第71話 ロボット故障
ある日の昼休み、ショコラマリンと話しながら歩いていたら人だかりができていた。
「おっ何かできてるニャ。見に行こうニャ」
「いやこういう騒ぎに関わるのは嫌だからこの道を曲がって行こう」
「おい!無視するのは止めてくれ」
「知るかよ大体こういうことに関わるとろくなことにならねぇんだ」
「それでもこの小説の主人公かニャ!」
ショコラが苦言を呈するとマリンも同調して来た。
「そうよ。男らしくないとアンタと交尾しないわよ」
「何で人間が雌猫と交尾すんだよ!そんな絵面聖愛しか喜ばねぇだろ」
「とにかくとっとと行くニャ!」
ショコラは俺の袖を噛むとそのまま引っ張って行った。普通の猫サイズなのに力強っ!
人だかりの中心にはYOMマーク2がいた。しかし動いていないどころか画面が飛び出し、ネジは外れ煙を出していた。こんなアニメみたいに壊れることあるんだ……
近くでは愚太郎とコングが頭を掻いている。
「どうすっかなぁ」
「おっ愚太郎何して壊したんだ?」
「あぁ何か何もしてないのに壊れた」
「何もしてないのに壊れる訳無いだろ!早く言って絞首台で楽になれ」
「何で死ぬ前提?!」
愚太郎が目を大きく開く。
「あぁもう言うよ。何か命令したら壊れた」
「何て命令したんだよ」
「鬼〇の最新作」
「んなもん見るなぁ!!!映画館で見ろ。てかまだやってねーだろ」
俺は愚太郎にドロップキックする。
「いやぁ優秀なロボだし見れるかなと」
愚太郎は頭を掻いた。
YOMの方を見るとかすかに音を出していた。異常を知らせるコードかもしれないので聞いてみる。
「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器、湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる……」
何でブ〇ーチの黒棺の詠唱なの?!
「いやもうちょっと分かりやすいのを……」
「I scream, you scream, we all scream for ice cream」
「何で英語なんだよ!しかもそれただの英語の早口言葉じゃねぇか」
「へぇよく知ってるな」
「お前ジェシカ先生の授業聞いてないのかよ!」
「いや作中で習ってないし……」
「それでも登場人物か!」
こうしてあれこれ揉めているとコングが提案する。
「もうこうなったらあの人呼ぼうぜ」
「あぁあの人かニャ。確かにあの人なら直せるかも」
ショコラも知っている人物の様だった。
コングが電話してみる。
「もしもし。あっはいそうです~。第十一中庭の方でですね。機械の故障がありまして」
コングの声が若干高い。お袋は電話する時声が高くなってたけどお前もかよ!
てか学校の第十一中庭って何だよ。まずそんなにいらないだろ!
しばらくしてキュルキュルキュルと言う音が聞こえてくる。見てみると小学生が来ていた。青髪のツインテールにダボダボで手も足も見えない白衣。そして青色のYOMに乗っていた。
「私は鮃木満子。よろしく」
彼女はYOMに乗った状態でも俺たちのことを見上げるほど小さかった。
「あなたは小学生ですか?」
「失礼な。私は高校二年生」
俺たちの先輩じゃないか!こんな小さい先輩が居ていいのか。いやフィクションだし良いか。話をずらさないように次の質問をしてみる。
「あ、あの乗ってる機械は?」
「あぁこれは満子専用YOM。青いのが特徴」
「そんなシャア専用みたいに……」
またまた変な先輩が現れたのだった!




