ライラの自白
それからのライラは暗躍した。
フェシリアに気付かれない様にそっとそっと。
一人残され不安そうなフェシリアの為に明るく振る舞い、悲しそうなときは共に寄り添った。
お嬢様が早く帰れそうと言った時は驚いてゆっくりしようと言い、話を変えた!
(あの後、グレアムがお嬢様の足を傷つけて、どうしてやろうかと思った)
ゼノーの街ではグレアムに付き合い、フェシリア好みのアクセサリーとお茶屋探しに奮闘した!
(結局、お嬢様また逃げようとしたけど…)
二人で庭園でお茶をすると聞けばフェシリアを飾り立てた。
(あの時、グレアム調子こいてたわ。)
お嬢様の大切にしている宝石箱の存在をグレアムに教えた。取ってきた方が良いと。
(あれはナイスアイデアだったわ!)
城下町でアクセサリーを買おうと思うと言うので、フェシリアは雪の結晶の形が好きだと教えた。
(くーっ。ここでもグレアム調子こいたわ。)
クルルの街から帰ってきたら、ティアの元気が無くなり、次にフェシリアも元気を無くした。
グレアムが原因なのは一目瞭然だった。
(おい!幸せにするんじゃなかったのか?)
そんな時、ティアがハワードを連れてきた。最初こそ、ティア発案の【グレアム兄様に嫉妬させちゃおう作戦】にのっていたが、途中で気付いた。
あれ?ハワード様でも良くない?お嬢様幸せにしてくれそう!
ハワードは気持ちも安定してるし、常識があり、優しい。そして公平な心の持主だ。お嬢様、ハワード様の事好きにならないかな〜ってちょっと思った。
ちょっとだけね…。だから、フェシリアに馬の刺繍するんですよね?って圧かけたり、ハワードのいい所を吹聴したりまぁ…色々色々した。ちょっとだけどね?
「あのー、まぁ、そう見えたのなら、申し訳なかったです。でも、最終的にはお嬢様はやっぱりグレアム様が好きなんだな〜って思って、グレアム様に会えるように仕向けましたよ!リスで」
ライラは、ほぼほぼ白状した。グレアムはうんうんと頷くと、
「ライラ、リスじゃない。毛並みのいいリスだ」
といい、
「まぁ、今回はいいよ。でもこれからも協力してくれるよね?」
と半ば脅し気味に聞いてきた。
「勿論です!グレアム様がお嬢様を幸せにしてくれるのであれば!」
ライラは胸をはった。任せなさい!とでも言わんばかりに。
「それは勿論そのつもりだけど、じゃあ、もしフェシリアが心変わりしたら協力は無いのかな?」
「……私はぁ、フェシリア様の専属使用人ですからぁ…グレアム様、お嬢様に嫌われないように頑張って下さい!!ね!そうすれば、みんなハッピーですよ!」
頑張れ!とでもいうようにライラは両手を上げながら言った。
「ふふっライラには敵わないな。じゃあ、頑張り続けるしかないな」
グレアムは吹き出して笑った。
(フェシリアには最強の応援団が付いているんだな)
「グレアム兄様ー!ハワードが帰るって!」
ティアの呼ぶ声が聞こえた。




