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多分このラブコメは根本的におかしいのかもしれない  作者: UMA未確認党
第4章 カオス野球

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第48話 カオス野球⑤

 その後相手の攻撃になった。守備位置は変わらずだが、打球がうららの居る方角ではなくライトに飛ぶようになった。流石にあの鳥でも全体の防御はきついのだろう。代わりに愚太郎があちこちを走り回っている。


「よしセーフ!」


 コイツこんなに運動して疲れないとかすごすぎだろ。いやバカだから気づかないだけか?どちらにせよ非常に有用なのは確かである。




 しかし流石相手も野球部で慣れているだけにすでに俺たちはいくつかの塁を奪われ、点を取られる寸前まで来ている。


 そして相手は例のキャプテンだ。


「さぁとっとと決めるよ!」


「やれるものならやってみろし!いくよコング!」


 琴音は大きく振りかぶって剛速球を投げた。


「いや甘い!」


 キャプテンはバットを振り快音が響く。




 ボールは一気に客席へと向かっていく。


 「マズい!何とかしてくれ!」


「僕が取る!」


 愚太郎が走って行き捕球を目指すが、高さ的にもう客席に着いてしまう高さだろう。


「でも!僕は諦めないんだァ!」


 愚太郎は壁に足を置くとその脚力の反動を利用して一気に跳びあがった。




「ま、まさか壁キック?こんなのマリオ以外で初めて見た!」


 俺もだよ!こいつ本当に何でもできるな。




 小学生達からも歓声が上がる。


「「「「「すげー!愚太郎さん!ヒーローみたい!」」」」」」


「「「「「いや私の経験上悪い予感が……」」」」」


 愚太郎は歓声に気をよくしたのだろう。空中で宙返りを二回する。


「すげー!」


「天才!」


「俺もこうなりてぇ!」


「将来のノーベル賞候補!」


「僕らの贔屓チームに入ってほしい!」


 愚太郎は笑顔で手を振る。


 そしてボールが綺麗に通り過ぎた。


「あっ……」


「これはホームランだゾ!」


 何やってんだお前!捕れよあのくらい!


 これには小学生達も不満を垂れる。


「ひでー!」


「天災!」


「俺はこうなりたくねぇ!」


「将来のダーヴィン賞候補!」


「僕らの贔屓チームに入ったらファン辞める!」


 挙句の果てに真反対の評価を食らったのは流石に笑う。


 さてそんなことを言いながらもスリーアウトを取ったのだがこれで三点は返されてしまった。




 次の打線はと言うと琴音と俺だ。


 琴音はバットを持ちながら呪詛の言葉を唱えていた。


「あの野郎。四点差さえ守れれば雨ごいと冷気乞いしてコールド勝ちもあり得たのに」


「いやコールド勝ちってそう言うことじゃないから!大体今春から夏の間だぞ。季節感どうなってんだ季節感は!今寒くなったらただでさえ命短い蝉さんがビックリして即死しちゃうだろ!」


 お、何か面白いこと言えたな!しかし相手のキャプテンに一蹴される。


「別に面白くないけど。アンタくらいは真面目にやって」


 酷すぎだろ!俺は今までこの野生動物共のお世話をしてお疲れなんだよ。少しくらいボケても罰は当たらないだろ!


 そんな間に琴音は塁に出て、俺の番になった。


「さぁかかってこいや!」


「隙あり!」


 後ろからキャッチャーにぽこんと叩かれる。


「何してんだ!」


「だってアタシもボケたいし、アンタだけ不公平でしょ?」


「ひでぇ!俺だってようやくなのに。あんま俺を怒らせると出番とギャラ減らすからな」


「パワハラ反対!てかこれギャラ制だったの?」


「いや今決めた」


「何じゃそりゃぁ!」


 俺は横から怒られ心へのデッドボール扱いで塁に進んだ。


 心のデッドボールって何だとは聞かないでくれ。

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