願い
壁を叩く音が聞こえる。身構えた方が良さそうだ。マイク「すぐ開けるから、ちょっと待ってろー」ゼロ「おい...!敵だったらどうするんだよ!もうちょっと警戒することを覚えろよ!」マイク「まあまあ、敵だったら倒す。それでいいだろ?」恐る恐るハッチの先を覗くと...みすぼらしい女性がいた。何度も縫い合わされた跡があるコートを着ていて、生命線とも呼べるマスクはボロボロだった。髪は伸び切っていてその手はマメだらけだ。???「すみません....どうか、どうか娘を助けてください...お願いします...」ゼロ「どうする?」ジン「...信用できるのか?」マイク「何を迷ってるんだ、困ってる奴は助ける。それが俺たちだろ?」???「どうかお願いします...何でもあげますから...」コートの内ポケットから、配給食を取り出した。包装紙は何度も握りしめられたように、シワだらけだった。ゼロ「いらない。」目の前の女性の顔が曇る???「そんな...ごめんなさい...もうこれ以外ないんです...ごめんなさい...ごめんなさい...」何度も頭を下げるマイク「そうじゃないだろ?礼なんていらねえ。タダだって言ってるんだ。」ゼロ「食料は貴重だ。しまっておいて。」ジン「...名を名乗れ」エマ「あっ、すみません...私は...エマと言います。お願いします...」ゼロ「まあ、とりあえず行こうか。」エマについていきながら、彼女と話した。曰く、娘は生まれつき心臓が弱く、人工臓器を使って生きながらえてきたが、ついに今日安定剤が底をついたらしい。話していると、突然エマが咳き込み出した。そしてそのまま膝をついてしまった。何が起きたんだ?エマは急いでコートの中の何かを探している。やばい、死ぬ。目の前で、手が届くところで人が死ぬ。どうしよう。何かしないと。マイク「おい!大丈夫か!」エマは補強テープを取り出し、穴を塞いだ。激しく咳き込んでいる。しかし次第にそれも落ち着いてきた。ゼロ「大丈夫ですか!」エマ「ゴホッゲホッ...すみません...心配させちゃって。大丈夫ですよ...ゴホッ」手の甲の薄く浮き上がった血管に沿って、青紫色の結晶が皮膚を押しのけながら少しずつ伸びていく。エマは歯を食いしばりながら、震える手でそれを見つめる。エマ「...止まって...」暗い青、もしくは紫のように見えるその結晶は、石英のように先端の尖った結晶を作り出す。たのむ...死なないでくれ...結晶の成長が止まった。よかった。エマ「よかった...」マイク「大丈夫か!?」エマ「はい...これくらい、大したことないですよ...」嘘だ。手は震えている。ゼロ「...これが大丈夫なわけないでしょう。すぐ手当しますね」エマ「いえ...こんなの、夫に比べたら、なんでもありません。もう死んでしまったんですが...あれは、今でも夢に出てきます。...いえ、やめておきましょう。」そうこう話しているうちに、手当が終わった。といっても、表面にできた結晶を取るだけの応急処置だ。マイク「お、なんか見えてきたぞ。あの集落か?」歩いているうちに、いつの間にか砂漠のような場所についていた。恒星フレアが、あたりを強く熱す。...初めて、あの雲があって助かったと思えたかもしれない。集落は、ベニヤ板や合板を貼り合わせた簡素なもので、砂で壁の塗装がほとんど剥がれている。エマはその仲の一つに入り、僕たちもそれに続く。中にはボロボロで使えたものじゃない家具しかないのに、目をつぶって寝ている少女のものは、比較的新しく、まだ白いままだ。少女は黒く長い髪の毛を持っているが、その毛には艶はなく、見るからに寝たきりというような感じだ。
こんにちは!筆者です。「オフライン・リベリオン」を読んでくれて、ありがとうございます!これまでは書きだめてたものを出してきましたが、この話でそれも最後なので、これからは不定期の投稿になると思います。もしかしたら飽きて途中でやめちゃうかもしれないので、あんまり期待せずに待っててください。




