修理屋
エマ「私の大切な一人娘なんです...どうか...どうか助けてください....後2日だけでも持ったら、それでいいんです...」マイク「で、どうやって助けるんだ?」ゼロ「ちょっと見るね」腕から伸びた輸血管に繋がったパックをみる。ゼロ「...残量は2割ほどだ。一時間、いや、持ってニ時間。それまでに安定剤を手に入れる必要がある。」ジン「...それはどこにある」マイク「任せとけ!地図なら持ってるぞ!」ゼロ「ナイスマイク!えーと....ここが一番近い。」マイク「おいおい、ここもトライレガシーじゃねえか、こんなの取れるのか?」ジン「...ここより遠いと、間に合わない。」ゼロ「そういうこと。さあ、急ごう」スキッドフレームを呼び出し、移動を始めた。いくつもの山を越えてたどり着いた。崖に掘られた横穴に、医療ステーションが建てられている。マイク「よっしゃ!戦えるぜ」ゼロ「まずは話してみよう。戦うのは最後だ。すみませーん!誰かいますかー?」声を張り上げて呼びかける。スピーカーから音が聞こえる???「誰です?ここは立ち入り禁止ですよ。」マイク「まじかよ?そんなことを言わずに、頼むから開けてくれよー」ゼロ「人工心臓の安定剤が切れてしまったんです。分けてくれませんか?」???「.....それはできません。在庫は担当患者の分しかないのです。」マイク「なあー、そう言わずに頼むよー」???「....(ため息をつく)あなたにあげたら、別の人が死ぬのです。それをわかっていっているのですか?」マイク「うっ...それはそうだけどよ!予備とかねぇのかよ?(小声で)くそっ、このままじゃあいつが、リリアが死んじまう。」???「.....仕方ありません。入ってください」ゼロ「(小声で)マイク!助かったよ」電子音が小さくピーとなった後、ゲートが横に開き始めた。重い扉が補強材に差し掛かるたびに「ガコン..ガコン」と音を立てながら開く。そこから現れたのは、作業着を着た男だった。油やグリスで汚れたジャケットを着ていたが、不思議とだらしなさは感じなかった。目の下にははっきりとクマができていて、紺色のジャケットの袖の下に軽量フレームの義手が見える。もう片方の手には、指先だけ出ている保護グローブをつけている。首に下げている社員証に、リヒトという名前が見える。リヒト「はあ...それで、誰を助けるっていうんです?」ゼロ「リリアっていう...」リヒトの顔が少しほころんだ気がした。リヒト「.....困りましたね...本当はいけないんですけど」頭を掻き、指先をジャケットで拭いてから、奥へと戻っていったマイク「おい、これ行けるんじゃねえの?」山を吹き抜ける風だけが聞こえる。HUDのタイマーが、残酷なほどに正確に時間を刻んでいた。行かせてしまったが、本当に戻ってくるのか?もしかしたらすでに全員逃げ、部隊が来ているかもしれない...信頼して大丈夫だったのか?マイク「おい...ちょっと長くないか?」ジン「....騙されたか」ゼロ「そうなのかな...もしそうだったら、もう間に合わないよ」ジン「...ここで待つしかない、か。」もうすぐ一時間が経とうとしている。日はもう完全に暮れてしまった。ここで戻るか決めなければ、本当に手遅れになってしまう。わかっていたが、声には出せなかった。静寂を破ったのは、足音だった。一歩、また一歩。徐々に近づいていく。リヒトか?ゼロ「戻ってきたぞ!」その手には...一つのパックがあった。マイク「よかった!遅いぞ。何してたんだ!」ゼロ「本当にありがとう!」ジン「...慈悲に感謝する。」リヒト「バレないように持ち出すのに、時間がかかってしまいました。まだ間に合いますか?....勘違いしないでください。私はあなたを助けたんじゃありません.......患者を助けただけです。」マイク「ああ。そういうことにしておくよ」受け取ったパックを慎重に後ろの冷却庫に入れ、スキッドフレームにまたがる。急いで向かわないと。残り30分しかない。急げ。




