戻ってきた日常
フェシリアとグレアムはしばらく抱きあっていた。
「そろそろ皆が起きてくる。戻ろうか?」
名残惜しいがグレアムは言った。
「はい。話をしながら帰りませんか?」
「そうだな。僕達は今迄会話が足りなすぎた」
フェシリアの提案により、グレアムとフェシリアは色々な話をしながらノーフォーク公邸に向かった。
沢山話せるように、ゆっくりゆっくりと走りながら…
◆◆◆◆◆
ライラはフェシリアを起こしに来て姿が無い事に気がついた。
ヘンリーや他の使用人にも聞いたが誰もフェシリアを見ていないと言う。
モーニングの時間も近づいてきて、ライラは段々不安になってきた。
「お嬢様ー?」
「フェシリア様ー?」
ライラやヘンリーがフェシリアを探しているとルークやティア、ハワードも階下に降りてきた。
「フェシリア、いないの?」
ティアが不安そうに聞く。
「僕は少し館の外を見てくるよ!」
ルークが玄関から出た時、前からグレアムとフェシリアを乗せたティティスがゆっくりと歩いてきた。
皆は一瞬止まった。昨日までのグレアムしか知らない。フェシリアは大丈夫なのだろうか?不安を感じてグレアム達を棒立ちで見ていた。
グレアムはティティスから先に降り、フェシリアが降りるのを手伝うと皆の方を向いた。
「皆を待たせたな。すまない、フェシリアと朝焼けを見に行ってたんだ」
微笑を浮かべたグレアムの姿は、皆が知っているいつものグレアムだった。
「そっか。そっか!綺麗だったか?」
ルークが嬉しそうに言った。
「じゃあ、じゃあ皆でご飯食べよう!?」
ティアが子供みたいに言った。
ヘンリーやライラ、他の使用人達もホッとして持ち場に帰った。
「私はすぐ着替えて、食堂に行きますわ」
フェシリアに答えるようにライラが
「ご準備しましょう!お嬢様!」
と元気に言った。
◆◆◆◆◆
良かった!良かった!
ライラは朝の仕事も終り、水差しを貰いにご機嫌で廊下を歩いていた。
「今、ちょっといいかな?」
振り向くとグレアムが立っていた。
「はい!グレアム様、何の御用でしょうか?」
ライラはグレアムの方に向き直した。
グレアムは微笑を浮かべて言った。
「ライラ、君にはお礼を言うよ。君が僕をリスにしてくれたおかげでフェシリアとわかり合える事が出来た。有難う。」
「いえ!お嬢様の為ですから当然の事をしたまでです!」
(本当に良かった。お嬢様幸せそうだった!)
「ところで…」
グレアムがニッコリして言った。
「君……途中でハワードでもいいかな?なんて思ってなかった?一番始めに僕と君の2人で約束したよね?フェシリアを必ず僕の妻にするって。」
「裏切ろうと…しなかった?」
ギクーーーー!!なんでばれた!!!
ライラは冷や汗が溢れ出てきた。小さくなったライラは小リスのようだった。




