだ。

猫ブックの中には、可愛らしいくて便利な『付録』がセットになっている物もある為、そのチェックも欠かさない。

それに、誰が載せたのかもわからないネットの情報より、色んな会社や人間を通して、しっかりとした事実が載っている本の内容の方が信頼できる。

近頃は、『電子書籍』の復旧等で、『紙の本のの需要』が危ぶまれるが、やはり自分の手で物語を読み進められる紙の本が好きな人も、世界的にも大勢いる。

一時期はかつおも、電子書籍の猫雑誌を契約しようか・・・と思っていた時期もあったが、やっぱやめた。

それは、かつおも紙の本を好き好んでいるのも理由の一つだが、一番の理由としては・・・


「ほらまんぷくー!

 この前ね、カメラマンさんが家に来て、撮影してくれたんだー!」


(あ・・・コレって、リビング?!)


かつおがソファでうつ伏せになりながら、まんぷくを胸と床の間に挟み、ヤマブキ達が載っている雑誌を見せてあげる。

すると案の定、まんぷくも興味津々な様子で、ツルツルした紙の中にヤマブキ達がいるのが、不思議で仕方ない様子。


(え・・・何で?! 何で?!

 何でヤマブキ達が紙の中に?! 紙の中に入れるのぉ?!)


(違う違う、自分達はこっちだって。)


かつおの側で、一緒に雑誌を見ているヤマブキ達。

レイワは、かつおの背中に乗りながら、凝り固まった背中をマッサージしている。

レイワはただ単に、かつおに甘えているだけなのだが・・・

ネネとさくらは、本の内容はどうでもいいのか、ただかつおと一緒にいたい様子。

レイワのマッサージに、少々眠くなってしまうかつおであったが、そのまま倒れ込むと、まんぷくが潰れてしまう。

だから、とりあえずまんぷくを隙間から出して、横に置く。

それから間も無くして、かつおは夢の中へと堕ちていった。

猫の写真集を見るのは好きなかつおだが、やはり文字の羅列を見ると、どうしても眠くなってしまうのだ。

ヤマブキ達に関しては、文字は単なる『形の塊』でしかない為、写真にしか目が向かない。

だが、ページを捲る度に様々な猫が紹介されて、ページを捲るまんぷくの手が止まる事はない。

かつおよりも猫達の方がじっくり読んでいる、挿絵か写真しか見ていないのだが・・・

真横で爆睡しているかつおの横で、猫達は『読書会』を満喫していた。

それに、雑誌の中には猫達が大好きな『おやつ特集』や『最新猫グッズ』の記事もあり、それを見ながら、互いに何が気になるのかを語り合う。


(・・・何なんだろう・・・この箱??)


(ただの箱にしては・・・なんか変なものが沢山ついているね。

 ・・・そもそも箱じゃないのかな?)


ヤマブキとさくらは、互いに首を曲げる。2匹が『箱』と思っている商品は、『箱型の猫乾燥機』

箱に入れてスイッチを入れるだけで、静かな温風が箱の中を包み、濡れている猫を乾燥させてくれる、最新の『動物専用家電』である。

これなら、ドライヤーの『爆音』が嫌いなヤマブキも、『強い熱風』が苦手なさくらも、『箱の中』という安心した場所で体を乾かす事ができる。

つまり、猫達を洗って乾かすかつおの労力や時間も、半分程度になるのだ。

それは、かつおや猫にとっても大きなメリットである。

かつおは労力と時間が節約され、一日で5匹まとめてお風呂に入れる事もできるかもしれない。

わざわざ日を分けなくても、一日だけで済むのは、気持ち的にも余裕が生まれる。

ドライヤーが大嫌いなレイワとさくらにとっては、自然乾燥やサーキュレーターを使わなくても、素早く体を乾燥させて、寒い思いをしなくて済む。

その上、この箱ドライヤーなら、わざわざ手で持つドライヤーで1匹1匹乾燥させなくても、箱に入れてスイッチを押すだけで、後は機械に任せておけば、その間に別の猫を洗う事ができる。

それは、1匹1匹終わるまでずっと待っていなければいけない猫達にとっても、嬉しい話だ。

人間でも、もうじき『嫌な事』『怖い事』が待っている・・・と思ってしまうと、足がすくんでしまう。

例えば、学生が『明日はテスト』という単語に震えていたり。

会社員が『明日は気まずい取引先との打ち合わせ』という単語だけで、お腹が痛くなったり・・・

そんな重い気持ちを背負う時間が少しでも減るのは、精神的にとてもありがたい。


その箱型の猫乾燥機には、予めかつおがカラーペンで印をつけているのだが、かつおが印をつけているのは『二箇所』

一箇所は、商品本体に。もう一箇所は、その商品を作った『会社名』

実はこの会社、かつおと『業務提携』を結んでいる会社な為、話を通しておけば、商品のPRを条件に、無償で提供してくれるのである。

そして、会社名の印の隣には、『今日の日付』もちゃんと書かれており・・・




ピンポーン!


「わぁぁ!!! 忘れてたぁ!!!」


かつおは飛び起き、その拍子にレイワは吹っ飛んでしまったが、見事に床へ着地したレイワ。

その姿は、まるで新体操のマット競技の様に・・・

かつおが玄関を駆け下り、玄関のドアを開けると、いつもこの地元で宅配をしているお兄さんが待っていた。


「どうもー!」


「お疲れ様でーす!」


新しい猫グッズが届いた時に限って、かつおが宅配業者に見せる態度は変わる。

自分の私物だった場合、ここまでテンションは高くならない。

「お疲れ様でーす!」ではなく、「あ・・・はい、どうも」で終わる。

かつおがペンでサインして荷物を受け取ると、案の定、だいぶ重かった。

普段から重い荷物を運んでいる宅配業者ならまだしも、脆弱なかつおは、荷物を受け取ると同時に真下へ崩れ落ちる。

これにはさすがにお兄さんも慌てていた。一応「重いですよ!」と忠告はしたのだが、かつおは新しい猫グッズに夢中で、話を聞いていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ