第60話 忍者の実情
目が覚めると甲三郎先生と忍に覗き込まれていた。
「起きたか」
「は、はい!」
跳びあがって正座する。
「それで今回の結果は」
「一応討ち取ったが、こちらは一人身内を喪うことになった。それがお主じゃ。まさかくノ一にはめられるとはな」
「だってよりにもよって相手が舞香だったんですよ?仕方ないじゃないですか」
「仕方ないことは無い。もしもあれが実践で変装されていたならお主は命を失ったぞ」
「でもそもそも実践する機会なんてないじゃないですか」
「むむ……」
先生は考え込む。
「確かに一般人であったな。なら忍術は関係ないか」
「そうですね!よく考えたら一般人でした」
ズコッ!ずっと忍術を教えようとしてきたのかよ。
「じゃ、じゃあ愚太郎とかも忍者なんですか?」
「いいや?彼らも一般人だし忍者部でもないぞ」
何で忍者部じゃないのに相手してたんだよ!
「たまにあるじゃろ助っ人参戦とか。うちは人数がおらんのでな。たまに協力してもらっている」
「最近は忍者の人数も少なくなりましたからね」
「今世紀初めにはもっといたのだが」
ん?今世紀初め?あぁあのラーメンの具材くんがでるマンガか。正式名称は伏せておくことにするがあれで忍者が流行ったのね。
「メンマ懐かしいです!」
あ!そっち?聞いたことないけど。どっちかと言うと十年後の八月を思い出すけど!
「まぁ大半は螺旋丸と千鳥ばかりを打ちたがるミーハーだったがの」
「本当に皆クセが凄かったですよね~」
それ違う千鳥だから!
「まぁそう言う背景もあって当部は人数不足じゃ。参加してくれれば体育の評定が上がるぞ」
肩を叩かれて説得される。う~んどうしようかな……断りたいな。でもたまに舞香も参加するんだよね~。とりあえず保留するか。
俺が階段を上って帰っているとどこかから変な気を感じた。何回目だよこの展開!しかも気づくのが若干早くなった。忍者部の成果か?いやたった一日じゃこうはならないだろう恐らくご都合主義だと思う。
倉庫から外に出ると目の前をショコラとマリンが通っていた。
「オッス!」
「お、おっす」
軽く挨拶を交わす。
「おうおう何だ二匹で仲良くデートか何か?」
「ハァ?勘違いするんじゃないわよ何でアタシがこのブサ猫のお世話をしなきゃならないのよ」
相変わらずツンデレな猫だなぁ。二匹でお幸せに~。
「それで何をしてるんだ?」
「あぁちょっとこの辺りで交……休憩していたところで」
「あれ発情期なのか?猫は大体この時期か」
「ちょ!発情って何よ。年中発情期の生物に言われたくないわよ!」
「は?誰が年中発情期……いやよく考えたらいつでも子供産んでる時点でそうなのかも……」
俺は流石に言い負かされてしまった。
「それでご休憩の結果は?」
「あと少しの所で変な気を感じて帰って来たのよ」
「あ、変な気って君らじゃなかったんだ」
「何言ってるのよ。アンタは数回あってる奴にすぐに警戒心を持つほど臆病なの?」
いやそんなことは無い。じゃあ俺の勘違いか。そう言って一人と二匹で校門に向かっていく。
俺はこの時気づかなかった。この変な気配が後に大問題を引き起こすことを……




