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五十五ニャン 撮影するのも一苦労

「はぁー・・・今日もかわいいねぇー・・・

 ねぇ、さくらちゃん。」


相変わらず、今日もかつおは猫達を動画に収めるのに必死な様子。

ネネとさくらは普段から仲が良い為、2匹の動画はいつも仲良し動画になるのは必然である。

かつおも、ネネとさくらのペアなら、安心して撮影する事ができるのだ。

外が「花見だ!!」「酒盛りだ!!」と騒いでいる中で、かつおはのんびりと猫達と過ごす時間を楽しむ。

かつおにとって、これ程贅沢な時間はない。こうして、ぼんやりと猫達を見ているだけで、心が洗われるのだ。

それに、『花見』というのは名ばかりで、本当は『宴会』や『お酒』を楽しむ人で、何処の花見会場もひしめき合っている。

かつおは、のんびり花を見るだけならまだしも、一緒にお酒を飲んだり、一緒に食事をしたり・・・というのは、プライドを捨ててでもやりたくないのだ。

知り合いとならギリギリ許容できるが、『知り合いの知り合い』と一緒に飲む・・・というのは、どう考えても『苦行』でしかない。

盛り上がっている彼らの頭上で、ほんの僅かな期間しか咲かない桜は、一体どんな思いで彼らを見ているのか・・・

それに、『桜』は『桜』でも、かつおの家にいる、真っ白でモコモコした『さくら』は、いつでもかつおの側に居てくれる。

ちょっとわがままなところはあるけど、それもまた可愛らしい。

人間に振り回されるより、猫に振り回される人生の方がよっぽと幸せに感じているかつお。

だから、そんな猫達の幸せな生活の為に、今日もかつおは、動画を回しているのだ。


「まだ寒いからね、電気毛布にはこれからも頑張ってもらわないと・・・・・


 ・・・ん? まんぷく、どうした?」


かつおが2匹を撮影していると、脇の方からニョキッとまんぷくが姿を表す。まんぷくも、電気毛布でとろけたいのだ。


(ぼ・・・僕も仲間に・・・)


(いいわよ、もっとくっついても。

 ・・・というか、なんでこの電気毛布はこんなにちっちゃいんだか・・・)


ネネは一瞬まんぷくに目を向けると、まんぷくは2匹にくっつくようにして暖を取り始める。

ちなみに、昨年購入したこの電気毛布は、一応ネット売られていた中で『一番小さなサイズ』

何故あえて、小さなサイズを購入したのかというと・・・

猫達が固まって暖を取る、いわゆる『猫団子』を狙っての作戦。

結果、かつおの作戦は見事大成功。

普段はそこまで、他の猫にくっつかないまんぷくでも、頑張って温もりを頂く為、ネネにピッタリくっついた。

その光景は、さながら『大きな毛玉』

随分前から電気毛布で温められたネネの体はとても暖かく、まんぷくは全身をべったりとネネにくっつける。

そして、その様子を見て板かつおはというと・・・


「おあぁぁぁー・・・


 これぞまさに『幸せそのもの』ですな・・・」


かつおは、撫でたい気持ちを必死になって堪えながら、仲良くしている3匹を頑張ってフレームに収まるように、中腰のまま撮影を続ける。

何分も、何十分も、かつおはずーっと中腰のまま、3匹の微笑ましい姿を見続ける。

もう今の彼にとって、膝の痛さなんてどうでもよかった。

多量の幸せが詰まっている時間を、一分一秒でも長く味わう為。膝が震えようとも、カメラのバッテリーがどんどんなくなろうとも。

ここまでくると、もう『我慢大会』である。かつおがダウンするのが先か、3匹が散り散りになるのが先か・・・という。


そして、その勝負の行方は・・・・・




「ニャァァ」

(かーつおさーん)


「ひやぁんっ!!!」


構ってもらえずに、痺れを切らしてかつおにちょっかいをかけたのは、案の定・・・というか、

『レイワ』であった。

かつおは、中腰のあまりの苦痛に、途中から踵を浮かせていたのだが、その踵をレイワがプニプニ肉球でタッチした事により、かつおの足はついに崩壊。

情けない声を上げながら真横に倒れるかつおに、3匹も思わずびっくりして、電気毛布から離れてしまう。

その頃ヤマブキはというと、キャットタワーの巣の中でお昼寝をしていた。

だが、かつおが倒れ込んだ音を聞いて、巣の中から飛び出て外の様子を伺う。

そこにいたのは、体力が底を尽きて、倒れ込むかつおと、彼を取り囲む4匹の猫。完全にカオスな現場である。

そして、まだギリギリ残っているバッテリーにうつっているのは、寝癖のついたさくら。

さくらはカメラを覗き込んで、匂いを嗅いでいた。


「ゼェ・・・ゼェ・・・

 んぅ・・・ゼェ・・・」


幸い、かつおが倒れた場所に何もなかったから良かったものの、レイワが瞬時に避けるスピードは、目にも留まらぬ速さだった。

まだ足がビリビリするのか、かつおは床に寝そべったまま、なかなか起きあがろうとはしない。

そんなかつおの顔を覗き込んでいるまんぷくを見て、彼は頭を撫でながら笑っていた。

ヤマブキは、かつおの無事を確認すると、また巣の中へと戻って行く。

一目散に逃げたレイワは、横になるかつおの上に乗り、勝ち誇ったようなポーズになっていた。


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