並んで歩く放課後
放課後、校庭には柔らかい夕陽が差し込み、影が長く伸びていた。
つかさはベンチに座り、今日の授業のノートを整理していた。
しかし、心は自然とれんのことを考えてしまう。
「……今日も、れん、楽しそうだったな」
小さくつぶやきながら、つかさは心臓の高鳴りを感じる。
すると、れんが校庭の端からやってきた。
「おう、桐谷」
「おはよう、れん……じゃなくて、こんばんは」
「まあ、夕方だからな」
軽く笑いながらベンチの隣に座る。
二人の距離は自然に近く、言葉を交わさなくても心地よい空気が流れる。
つかさは少し勇気を出して話しかける。
「ねえ、明日、図書室で一緒に勉強しない?」
「もちろんだよ」
れんの笑顔が、つかさの胸を温かくする。
⸻
その日の帰り道。
二人は校門を出て並んで歩く。
途中、クラスメイトの木嶋とまこが偶然現れ、二人をからかう。
「おお、二人で帰るのか?」
「ちょっと羨ましいな」
つかさは顔を赤らめ、れんは少し困ったように笑う。
「まあ、別に……普通だし」
「普通だよね?」
木嶋が笑いながら去った後、つかさは小さくため息をつく。
「もう、二人きりなのに……気にしすぎ?」
「いや、桐谷が照れてるから、俺もちょっと楽しい」
れんの返事に、つかさは思わず笑ってしまう。
⸻
次の日、放課後の図書室。
静かな空間の中、二人は机を並べて宿題に取り組む。
つかさが問題を解いている間、れんがふと声をかける。
「桐谷、昨日のプリント、ここ間違えてるよ」
「えっ……ほんと?」
「うん、だから一緒に直そう」
二人でノートを見比べながら、自然に距離が近づく。
だが、そこに少しした誤解が生まれる。
クラスのモブの男子が通りかかり、れんの肩に手を置いて話しかける。
「おい、俺も教えてほしいんだけど」
つかさは一瞬、胸がざわつく。
(……れん、他の人と話してる……?)
しかし、れんはすぐに振り返り、つかさの目を見て微笑む。
「大丈夫、すぐ終わるから」
つかさは少し安心する。
小さな誤解や嫉妬も、こうして確かめ合える関係になることを実感する。
⸻
図書室の窓から夕陽が差し込み、二人の影を長く伸ばす。
つかさは心の中でつぶやく。
「れんと一緒にいると、なんだか安心する」
れんも同じ気持ちを抱きながら、つかさの隣で静かに勉強を続ける。
二人にとって、この日常が特別で、かけがえのない時間になっていることを、互いに感じていた。




