ノーフォーク公邸の秘密結社
「一体、どうしたっていうんだよ!この家は皆!」
ルークは書斎でグレアムに詰め寄っていた。
「クルルから翌日帰ってきたら、ティアの様子はおかしくて今だに僕と話もしてくれない!、と思ったら今度はフェシリアまでティアと部屋に籠もりっきりで、食事にも降りてこない!何があったんだ!?」
グレアムはルークを一睨みした。
「何があった?私に責任があるとでも?」
ルークは怯んだ。
「そんな事は言ってない。ティアの件は自分が悪かったとは思ってるよ。クルルで放ったらかしにしてしまったし…。でも、兄さんだって、最近フェシリアに冷たいだろ。」
「………言いたい事はそれだけか?」
グレアムはルークを睨みつけていた。
その時、舘に馬車の停まる音がした。
ティアの明るい声が聞こえてくる。
「ただいま、ヘンリー!とっても楽しかったわ!」
「お嬢様、おかえりなさいませ。楽しまれた様で良かったです。」
「えぇ、私もう、気力十分よ!今迄心配かけてごめんなさい」
「いえ、お元気になってくだされば、ヘンリーはそれだけで嬉しゅうございます。」
「私達、明日の夜から皆と一緒に食事をするわ!ね、フェシリア」
「えっ…ええ、そうね。そうしましょうか。」
「お前の心配しているティアは随分元気になったようだ。」
グレアムがフンッと笑ってルークに言った。
「………」
コンコンコン
書斎のドアをノックする音がする。
「グレアム兄様、ちょっといい?」
ティアが扉を開けて言った。
グレアムはルークから目線をはずしティアを見て
「構わないよ」
と言った。
「明日から私の友人を一人、ノーフォーク邸に呼びたいの!客間はまだ空いているし、いいでしょう?」
打って変わって元気になったティアが聞いてきた。
「あぁ…構わないよ。ヘンリーに言っておいてくれ」
「有難う!楽しみだわ!ヘンリーに言ってくるわ」
ティアはルークを見ることもせず、そのまま扉を閉めて行ってしまった。
「……だ、そうだ」
グレアムがルークに告げた。
◆◆◆◆◆
「ライラ!ちょっとちょっと…」
ライラがフェシリアの部屋から出て歩いていると誰かに呼ばれた。前を見ると、うっすーく開いた扉の隙間からティアが呼んでいる。
「ティア様、どうしました?」
ライラが聞くとティアが右人差し指を唇にあて
「シーッ!とにかく入って!早く早く」
と手招きした。ライラは不思議に思いながらも部屋に入った。
「フェシリアにはナイショなの……あのね」
「はい。」
「あした、……ゴニョゴニョ」
「ほう!」
「で、ゴニョゴニョ……」
「なるほど」
「つまり、ゴニョゴニョ……って訳。」
「ほー?さすがティア様」
「名付けて、グレアム兄様に○○させちゃおう作戦よ!!やるわよ!ライラ!」
「はい!微力ながらライラも協力いたします!」
秘密の作戦会議が開かれていた。




