表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/136

九十九ニャン のんびり日和

『猫』×『人間』のラブラブ動画は人気。

だが、それと同じくらい人気な組み合わせは、やはり『猫』×『猫』

猫同士がラブラブしている動画は、あらゆるメディアで数知れず。

『子猫同士』でも『老猫同士』でも、モフモフ同士がイチャイチャする動画は、観ている人々の心を引き寄せる。

その原理が分からなくても、理屈では説明できない魅力。それが、『動物の魅力』

人間の本能的に、『動物=可愛い』と植え付けられているような気すらする。

人間同士と関わり合う事で得られる『癒し』と、動物によって得られる『癒し』は、何かが違う。

言葉を交わさなくても、互いが互いにべったりな光景。黙って見ていたくなるような光景。

胸を締め付けられる程、苦しいくらい大量の『可愛い』が詰まった光景。

その『可愛い』が詰まっている場所は、時に『段ボールの中』だったり、『猫ベッドの中』だったり、『広々としたリビング』だったり。

かつおの家では、常にそんな癒しが、何処かにある。

だから、トイレに行く時や、部屋を移動する時には、必ず四方八方を確認するかつお。

いつ何処で、癒しが繰り広げられているか分からないから。

蒸し暑い夏になると、年中毛皮を着ている猫達は自然と離れていく・・・というわけでもない。

かつお家の猫は、常にいつも一緒にいる。

1匹がリビングへ向かえば、他の4匹もリビングへ。

1匹がケージの中で眠ってしまえば、4匹もとぼとぼとついて来て、一緒に寝る。

だから、1匹を探したい時には、大抵全員いる場所を探ればすぐ見つかる。


「あらー! 皆キャットタワーに集まってー!

 どうしちゃったのー?」


かつお家に設置されているキャットタワーは一つではない。

二階には幾つものキャットタワーを設置して、猫達が縦横無尽に遊べるようにしている。

一部屋に集まる事は多いものの、一つのキャットタワーに密集しているのは、割と珍しい。

その珍しさと可愛すぎる光景に、思わずかつおの口調も緩んでしまう。


「クーラーの風が当たる場所はレイワが独占してるのね。そうだねー、レイワ君毛がフサフサだ

 からねー

 でも刈ってあげようとすると怒るからね。水分ちゃんと取るんだよー」


夏になると一番しんどくなる猫は、長毛のレイワ。真夏にフワフワのコートを着ているようなものだ。

ただ、前に一度、猛暑になった事をきっかけに、レイワの毛を夏だけ刈ってみようか・・・と思い、かつおは猫用のバリカンを通販で買った。

だが、その結果は散々なもの。

スイッチが入っていないバリカンには興味津々で近寄るものの、バリカンのスイッチを入れた途端、レイワはその場から逃げ出して、かつおでも捕まえられなかったのだ。

ご飯の時に、こっり刈ってしまう作戦に切り替えたものの、その作戦も失敗に終わる。

せっかくのご飯タイムを邪魔されたレイワは、自分の餌入れとヤマブキの餌入れをひっくり返して、大暴れしてしまったのだ。

それからというもの、そのバリカンは3階に封印する事になる。

その後、レイワの機嫌は約一週間経っても全然治らず、かつおでも危機感を覚えた。

そしていつの間にか、かつおもバリカンが嫌いになってしまう。バリカンが『トラウマ』になってしまったのだ。

『善意が押し付けだった』という事は、人間同士でもよくある事だが、そのダメージは想像以上に大きいのだ。

好き嫌いも猫それぞれなら、暑さ対策も猫それぞれ。

レイワ以外の4匹はそこまで毛が長くないのだが、それでもやはり、暑いものは暑い。


「ヤマブキー・・・溶けてるねぇー・・・」


ヤマブキは、まるで器から溢れているスライムの様な姿で、ダラーンとしている。

体が柔らかい猫だからこそ見れる光景。

真下からその顔を拝んでみると、白目をむいた状態で熟睡しているヤマブキ。

これにはかつおも、思わずしゃがんでいる腰が震えてしまうほど笑ってしまう。

まんぷくは、巣の中で頭だけを出して、『カタツムリ状態』のままリラックスしている。

かつおがカメラを横に向けると、完全にカタツムリ。

梅雨の時期は過ぎ、時期はずれのカタツムリは、毛がびっしり生えたモコモコになっていた。

「新種だなぁー」と言いながら、かつおもボケる。


そして、キャットタワーの中断には、ネネとさくらが、抱き合った状態で寝ていた。

夏にも関わらず、姉にべったりなさくら。

そんな妹に、姉も若干暑苦しそうな顔をしているものの、決して妹の好意を跳ね除けるような事はしないネネ。

一度くっついてしまうと、なかなか離れない。それがネネとさくら。

そんな2匹のラブラブ動画は、何年経っても視聴者から愛されている。

数年前と現在のラブラブ動画が比較される話題が、時折バラエティ番組に取り上げられている。

だが、体が大きくなっただけで、別段変わっている事はない。今も昔も変わらず、2匹は互いが大好きなのだ。

たとえ血が繋がっていなくても、同じ母親から生まれていなくても、同じ父親でなくても、生まれた環境が劣悪であっても。

二人の信頼は、かつお家に来ても、絶対揺るがないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ