帰る場所
マイク「くそっ!許せねぇぜあのエア何ちゃらとかいうやつ。」ジン「騒々しい。」ゼロ「まあまあ、そろそろ着くよ。拠点に」山を越えると、平地にある拠点がのぞかせる。スキッドフレームを充電ハブに入れ、着いたのは、廃工場だ。二階建てだったようだが、上の階は崩落して潰れている。一階も、ほとんど窓ガラスが割れ、壁の一部は崩れている。ここを改造して拠点にしている。入ってから三番目の機械、力一杯押すと、金属がひどく軋みながらスライドし、階段が現れる。その階段を降りると、お世辞には広いとは言えない空間が広がっている。一面、今にも崩れそうな鉄筋コンクリートでできている。天井、床、壁、あらゆるところにケーブルが張り巡らされている。壁にかけられたランタンの火がが、揺らぎながら、部屋全体を照らしている。こんなのでも、帰る場所があるだけ幸せなのかもしれない。マイク「おい、ここ俺のモヒカンが当たるんだけど!何でこんな狭いんだよ!」ゼロ「何度も言ってるだろ、ここはデータセンターの跡地だから、ネットワークが整っているんだ。ここか、それ以外かでは段違いなんだ。第一崩落していない建物があるだけ奇跡なんだぞ」マイク「...まあゼロがそういうならそうなんだろうけどよ...それでも狭いぞ」ジン「刀の手入れがある。先に失礼する。」そういって、ジンは自室へと戻る。自室といっても、段ボールで区切っただけだが。ゼロ「僕も戻るとするよ。」僕の部屋に入ると、開きかけのノートパソコン、分解された端末、壁一面の回路図が散乱している。寝袋の上にも置かれている色々なものを乱雑にどけて、寝袋に入る。...眠れない。今日は大変だったから、体は疲れ切っているはずなのに、緊張で眠ることができない。こんなとき、私は外に行く。音を立てないよう、静かにドアを開け、階段を上がっていく。そして、地面に寝転がり、空をぼんやりと見つめる。空には星空があるわけでもなく、ただ汚染された重っ苦しい煙が広がっているだけだ。こんな空を見るたび、僕は思い出してしまう。八ヶ月前、世界を敵に回したあの日のことを。




