第34話 十人十色
翌朝俺は小学校の校門の前に立っていた。腕にはきちんと腕章を付けているので不審者とは思われないだろう。
「おはようございまーす」
ランドセルを背負った子供が通っていく。
「やぁおはよう」
俺も元気に挨拶を返す。
隣には小学校の先生が立っている。
「来てくれてありがとうございます。皆高校生のお兄さんお姉さんのことは喜ぶと思います」
お礼を言われると嫌な気はしない。
「おはよー!」
一年生くらいの赤いシャツを着た男子児童が通っていく。
「おはよう!」
少し後で青い服の男子児童が通っていく。
「おはよー!」
「おはよー」
さっきの子とめちゃくちゃ似てるな双子なのかな?
黄色い服の男子児童が通っていく。
「おはよー!」
おはよー。三つ子かな?
「おはよー!」
緑の服の男子児童が通っていく。
あれれ?
「おはよー!」
最後にピンクの服の男子児童が通る。
「お、おはよって何これ!さっきの奴がまたいるんだけど!」
俺が驚いていると先生は手を叩いて言う。
「あぁ知らないのね。あの子たちは……」
「五つ子ですか?」
「いいえ。あの子たちは……」
すぐ後で「「「「「ちょっと男子~!!!!!」」」」」
五重の声が聞こえて来た。
見てみるとそこにはポニーテールの女子が五人並んでいた。その服の色も赤青黄緑桃。
「十つ子よ?」
十人兄弟?!多すぎるだろ!
「ちょっと多すぎないですか?ちょっとこれはコピペの疑いがありますよ?」
「そうかしら。私は同時に戦隊と魔法少女をできて楽しいと思うわ」
普通の反応!そりゃそうかこの小学生たちのことはこの街では有名なんだ……
それにしてもこれだけいるなら魔法少女も戦隊も大変そうだけれど……
ずかずかと五列で女子がやって来る。
「「「「「おはようございます!」」」」」
「お、おはようございます」
赤青木緑桃の順番で話しているようだ。
「男子は上から十条一翔一翔二翔三翔四翔五翔です!女子は一華二華三華四華五華です!まぁほぼ名字で呼ぶだけになるでしょうけど」
そ、そうか……忘れないように一号二号三号四号五号と呼ばせてもらおう。
「でも兄弟が多いと大変でしょ?」
そう尋ねてみると一号ちゃん(仮名)は一言ずつ話していく。
「そんなことないです」
「お金持ちなので」
「会社を経営してます」
「アンタより良い生活してます」
「でも奢ってやらないよ。ざまぁみろドーテー」
最後だけ悪口じゃん!てか一年生の語彙じゃないだろ。
「こら三華!そんな変なこと言わないの」
「二華お姉ちゃん。三華はアタシ。それは五華」
「また間違えた。アンタら紛らわしいのよ親兄弟の顔を見てみたいわ」
「それは鏡を見たら同じ顔があるよ」
そもそも本人も見分けついてねぇじゃねぇか!
「たまに自分が何番目なのか忘れます」
「だからアンタにゃ分からないよドーテー」
だから一人だけ口が悪いよ!
そうこの学園小学生すらまともでは無いのだった。




