悪役は諦めない!
「ひょぇぇぇぇ!!!!!!!」
「あっ!申し訳ございません。」
声に驚いて振り向いたグレアムに向かってライラは言った。
「構わないけど、どうしたんだ?驚いたよ。何かあったのか?」
あんたの行動のせいですよ。とも言えず
「いえ…あのー。そう!思い出し驚きですよ!ほら、思い出し笑いの驚き版です!」
とライラは苦しい答えをだした。グレアムは
「ハハハ!そうか。あんまり聞いた事は無いがライラは面白いんだな」
と言ってさわやかに笑った。
ライラがフェシリアの方を見ると全てを察したフェシリアが何とか笑いを堪らえようと肩を震わせている。
(そりゃないですよ……お嬢様ぁ)
その時、グレアムは門をくぐりノーフォーク公爵邸に入ってくる馬車に気づいた。
「ん?あれは誰だろう?今日は来客は無いはずだが…」
3人で見ていると、馬車が館の前で止まり一人の女性が降り立った。
「ぎょぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
ライラが再び叫んだ。
馬車から降り立った人。それこそエリザベス・トリスタン、フェシリアの姉である。
◆◆◆◆◆
3人は目が点になって、エリザベスを見ていた。
(お姉様……。はぁ〜何でこんなに色々な事が起こるのかしら…?)
フェシリアは頭を抱えた。
ライラの叫び声に気づいたエリザベスは東屋の方を見た。
瞬間目がキラーーン!!と光った。
(あぁ……またか。来るぞ来るぞ、ライオンが!)
グレアムは覚悟を決めた。
ドドドドドドドドドドドッッッッッッッ
凄い勢いでエリザベスが東屋に向かってくる。
長々走り、被っていた帽子も飛び、やっと東屋につくとエリザベスは肩で息をしながら声高に言った。
「お久しぶりですわ。グレアム様!」
ハァハァハァ…息切れがすごい。
「お久しぶりですね、エリザベス嬢。今日来るとは伺って無かったと思いますが、どうされました?」
グレアムが微笑を湛えながら言った。
「わが妹がご迷惑をおかけしてしまったでしょう?
そのお詫びに来たのですわ。フェシリアには手紙で伝えてありますの!!」
「そうでしたか…」
そうなの?というようにグレアムが首を傾げてフェシリアを見た。
確かに手紙は貰ったが返事は書いていないし、まして今日来るなんて聞いていない。
フェシリアは(違うんですー!)と必死に目に思いを込めてグレアムを見た。
「ひとまず、館にもどりましょうか」
とグレアムは言い、
(一生懸命見つめちゃって、かわいいなフェシリアは)
などと全然違う事を考えていた。




