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三十五ニャン 嘘つきなレイワ

レイワから、ヤマブキに対する接し方を教えてもらったまんぷく。

ヤマブキは無口なものの、話しかけられるとちゃんと返事をしてくれる。なので、勇気を振り絞って話をしてみる事に決めたまんぷく。

まんぷくと先住猫との距離が一気に縮まった事で、一緒にいてもそこまで心配はない・・・と思ったかつおは、まんぷくをそのままリビングに常駐させる事にした。

一応ケージでまんぷくは守られている上に、手が器用な猫でも開けられないように、かつおはゲージの出入り口に細工をしている。

開閉する時に多少不便ではあるものの、猫の器用さを侮ってはいけない。

窓の鍵・ジャーの蓋・お風呂などの蓋を開けるのに、数分もかからない。自分よりも猫の方が手先が器用な事に、若干人間であるかつおが嫉妬する程・・・

それだけではない、トイレの電気スイッチを勝手に押したり、ドアノブを捻って開けたり、キッチンの引き出しを自分で開けて、そのまま中に入ってしまう・・・なんて事もよくある。

これも、『猫あるある』だ。

それらを防ぐ為には、『人間の手でしかできない方法』を探らないといけない。

実際、ネネとさくらがレイワと面会した時、レイワは器用にケージを開け、そのまま中ケージの中に入って、ちゃっかり2匹の余ったご飯を食べていた。

そこでかつおは、ケージを『ジャンボクリップ』でとめた。

だが、それでもレイワの方が一枚上手。あっさりクリップを外してケージの中へ侵入するレイワを見つけた時は、さすがに笑いが堪えられなかったかつお。

教えたわけでもないのに、クリップを簡単に外してしまったレイワを、もう怒る気にもなれなかった。

そこで、ちょっと乱暴なのかもしれないが、ケージの前におもりを置き、鍵を外しても開かないようにした。

これでようやく一安心・・・かと思った矢先、レイワ・ネネ・さくらが仲良くなって、もうケージを分けて食事をする必要がなくなった。

「こうゆう、一喜一憂するのも、猫を飼っている楽しみ」と、かつおは雑誌の取材で公言している。

猫の為にアレコレ思考を練ったり、猫達に振り回される事が、かつおにとっては「生きている喜び」なのだ。

そして、まんぷくに関しても、時間がかかるのか・・・と思っていた矢先、すっかり先住猫全員と仲良くなってしまったまんぷく。

結局、かつおの心配は全然不要だった事に、かつおは安心したらいいのか、失笑したらいいのか分からず、がむしゃらにまんぷくをモフモフしていた。

本当はもっとギスギスした関係になりそうなら、リビングでの滞在時間を短くしたり、期間を空けたり・・・と、かつおなりに色々と考えていたのだが、それすらも不要になってしまう。

そして、もう少し仲良くなったら、まんぷくをケージから出して、そこでもトラブルがなければ、『大成功』である。

もちろん、そんなすぐにいかない・・・と思っていた、ついさっきまでのかつお。しかし、ついつい期待してしまうのだ。これも一種の『親心』である。

先住猫・4匹は、まんぷくが入っているケージに手を伸ばすような仕草をしなければ、まんぷく自身も、相手にちょっかいをかけたり戯れたりもしない。

互いに目線を合わせて、『猫同士の会話』を重ねていた。


(・・・でも、ヤマブキさんが側に来てくれないと、僕も話ができないんです。レイワさん、呼

 んでくれますか?)


(うーん・・・アイツは俺達が呼んでも来てくれない事が多いんだ。かつおが呼んだら、すんな

 り来るんだけどな。)


こればっかりは、頭を抱えるしかないレイワ。まんぷくの為に、色々とやってあげたい気持ちもあるが、ヤマブキの機嫌を損ねるのもリスクがある。

しかし、まんぷくが積極的に頑張ろうとしている姿を見ていると、ついつい『意地悪』をしたくなってしまう。


(・・・なぁ、一応俺から忠告しておくんだが・・・

 ヤマブキをあんまり怒らせない方がいいぞ。)


(・・・え?)


(アイツ、君と同じ『元・野良猫』なんだけど、食べ物を探してカラスと取っ組み合いの喧嘩を

 しては連勝していたらしいぞ。)


(・・・へ・・・へぇー・・・)


(それだけじゃないぞ、アイツ野良犬にまで噛み付いて、住処から撤退させた・・・とか言って

 たぞ。)


(いぬぅ?!! 犬って・・・動物病院で見た、あの『おっきな動物』・・・?!!)


(そうそう、そんな事も平気でやってのけちゃう奴だから、俺達が喧嘩なんて売れば、塵になっ

 て・・・)


そんな話をベラベラとレイワが話していると、後ろから忍び寄る『クリーム色の毛玉』

そして、目にも止まらぬ速さでレイワの首に一噛み入れる。レイワの『作り話』は、ヤマブキに筒抜けだった。


(んなわけあるかぁ!!)


(いたたたたたたたたたた!!! 痛いって痛いって!!!

 いや、作り話を話したのは悪いけどさぁ!!! 

 説得力はあったで・・・イデデデデデデデデデデ!!!)


突然ケージの前で喧嘩を始める2匹に対し、唖然とするまんぷくと、慌てて止めに入るかつお。

いつも2匹の喧嘩は黙認しているものの、ケージの前で勃発されるとまんぷくにも危害が出るかもしれない・・・と思い、珍しく仲裁に入ったかつおに、2匹も唖然としてしまう。


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