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こちらとしては婚約破棄をご希望です!?  作者: 鈴本奈緒
第5章 真実を知るとき
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皇太子の着眼点

「しかし、お前はちゃんと好きだってフェシリアに言ったんだろう?なのに、何でティアと恋仲って勘違いしたんだろうな…」

 リックは不思議に思った。


「…………」

「…………無いかも」

 グレアムが呟いた。

「…言ってないかも。いや、言ってない」


 リックは真顔でグレアムに聞いた。

「え?言ってないのか?一度も?あんなに迫ったのに?」


 グレアムは少し気まずそうに言った。

「最初は婚約してから距離を縮めようかと…。後は態度で伝わってるだろうと」


 リックは気付いた。

 グレアムは幼少からとてもモテた。放っておいても女性の方からガンガンきた。だから、自分からアプローチなんてした事も無いし、わからないのだ。


「はっハハハハハッ」

 リックは思わず大笑いした。


「なんだよ。ひどいな。」

 グレアムが言った。しかし、グレアムは何だか

 前のグレアムに近づいてきた気がした。


「悪い悪い。フェシリアが何で勘違いしたかは分かんないけどさ、それが理由で逃げたんなら、いいんじゃないか?形だけの結婚は嫌だから逃げたんだろ?」

「えっ?」

「だから、隠れ蓑じゃ嫌だったんだろう。グレアムと()()()()()がしたかったから耐えられず逃げたんだろ?」


 グレアムは無言になって頭を掻いた。

「今は、頭が非常に混乱してる」


 リックは立ちあがった。

「そろそろ行くよ。お前はまだ休みが3日ある。時間はあるからゆっくり考えてみろよ。それでも、フェシリアが好きだったら……最後と思って一度くらい気持ちを口に出してみたらどうだ?」


「……考える」

「おう!じゃあ、次会うときは城だな。髭くらいは剃れよ。じゃあまた!」


 リックはグレアムの部屋を出て階段を降りた。

 ルークが心配そうにしていたので「もう少し時間はかかりそうだが大丈夫だ」と伝えた。

(実際、最後の方は大分碧からスカイブルーに近づいていたしな。)


 リックが館の外に出ると、フェシリア達がきた。


「あれ?ハワードも来てたのか?」

 リックは今、ハワード・シャルンに気付いた。

「はい、リック皇太子殿下。ティアに招待されまして5日前よりノーフォーク公爵家に滞在させて頂いてます」


「そうか。久しぶりだな、元気そうで何よりだ」

(ん?5日前?グレアムが荒れたのは4日前、これも何か関係ありそうだな…)

 リックがふとティアを見ると、

「反省してます。でも、まだ計画の半分もしてませんでした」

 と答えた。

「本当ですぅー」

 とライラも言った。


 フェシリアとハワードは(なんの事?)という顔をしていた。


 リックは(全くこの兄妹は)と思うと同時に(グレアム今も見てるんだろうなぁ)と察していた。



 ーー勇者ヴィンセント祭まで残り6日となったーー

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