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四十四ニャン お戯れ

レイワは、まんぷくとはちょっと違い、『ズル賢い』

それこそ、飼い主であるかつおでも予想できないような、とんでもない行動をする事もしばしばある。

ヤマブキ達を傷つけたり・・・という度を超えたイタズラはないものの、かつおは毎回頭を抱えては、毎回それを楽しんでいる。

レイワがずる賢いのは、かつおの家に来てからずっと変わらない。

今も全く変わらないままなのだが、最近はちょっと『手口』が変わってきている。

それは、『まんぷく』の登場によるものであった。

どうゆうわけか、レイワはまんぷくに色々と入れ知恵をしているのだ。


(いいか、この棚の中に『おやつ』が入ってるんだ。好きな時に漁って食べな。)


(えぇ?! 食べてもいいのぉ?!)


レイワは、かつおが自分達のおやつを何処に隠しているかを、完璧な程把握している。

猫は賢い為、おやつや餌の場所をかつおは定期的に変えるのだが、レイワはそのパターンですら把握している。

隠す場所を不規則にしても無駄骨。かつおの行動を見ていれば、何処におやつがあるのか、レイワにとってはお見通しなのだ。

これにはかつおも、白旗を上げて降参するしかない。一応、毎日ケースに入れられているおやつの数を数え、つまみ食いされていないか確かめるのだが・・・


(ほら、こうやって前足を手持ち部分に引っ掛けて・・・)


「ファアアア!!!」

(こらっ!!! レイワ!!!

 まんぷくにおかしな事を教えるんじゃない!!!)


「ニャガガガガガッ!!!」

(ヤマブキぃ?!! いつの間に?!!)


そうゆう時は、決まってヤマブキがレイワを懲らしめに来る。

もう毎度の流れなので、まんぷくもそろそろ覚えてきている。だからあえて止めない。

ヤマブキは、普段から一体何処で見ているのか分からないが、レイワが何かやらかす前に、決まって止めに入る。

飼い主であるかつおも、時々とんでもない場所からヤマブキが見ていたりする為、毎回驚くけど、毎回 ヤマブキが何処から見ているのかが気になっている節もある。

時には洗濯機の上で、時には椅子の間から、時にはケージの上から、時には棚の中から・・・と、そのバリエーションも豊富。

一周回って『ストーカー』レベルなのかもしれないが、かつおはこの、『ヤマブキとのかくれんぼ』をいつも楽しんでいる。

いつも悪戯ばかり頭にあるレイワにとっては、これ程恐ろしいものもないが・・・


(あ・・・あの・・・

 ヤマブキ、もういいよ。僕も話半分で聞いてただけだし・・・)


まんぷくは、レイワと取っ組み合いになっているヤマブキを制止させようと声をかける。

喧嘩に関しては、ヤマブキが5匹の中で一番強い。

その為、いくらズル賢いレイワでも、力の差は圧倒的、毎回押し倒されては劣勢になる。


(・・・そうだな、コイツはいくら叱ったところで、この癖はずっと治らないだろうし・・・)


(イデデデデデデデデデデデデデデデ!!!

 もう無理無理!!! ギブギブギブ!!!)


ようやくヤマブキは、レイワのもふもふな体から降りる。

レイワは長毛な為、よく視聴者からも「一番体重が重そう」というコメントが来る。

だが、レイワの体重は、他の4匹とそれほど変わらない。

毛が長いだけで、体型そのものは普通の猫と一緒なのだ。いわゆる『着太り』というもの。

レイワは、ヤマブキとの戦いで疲れ果て、放心したかの様に動かない。

レイワは5匹の中で一番『モフモフ』な上、一番『運動音痴』である為、いざ取っ組み合いの喧嘩になっても、スタミナが足りずに負けてしまう。

どれくらい軟弱なのかというと、次女であるさくらでも、レイワの上でマウントがとれるくらい。


(ヤマブキお兄ちゃん、今日も軽やかな身のこなしだったわ・・・)


(おぉ、さくら。いたのか。)


まんぷくが後ろを振り向くと、ヤマブキを憧れの目線で見ているさくらの姿があった。


(ねぇ、まんぷく。私と取っ組み合いしない?)


(えぇえ?!! 無理無理無理無理無理!!!

 だって僕・・・喧嘩なんてやった事ないんだ、だからどうやればいいか・・・)


(簡単だよー、ただ相手を抑えつけるだけだよ。


 ほら、こうやって!!!)


そう言って飛び込んでくるさくら。まんぷくは焦り、さくらのアタックを身軽に避ける。

するとさくらは、不満そうな顔をしながら、もう一度飛びかかってきた。しかしまんぷくは、焦らずまた回避する。


(何でよー!!)


さくらは取っ組み合いをしたい気持ち満々だが、まんぷくがその気ではない。何度も何度もさくらが飛び掛かっても避けられるだけ。

しかしさくらも、何度も何度も飛びかかり続ける。

まるで、アクション映画で主人公が敵の攻撃を避けている時の様な光景に、側で見ていたネネもヤマブ

キも、ただただ唖然としていた。

そしてそのまま、戦いはヒートアップして、いつの間にかリビングのあちこちを縦横無尽に2匹が暴れ回り始める。

ヤマブキとの戦闘で乱れた毛並みを整え、リビングに戻ってきたレイワは、驚きのあまりその場で固まってしまう。


(・・・やるじゃん、まんぷく)


そう言いながらも、内心ウズウズしているレイワ。まんぷくの身のこなしは、長男であるヤマブキ並か、それ以上の速さである。


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