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四十二ニャン かつおのゲーム部屋

『かつおのゲーム部屋』

それはかつおの家の一階の奥、窓のない『防音室』

そこには、本格的なゲーミングパソコンとゲーム機が並び、椅子もゲーミングチェア・・・と、だいぶ徹底している。

この部屋に置かれている家具やPCの価格は、十万以上は軽く超えている。

だが、高い分、性能がいい物ばかり。

PCは立ち上がりや動きが速く、シューティングゲームでもプロ並みの動きをする事ができる。

椅子も、何十時間座りっぱなしでも腰が全然痛くならない。

また、背もたれを倒して寝る事もできれば、付属のカップホルダーも自由につける事ができる。

・・・だが、そのゲーミングチェアに座るのは、かつおだけではない。猫達にとってもそこは、居心地の良い場所なのだ。

だから、いつもかつおはゲーミングチェアに座る前に、必ず座面を確認して、猫がいるのかどうか確かめる。

最近はゲーミングチェアに猫がいない時の方が少ない為、その作業はもやは『万が一』ではなく、『必須』になっている。

そうしないと、いくら体重が平均よりも低いかつおの下敷きになれば、猫だってひとたまりもない。最悪、嫌われてしまう可能性だってある。

事故ではあるのだが、未然に防げるように、かつおも色々と気を遣っているのだ。

また、ゲーム部屋にも猫ドアをつけるべきか、一時期悩んだ時もあった。

頻繁に部屋を出入りされると、ゲームに対する集中力が削がれる気がしたから。

だが、彼がゲームをしている最中、猫達がかつおにちょっかいをかける事もない、ゲーム機を壊すような事もしない。

『ゲーム×猫』というのは、意外にもピッタリな組み合わせなのだ。

猫がモニターの中で動くキャラクター達をひたすら眺めていたり、時には手を出してしまったり・・・と。

かつおが猫達と一緒にゲームを楽しんでいる動画は、視聴者達にも人気が高い。

これには、アップしたかつおもびっくりしている。

ゲームが得意なわけでもなく、ただ単純に乱入する猫を期待する・・・という、ある意味本末転倒な話ではあるが、猫を飼っているゲーマーなら、あるあるなんだとか。


今日もかつおは、ゲーム用の『飲み物』を持って、ゲーム部屋へ向かう。

ちなみのその部屋で、『お菓子』の袋は開けない。何故なら、猫が食べてしまうから。

基本的に、人間が食べる物は、猫のみならず、全ての動物に有害である。『チョコ』や『ネギ』が代表的だ。

かつおも、自分が食べるおやつに興味を示してくれる猫が可愛いものの、やはり可愛いからといって、食べさせるわけにもいかない。

猫達との時間を、少しでも長く過ごす為。もし猫達がおやつに目をつけたら、かつおは『猫用おやつ』で許してもらっている。


「さーってっと、今日は昨日の続きからだ。えーっと、確か『相棒』をパーティーに入れてから

 の・・・




 まんぷくー、もうこの場所が気に入ったのかー」


持ってきたペットボトルのジュースをテーブルに置き、椅子を引いてみると、そこには椅子の上で丸くなっているまんぷくの姿が。

困り顔ではあるものの、可愛くてついツンツンしてしまうかつお。気づくと部屋の隅では、レイワが『してやったり』みたいな顔をしながらかつおを見ている。

そう、この部屋の事をまんぷくに教えたのは、他でもないレイワ。そして、その椅子を取られるとかつおが困る事を知った上で、まんぷくに座ってもらったのだ。


「しょーがないなー、よっこい・・・しょっと。」


かつおは、まんぷくを抱えて自分が椅子に座ると、まだ寝ぼけているまんぷくを膝の上に乗せ、PCの電源を入れる。

PCの立ち上がる音で、まんぷくは目を覚ました。

ただ、今自分がどんな状況なのかも分からず、とりあえずかつお膝に身を任せる。

だが、それが不服なのか、今度はレイワがかつおのジーパンをガリガリと毟り始めた。


「駄目だってば! 僕の膝は1匹しか乗せられないんだよ!」


レイワは、かつおの困り顔を見たくて、あえてまんぷくを椅子の上に誘導したにも関わらず、お気に入りの場所を取られて不服な様子。

仕方なくかつおは、まんぷくを自分の両足の上に置き、膝の上にレイワを置く。

かつお自身はだいぶ窮屈ではあるものの、足から伝わるまんぷくのモコモコな温もりに、思わず顔がにやけてしまう。

まるで、肌触りの良い羽毛の電気毛布二枚に挟まれているような感覚になっているかつおの足。

まんぷくは、彼を気にせずグーグー眠っている。

ちなみに、ゲーム部屋にも床暖房が設置されている為、床もほんのり暖かい。


「・・・ニャー」

(・・・なんだ、何処にもいないと思ったら、まんぷくが此処にいたなんて。)


「ニャーオ」

(僕が連れて来たんだ。)


「あれ? 

 なんか今日は、ゲームを始める前から、皆来てくれてるんだ。いつもは初めて十分ぐらいしな

 いと、来てくれないのに。」


一緒にやって来たネネとさくらに混じり、ヤマブキもゲーム部屋に置かれている棚の上に鎮座する。

ちなみにその棚の上は、カメラに映る場所にある為、生配信をしている最中、ヤマブキがその棚の上に乗ると、『招き猫 降臨』という文字でコメントが溢れる。

その意味に関しては、カツオにもよく分からない。

だが、かつおのゲームの腕は、猫達が一緒に部屋に居るか居ないかで決まる。

自分のゲームを直接見てくれる存在がいないと、どうしてもゲーム自体が手ぬるくなってしまう。

だからかつおも、ゲームの大会時には、おやつを使ってでも猫と一緒に、この部屋でゲームに奮闘している。


「ハイ こんにちわー! 配信ニャン黒子、かつおのゲームチャンネルでーす!!」


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