163、学校ギルド2
「今日は楽しみですね!くーちゃん」
「そうだねぇ」
アプリの使い方等を改めて確認して翌日。
いよいよ今日からギルド活動スタートである。
「お仕事どれにします?」
「うーん」
というわけで私とせっちゃんは、お昼休みにスクラブで仕事を探していた。
ギルド関係はスクラブに全て集約されていて、依頼探しから清算までこれ一本で解決する。
なので休み時間にこうしてスクラブを眺める生徒も多い。
ちなみに授業中は緊急通話以外使えないようになっている。
「友達連れOKで単発、私たちの今の能力的にも合致するのと言えば……」
当然のことながらせっちゃんの単独行動は許されていない。
私か竹丸、黒服が付き沿うことが必須だ。
とは言え私も仕事で毎日は付き合えないので、一回一回を大切に。
なるべく最大効率で、かつ将来の役に立ちそうな依頼を受けたいな。
「やっぱり最初は基本の農業だね」
「基本なんですか?」
畑の手伝いは学校ギルドでは最もメジャーな依頼だ。
子供でもできて、接客の必要がなく、元気があれば大丈夫と何かとハードルが低い。
ついでに依頼主である農家のじいちゃんばあちゃんは子供好きが多く、待遇も良い。
後継者不足も解消されるかもと、一番期待されている業種だ。
それに将来上に立つせっちゃんだからこそ、大切だけど軽んじられている農業のことを知ってもらいたい。
そう思った。
「面白そうですね!」
「じゃあ決まり。丁度二人募集のところがあったから、これにしよう」
レビューでも優しくて温厚、お菓子もくれると好評だ。
仕事が決まったらアプリでポチっとするだけで完了、後は放課後を待つのみである。
「そういえば今日取材が入るんだっけ?」
「はいそうなんです、ご迷惑をおかけしますが……」
『刹那様、初めてのギルド活動』という絶好のネタをメディアが逃すハズもなく、今日せっちゃんには密着取材が入る。
「ふーむ、ついに私とせっちゃんの関係を公表する時がきたか」
「ふふ、バレちゃいますね」
私がせっちゃんと友人関係であることは、今までどこにも公開していない。
別に何が何でも隠したいって訳でもないし、何となくサプライズ的に公表したいなと思ってるうちにズルズルここまで来ただけなので、まあいい機会だとも言える。
「どうやって登場しようかな……」
「普通でいいですよ普通で」
まあお昼のニュースで流すような映像だし、そう派手にはできないか。
「じゃ、頑張ろっか」
「おー、です」
とりあえずSNSで宣伝しておくか。
――――――――――――
『さあ始まりました『刹那様、初めてのギルド活動』ということで、わたくし今日はここ、御柱学園へとやってまいりました!』
【キターーー!】
【久遠ちゃん出るってマ?】
【あれ?刹那様の特集?】
【驚きの発表があるって書いてたけど……?】
『グラウンドには何台もの送迎バスが停まっています。ここから最寄りの地点まで送って貰えるという訳ですねー。あ、見えました!刹那様です!』
【刹那さまー!!!】
【相変わらずめっちゃ可愛い】
【制服姿がよくお似合いでございます!】
『刹那様、本日は密着取材を許可していただいて、誠にありがとうございます』
「いえいえ、今日はよろしくお願いしますね?」
『こちらこそよろしくお願いします。さて早速ですが、初めてのギルド活動ということで、意気込みなどをお伺いしてもよろしいでしょうか?』
「そうですね、わたくしはこの活動はまたとない成長の機会だと捉えています。ギルドを通して様々な仕事を知り、体験し、より国民の心に寄り添える存在になれる、そう思って精一杯取り組みたいと存じます」
『素晴らしいお言葉ありがとうございます』
【泣いた】
【刹那様自分のことわたくしって言うんだ……かわいい】
【刹那様がこの国の姫ってだけで俺、無限に頑張れる】
『ところで刹那様は今日、どのようなご依頼を受けられたのでしょうか?』
「あ、ちょっと待ってください、その前にお友だちを紹介させてください」
『お友だち?』
「あ、来ました!くーちゃーん!」
【くーちゃん?】
【ちゃんとお友達できてて良かった】
『遠くの方から猛ダッシュで駆けつけてくるのがどうやらお友だちのようですね……ってあれは⁉』
「間に合ったー!セーフ!」
『く、久遠ちゃん⁉』
「せっちゃんお待たせー。あ、記者さんこんにちは」
【久遠ちゃんwww】
【え⁉刹那様のお友だちが久遠ちゃん⁉】
【以前から噂はあったけどマジか】
【せ、せっちゃん?恐れ多くて俺には絶対呼べない】
【流石久遠ちゃん】
『なんと現れたのは子役であり学校ギルドの生みの親、天原久遠ちゃんです!え、えー久遠ちゃんこんにちは』
「どうも、お久しぶりです、馴染みのある記者さんで助かりました」
『彼女とは昔ドキュメンタリーを撮って以来、度々お仕事を一緒にしていますがなんとまあ驚きです。えー久遠ちゃん、改めてお聞きしますが刹那様とはどういった御関係で?』
「うふふ、わたくしたちは――」
「ふふふ、私たちは――」
ガシッ
『おっとぉ?二人して両手を繋いでぇ⁉』
「「せーのっ」」
「「親友でーす♡」」
『キマシターー!なんとお二人は親友!せっちゃんくーちゃんと呼ぶ間柄!これはありがたーい!』
【鼻血出た】
【最上級の美少女二人が並んで、目が幸せすぎるんだが】
【さっきからこの記者テンションおかしいな】
『コホン、失礼しました。えーまだ出発まで時間はあるので聞いてみましょう。お二人の出会いは?』
「そうですね、初めて会ったのは幼稚園ミュージカルの時ですかね」
「あの時のくーちゃんがとっても素敵で、わたくしすぐファンになったのです!」
『それはそれは』
「それで入学してから同じクラスになって、それで仲良くなった感じですね」
「うふふ、わたくしからお願いしたんですよ」
「いやいや、私も仲良くなりたかったし」
「わたくしの方がもっと仲良くなりたかったです!」
「いやいや私の方が」
【なんだこれ、天国か?】
【えー二人とも可愛すぎるー】
【めっちゃ仲いいじゃん】
『お二人が非常に仲睦まじいのは分かりました、ありがとうございます。えーでは時間も近いのであと一つだけ。お二人は普段どのような遊びをしていらっしゃるのでしょうか』
【良い質問】
【おままごととか?】
【あの久遠ちゃんも同い年の子といると年相応になるんだなぁ】
「あー、やっぱあれかな?」
「え、えーここで言っちゃうんですか?」
【わくわく】
【絶対可愛いやつ!】
『言える範囲でいいので是非!』
「天皇と征夷大将軍ごっこです」
『え?』
「天皇と征夷大将軍ごっこ」
『天皇と征夷大将軍ごっこ⁉』
【征夷www大将軍wwwww】
【久遠ちゃんwww】
【小1でなんつー遊びしてんだw】
「も、もー恥ずかしいです!」
『そ、それは一体どういった遊びなんでしょうか⁉』
「いや、普通にせっちゃんが天皇で、私が征夷大将軍として振る舞う遊びですよ」
【全然わからんwww】
【普通とは一体……】
『もう少し具体的に!』
「えーだからぁ」
「も、もういいじゃないですかくーちゃん!ほら、バス閉まっちゃいますよ!」
「あ、ほんとだ、じゃあ行きますか」
『え!ちょ、ちょっと⁉』
「置いてきますよー」
『待ってくださーい!乗りまーす!』
プシュー。
『えー非常に気になる所ですが、後半からは実際に刹那様がギルド活動するご様子、そしてせっかくなので久遠ちゃんにギルドについて聞いてみたいと思います。では一旦CMです』
【おいーーーここでCMかーーい!】
【こりゃ話さないままで終わるな、久遠ちゃんの性格的に】
【このエンターテイナーめ!】
【一体どんな遊びなんだ天皇と征夷大将軍ごっこ……】
【名前だけ同じで内容がまったく違う遊びが小学生の間でブームになりそう】
【刹那様が楽しそうで何より】
【それはそう】
【ところで実際刹那様が急にお手伝いとして現れたら、お前らどうする?】
【腰抜かすだけじゃすまないな】
【普通だったら働かせずに見学だけど】
【それはないだろ、あの久遠ちゃんが一緒だぞ】
【確かに(確かに)】
【依頼主の反応楽しみだな】
ごっこ遊びの内容はうやむやにしつつ、次回に続く。




