第64話 蓮季vs聖愛
聖愛が高笑いする。
「ハハハ!この程度の犬耳で私を誘惑できるとでも?」
「ご心配なくあなたの寿命を延ばしただけです」
ドロンともう一つ唱えると耳が犬耳に変わった。
「どうしたんだ?」
「いえもう猫が二匹いるので使い分けを。同じ話に猫三匹はきついでしょう」
ショコラとマリンをチラチラ見ながらそう告げる。
「この人数を出すのもややきついけどな。まぁそれは良いとしてもう聖愛に攻撃できるな」
「いえ。先ほど言われた通りこれだけでは無理そうなので……あまり使いたくはありませんでしたが、またドロン!」
煙に包まれていく。そして晴れると犬頭が居た。
「何だチミは!」
「何だチミはってアタシは変なおじさんじゃなくて蓮季ですよ!」
何でこんな犬頭になってんの?
「何でしてるかですか?そんなの世の中にはケモナーがいるからですね」
「そ、そうか色んな人が居るな。でもそれは別にサキュバスじゃなくていいんじゃ……」
「うるさいですね。そんなの時代遅れじゃないですか、稼ぐように言われてるんですよ。そのためには何でもしなければ」
蓮季はフンスと鼻を鳴らす。そ、そうかサキュバスってただ男と遊んでればいい訳じゃ無いんだ。
「さぁ!これで動物になりましたよ!掛かってきなさい!」
しかし聖愛の反応は芳しくない。
「えぇ?これだけで名乗るおつもりですか?」
「何ですかこれだけって!これでも十分獣でしょう!あぁ分かりましたよ!」
もう一度ドロンと唱えて身体を煙で覆う。そしてそこには毛むくじゃらの身体があった。
「これでどうですか!」
「おっ!これで四つん這いになって鳴いて?」
蓮季は言われた通り四つん這いになる。
「ワン!ワン!」
俺はこの様子を見て悟った。人類はここまで衰退してしまったんだと。これが俺の父親だったら涙で夜の枕をびしょびしょに濡らしただろうと。
「まぁ良いでしょう。初心者にしてはよくやりましたね」
「いちいち上から目線すぎませんか?」
まぁプロ相手にここまで教授しているとは面白いな。釈迦に説法とはこのことか。
「おのれこれだけじゃ足りない!さぁ何でもどうぞ!」
お前はついに求め始めるようになったのかよ。商魂たくましいというか根性が凄いんだなコイツ……
「じゃあ自分より大きいものにも変身できますか?」
「たやすいこと!世の中にはこういうのが好きな人もいますしね。ドロン!」
蓮季は巨大な恐竜に変身する。前見た本物と比べると大分再現度が高い。とてつもない能力と言うかもう魔法じゃん。
「どうですか立派でしょう」
「ふ~ん。それじゃ小さい生き物にも変身できるんですか?」
「もちろんですよ。ドロン!」
そうして彼女はネズミに変身した。
「シャーッ!」
突然マリンが追いかけ始める。そりゃネズミに化けりゃそうなるよ。
「ぎゃー!」
「あっつい本能で」
いや長靴をはいた猫か!
蓮季とマリンがどこかに消えた後で聖愛がこちらに向きなおる。
「って訳で飼育部とかどうですかね。動物園で色んな動物と濃密に触れ合えますよ?」
いや誰が入るか!




