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多分このラブコメは根本的におかしいのかもしれない  作者: UMA未確認党
第4章 カオス野球

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第66話 本性

 俺は蓮太に指を突きつける。


「な、何そんな逆転裁判みたいに……」


「お前は今蓮季のことを知らないと言ったな?」


「それがどうかしましたか?」


「俺は何も蓮季を女子とは言っていないッ!!なぜ関係性を隠しているのか教えてもらおうじゃないか」


「ぼ、僕のことを疑うんですか?」


 周囲の女子たちもこちらに視線を向ける。ややこちらに対しての視線が強い気がするんだけど……


 蓮太はそれを見て「チッ」と小さな舌打ちをして俺の手を掴んだ。


「何をするッ!!」


 次の瞬間、景色が変わった。


 何もない空き教室らしき空間。


「ここどこだよ!?」


「俺たちの秘密基地。いや今は俺一人の秘密基地か」


「……お前」


 振り返った蓮太の顔から、あの純真そうな笑顔が消えていた。


「それで?俺に何の用事なんだ人間」


 一人称まで変わってしまっている。


「さっきまでの様子がないな」


「演技って事さ。あの女子たちはすぐに騙されたようだけどね。ホントバカ」


 蓮太は手を叩いて笑っている。コイツ絶対クズだ……




 動こうとしても動けない。蓮季に出会った時と全く一緒だった。


「それで?姉貴はどうしたの?」


「それが……ネズミに化けたらネコに追いかけられてどこかに行った」


「あっそ」


「反応薄っ!日常生活生きてたら到底出会わないセリフがいくつかあるんだぞ?」


 俺がまくしたてると蓮太はため息をつく。


「相変わらずだな、姉貴」


「姉弟なのか……」


「うん。その上滅茶苦茶仲悪いよ」


「悪いんかい!」


 蓮太は俺を見下ろして言う。


「俺と姉貴は双子なんだ。俺がインキュバスで姉貴はサキュバスだけどね」


「理由は?」


「単純だよ。どちらが人間の心を掌握できるかで競っているからね」


 姉弟揃って悪趣味過ぎるだろ!やっぱサキュバスは碌なもんじゃないか。


「でもやり方は全く違うよ。姉貴は多くの人間に魅惑を振りまく『広く浅く』なのに対して、俺は相手をよく観察して少数の人間を確実に堕とす『狭く深くだ』」


 どっちも悪趣味な気がする……


「姉貴は数を自慢する」


 蓮太は腕を組む。


「俺は質を自慢する」


「まさに最悪の姉弟喧嘩だな……」


「双子だからって、仲良くする義務はないだろ」


「正論みたいに言うな。お前らの姉弟喧嘩に学園中巻き込む気か」


「え?ダメなの?」


「ダメだろ!」


 蓮太は嬉々とした顔をしているので俺はため息をついた。


「お前さ、絶対表ではその顔するなよ」


「どの顔?」


 その瞬間、蓮太はいつもの純粋そうな笑顔に戻る。


「……この顔?」


「それだよ!」


「便利なんだよ、この顔。男女問わず許してもらえるし」


「自覚あったのかよ!!」


「普通あるでしょ」




 そこに聞き覚えのある声が入ってくる。


「あーっ!蓮太!」


「げっ姉貴」


 見るとそこには元に戻った蓮季が立っていた。


「生き返ったのか?」


「あっ!センパーイ」


 俺に近づいてきてスリスリしてくる。


「大変だったんだよ?あの後元に戻れなくて泣く泣くお兄さんの所の同級生に治してもらったんだから」


 忍か……アイツも大変なんだなぁ。


「へっ!ぶりっ子気持ち悪い」


「はぁ?アンタにやってないでしょ」


「それでも目に入ると痛いんだよ」


「何を!そう言えばアンタ最近高等部の男先輩たちたぶらかしてるそうじゃない。こっちのテリトリーに入るの止めてもらえる?」


「あれは彼女狙いで落としに行ったら勝手に付いて来たんだよ!お前こそ女生徒会長に媚売ってるだろ。まさか生徒会長でも狙ってんのか?」


「あれは生徒会長がそう言う趣味なんだから仕方ないでしょ」


 姉弟喧嘩が始まる。うわぁ……そろそろ帰って良いかな。

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