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二十六 協力②

 そうはいっても、だ。


(うーーん、具体的にどうすればいいんだ)


 魔物の討伐は慣れたものだが、魔道具については知識は乏しい。

 生活用具ならまだしも身を守る用途の魔道具については、魔力がつよい、しかも全属性(マスター)の自分にはあまり出番がない。


 原作未プレイならば、なおさら。


「…………はぁ。そう言うと思って、紹介したい者がいる」

「ユール様」


 ものすごく不本意そうだけど、私が協力することを読んでいたらしい。


「身ひとつでこちらに来た訳じゃないからね。魔石の持ち込みが制限される分、魔道具に明るい者は連れてきている」

「なるほど!」


 それは良い!

 専門家、という訳だ。


 素材が足りなくて、さぞ困っていることだろう。


「ええと、では。(わたくし)はその方と意見を交換し、素材を集めればよろしいのですね?」


 なんだか、ゲームでいうところのサブクエストを受けている気分だ。


「心苦しいですが、お願いできますか?」

「ええ、もちろんですわ」

「もちろん、私も協力するよ」

「ーーええ!?」

「……なんで驚くんだい?」


 いや、サブクエストのつもりでいたから。とは言えない。

 ユールはすでに、魔道具についての知識という貴重なものをエレデアに提供している。


 素材をも提供することは、国同士での取引とみた時に過剰な協力なのでは……。


「リュミだけに危険なことはさせられないよ、……分かったね?」

「は、はい」


 この眼は有無を言わせないやつだ。

 おとなしく従った方がいいのは、学んだ。


「……助かります。では、その件についてはユールティアス様の采配にお任せいたします」

「承知した」

「そして、もう一点なのですが」

「そうでしたわね」


 魔道具の協力すら読めなかったのだ。

 もう一点にも心当たりはない。


「先日……第二王子殿下、レイセル様の元にナレド公国の高官が訪ねてきたようです」

「レイセル様」


 レイセル・デュ・ノゥ・エレデア。

 ライエンとは四歳ちがいの異母弟。


 まだライエンの婚約者時代だった時に数回会ったことはあるが、原作ではどうであったのだろう。

 魔皇国との争いがメインストーリーなのだから、エレデア王家の彼のことはどうも敵とは思えない。


 だが、事実。


 現国王がシンシアをライエンの婚約者にと据えるほど、彼らの勢力は衰えているとはいえないはず。


「動きがみられればまたお伝えしますが、身辺には気を付けるよう。……ライエン殿下より言伝を承りました」

「……ええ、気を付けますわ。ありがとうございます、メーアス様」

「いえ。……では私は先に失礼させていただきます。魔道具の件、よろしくお願いいたします」

「ああ」

「ごきげんよう」


 青い長い髪が遠のく。

 ライエン自身も大変だと思うが、その側近もこれから大変だろう。


「貴女って本当……」

「はい?」


 未だこちらを呆れながら見るユール。

 なんだ、まだバカにするのか!?


「……はぁ」

「!?」


 ため息。ひどい。

 もはや言葉にできないほど呆れているの?


「な、なんです。言いたいことがあるならーー」

「いや、お人よしだなぁって話」

「そうはいっても、国のためですし……」

「そういうことにしておくよ。けど」


 呆れていたはずのその顔は、今度はいつものいたずら好きに変貌している。

 あ、やばいやつだ。


「ほどほどにしないと……、魔力。必要以上に吸ってしまいそうだ」


(なんでーー!?)




ご覧いただきありがとうございます。


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