第23話 幽霊少女の訪問
「うわぁ!」
と叫んで飛び起きると、隣の部屋にいる中学生の妹が驚いて飛んでくる。
「どうしたのさ兄貴」
「あぁいやさっき声が……」
「声?兄貴の声しか聞こえないけど」
「あ、あぁそうか……」
やっぱり見えないのか。そんなことをしている間に少女は部屋の中に入っていた。
とりあえずクッションの上に座らせる。
「あ、あの~」
「知ってるよ。私が死んでるってこと。でも成仏できないんだ」
「それならここに来ないでくれませんかねぇ。せめてご両親の所へ……」
「行ったけどバタバタしてて相手してくれなかった」
「そ、それなら犯人の夢枕にでも化けて出ればいいじゃん」
「あのお兄ちゃんさっきから何でずっと離れて震えてるの?」
そりゃそうだろ。だって目の前に少女の幽霊がいるんだぞ?恐ろしくてたまらない。
幼女は悲しそうな顔をしているけどさ……
「誰も相手してくれないからここについて来ちゃった」
「来ちゃったって、俺と何の関係も無いじゃん。それを相手する理由って何もないよ」
「私を成仏させてくれればそれでいいから」
「無理だよ!俺は坊さんでも斬魄刀を持っている訳でもないんだから。成仏とかさせられるわけがない」
「どうしても?」
「どうしても」
「そんな冷たいこと言うならおにいちゃんを呪い殺すよ?」
「そ、それだけは止めてくれ!俺にはまだ残りの人生が!」
そう言って俺は慌てる。
「冗談。そんなことができるならとっくに犯人を殺してるよ」
「ハハハ……」
これは笑うしかない。それはそれとしてだ。
「俺に成仏させてほしいんだな。一体何が必要なんだ?」
「私をひき逃げした犯人を知りたい。それが私の後悔」
「つまりそれが解ければ成仏してくれるんだな?」
少女は頷いた。名前を聞いていなかった。
「それで名前は?」
「アンナ」
アンナは今更元気に答える。
「とは言っても大体捜査は進んでいると思うけどなぁ」
警察関係者に知り合いがいる訳でも無し。俺みたいな高校生が解決できる範囲なのだろうか。果たして何も分からない……
「まず他人に見えるかなんだよなぁ……」
まず幽霊が見えないのは当たり前なんだから。その少女の為に犯人を探していますなんて言えたものではない。同級生は悪い連中ではないが気味悪がられたくはないのが本心だ。
そう思って俺は考える。
俺は今彼女が見えているが、別に他の幽霊が見える訳ではない。少なくとも今までは生きている物しか見えなかったはずだ。つまり何かのきっかけ絵関係ない俺でも見えるようになった。
じゃあ俺以外に視える人物が居てもおかしくないんじゃないか?
「なぁ。明日学園についてこないか?」
「え?」
「学園で協力してくれそうなやつを探すんだよ」
幽霊が登校してはいけないという理由はない。と言うか万が一見えたとしても大多数の人が見えないでいるんだから、騒いでいる人が変に見えるだけだろう。
それで動揺してそうな人を捕まえるんだ。
俺は床で寝た。アンナのことをベッドで寝かせたいからだ。幽霊は睡眠が要らなそうだけどそれじゃ俺の気分が悪い。
明日学園で協力してくれる人はいるんだろうか。俺の意識は深い眠りについた。




