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四十三ニャン ゲームが好きなネコっておかしいですか?

レイワがかつおの膝の上を気に入っている理由、それは、彼が動かすスティックやボタンを、すぐ近くで見られるのがその場所だから。

猫には、ゲームも分からなければ、コントローラーも分からない。

だから、かつおが必死にスティックを前後左右に動かしている理由も、ボタンを押す度に一喜一憂している理由も分からない。

だが猫にとって、そんなのはどうでもいい事。大事なのは、『興味をそそるものか・否か』の問題である。

特に猫にとっては、小刻みに不規則に動くものが大好物。

かつおはゲームをプレイしている最中、猫達がモニターやコントローラーにちょっかいを出しても、全然止めようとしない。

むしろ、猫達がが手を出す度に喜びながら、カメラにバッチリ映している。

配信を見ている視聴者も、猫達がが登場する度に、

「レイワ君可愛い!!」

「今日もネネちゃんとさくらちゃんは仲良しですね!!」と、沢山のコメントをしてくれる。

ネネとさくらに関しては、かつおが用意した『ゲーム部屋用猫ベッド』で、2匹丸まって休んでいる。

この2匹は、コントローラーよりも『画面』の方が気になるのだ。

画面もコントローラーと同じく、慌ただしく動く事もあれば、ゆったりとした画面に切り替わる事もある。

『ゲームは見る派』という人がいるが、2匹がまさに、そんな趣向で楽しんでいる。ちなみにレイワは、『ゲームは一緒に遊ぶ派(邪魔をする派)』である。

ヤマブキも、ゲーム画面を見ながら一致一憂するご主人の姿を見つめているだけで楽しんでいる様子。

後ろ姿からでも、かつおがゲームを楽しんでいるのか、苦戦しているのか分かる。かつおは無自覚だが、だいぶ分かりやすい性格だから。


「・・・・・あれ? まんぷく、起きちゃった?」


かつおがゲームで採取に勤しんでいると、足下でヌクヌクと休んでいたまんぷくが目を覚まし、机の上に乗ってくる。

だが、かつおは決して止めようとはしない。何故ならまんぷくが、この後にとる行動が、かつおには何となく読めているから。


「・・・ふふふふっ、画面気になるの?」


かつおがカーソルを動かす度に、まんぷくはカーソルを追いかけて画面をペシペシ叩く。

画面が一気に変わると仁王立ちになったり、スピーカーから発せられる音にびっくりしたり・・・と、かつおはいつの間にか、ゲームそっちのけでかつおの反応を楽しんでいた。

あえてプレイヤーをジャンプさせたり、意味もなくメニュー画面をチラチラと覗いたり・・・

猫が画面を倒さないように、耐震対策もバッチリなモニター。

その画面を興味津々で見つめるまんぷくの瞳は、好奇心で満たされていた。

野良時代、あの路地にも廃棄されたモニターがあった。

だが、やはりどんなに叩いても真っ黒な画面のまま、何も映る事はない。

まんぷくにとって、そこまで面白くないものであった。

しかし、かつおが凝視しているモニターでは、画面が忙しなく変わり続けている。

慌ただしく動く時もあれば、静止したまま動かない時もある。

まんぷくは、それらを追うのに夢中だった。

何故、あんなに真っ黒だった画面が彩りを放つのか、どうして画面の中でキャラが動くのか、不思議で仕方なかった。


「うーん・・・今はいいけど、大事な試合の時とかどうしよう・・・」


かつおも、ただ可愛くて見ているだけではいけない時だってある。

本気でゲームに取り組みたい時に、まんぷくが目の前に現れたら、気が散ってしまう。


「・・・よしっ。」


そう言うと、かつおは一旦ポーズ画面にして、レイワを床に置き、部屋から出る。

すると、数秒後に戻って来た彼の手には、『段ボール』が。

その段ボールを、机の上に置くかつお。

そう、かつおはこうゆう時、どうすれば猫が大人しくなるのか、よーく知っている。

しかもその段ボールは、まんぷくの体のサイズに合わせている為、まんぷくにとっても、これほど入り心地の良い段ボールはない。

それも、かつおは計算していた。

普段から宅配業者に荷物を運んでもらう人にとって、『段ボール』なんて家の何処を探しても見つかるもの。

まんぷく以外の4匹も、よく空の段ボールを見つけては入っている。案の定、まんぷくも例外ではない。

迷わずかつおの用意した段ボールの中に体を押し込めると、さっきまでの慌ただしさが嘘のように、段ボールの中でくつろぎ始めるまんぷく。

体を丸め、足を全部体の中に収納して、トロンとした顔つきのまま。

だが、箱からはみ出ている尻尾は、まだまだ元気そう。

これで、画面の邪魔も入らず、可愛い猫達と一緒に、ゲームを楽しめる。

おまけに、段ボールの中にはかつおが気に入っている毛布を敷いてある為、寒くなる事はない。

設置してからまだ数分しか経っていないにも関わらず、もうその場所が、まんぷくのお気に入りになりつつある。

そして、かつおがまんぷく入りの段ボールをカメラの前に持っていくと、早速コメントが波の様に流れていく。


「可愛い!!」「箱入り猫だ!!」「やっまりまんぷくも段ボール好きなんだなぁ」

「私も在宅勤務の時は、こうして猫を落ち着かせています!!」


どんな姿でも、どんな事をしても、かつおは猫を愛している。ちょっかいを出している時のまんぷくも、段ボールでくつろいでいるまんぷくも。


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