36/54
りく寓話第八夜【竹取物語】
昔、昔、竹取の翁というものありけり
野山に混じりて 竹を取りつつ
よろづのことに使いけり
名前を讃岐さんと言いました。
ある日、讃岐さんが竹林で根元光る竹を見つけます。
綺麗だなと眺めておりました。
そして、日が傾き夜が訪れようとしているのに
お爺さんが帰ってこない!と、心配になり
お婆さんが竹林へ探しに来ました。
「爺さんや、どうしたんだい?」
「おや、婆さん。これを見てご覧」
「まあ、綺麗」
二人は肩を寄せ合い、二人で光を眺めます。
こんな穏やかな気持ちになったのは、
何十年ぶりなんだろう……
そんな無言の会話が聞こえてくるような
虫の声のみが聞こえる静かな夜でした。
朝の鳥が夜明けを知らせ、
ゆっくりと太陽が昇り夜が明けていくと同時に
光もゆっくり消えていきました。
おじいさんが透き通るような声で短歌を詠みました。
竹林で 根元に宿る 星一つ
消えて儚く 袖濡れる朝
冒頭は、うろ覚えなんで勘弁して下さい




