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多分このラブコメは根本的におかしいのかもしれない  作者: UMA未確認党
第4章 カオス野球

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第68話 水族館デート

 ある放課後に隣の席にいる舞香が尋ねてくる。


「ねぇ隼人くん。今度の土曜日に時間ある?」


「空いてるよ!むしろ予定があっても無理やりキャンセルしてこじ開けるよ」


「そ、そう……ありがとう」


 舞香は俺にお礼を言う。


「水族館のチケットを貰って。でも琴音もあたりも予定があるらしくて一緒に行ってくれないかな」


「もちろん行きますとも!」


 俺はすぐに立ち上がった。急なことなので周囲馬ビックリしている。忍に至っては懐に手を入れている。暗器を出す気かお前は!




 そして早く来ないかと焦がれた土曜日、俺は水族館の入口で目の前の光景を見て固まっていた。


「え?どうして……」


 舞香がいるがその隣に小さな男の子がいる。


「私の弟」


 舞香が紹介する。


「十歳で同じ小学校にいるよ」


 舞香の弟か俺は初めて見たし聞いた。


 舞香とは少し違って、髪は短いが舞香のように顔は整っている。正直前見た蓮太と同じくらいはモテそうだ。


 そして俺を見るなり挨拶して来た。


「こんにちは。弟の西園寺望です」


「こ、こんにちは」


 礼儀正しい。一文字足したら総理大臣だもんな。


 望は普通の小学生だ。でも社長っぽい奴とか十人兄弟とかいるしな。


 この学園の関係者である以上、まだ信用できないけど舞香の家族なら普通なのかな?むしろそうであって欲しい。


「今日は三人で見るの?」


「うん」


「……そう。急にお母さんに頼まれちゃって」


 今日は舞香と二人でデートをする予定だったじゃないか。それがなぜこのガキがいる……


 いやデートと言うのはまだ早いか。同級生と二人だけで水族館に行く。あの猿軍団や人外どもに邪魔されずに過ごす予定だった。


 それが弟だって?人の恋時の邪魔をするものは義弟ですら叩き切るのが俺の身上だ。


「ねーちゃんこっち!」


 望が舞香の手を引いていく。何だこの妙な敗北感は……


 俺の胸の奥で、何かが燃え始めた。




 巨大な水槽の前で俺たち三人は巨大なマンタを見た。


「望これがマンタだよ」


「凄いマンタインだマンタイン!」


「それはポケモンだろ!マンタだよ」


「タマンタ?」


 ダメだこりゃ。


 でも俺の口元は少しだけ緩んだ。


「次はイルカを見に行こう!ショーが始まるよ」


「はいはい走らないの。まったく元気出て良かった」


 元気なのは元からだとは思うが……これで本当に元気無かったのか?




 イルカたちは呑気に泳いでいた。これだけ多くの人に見られているのに平気なのは普通に羨ましい。これからショーが始まるのだが望はと言うと最前列に座りたがった。本当に男子小学生マインドだな。


「こんな所じゃ濡れちゃうよ。仕方ないカッパを買ってくるから」


「俺が行くよ」


「いいよ。弟のわがままなんだからね」


 そうして舞香はどこかに消え俺と望は二人きりになった。




 知り合いの知り合いと居る時の気まずい空気が流れた後で望は口を開く。


「隼人にーちゃん」


「ん?」


「ねーちゃんのこと好きなの?」


「ぶっ!?」


 思わずむせる。


「な、何言ってんだ!そんなわけ無いだろ!」


 俺はゴホゴホ言ってごまかす。何だコイツ。


「僕ねーちゃんと風呂入ったことあるぞ」


「あっそ!小学生なら逆に聞くと思ったんだけどな」


「それで?その答えは」


「お前も成長すればわかるよ。もしくは今好きな奴いるんだろ?」


「う、うん……」


 ほらビンゴ。望にも好きな女子がいるんだな。まさかお姉ちゃんとは言わないだろうな。


 俺は愉快に感じたが次に発せられた言葉で顔色をすぐ変えることになった。

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