ノーフォーク公爵邸の素敵な朝食
この二人絶対何かあったな。。。
ノーフォーク公邸の朝食時、ティア、ヘンリー、ライラは感じていた。
ノーフォーク邸の朝食はシンプルだがおいしいと評判だ。焼き立ての2種類のパン、庭園で育てている採れたての野菜のサラダ、朝産んだ卵でつくるオムレットなどの玉子料理。これに、フェシリアがきてから始まった各地から取り寄せられる新鮮な果物。最後に、ミルクか紅茶、オレンジジュースを選べる。お客様にも好評である。
その優雅な朝食の場で、何ともおかしな光景が繰り広げられていたのだ。
まず、ティアが食堂に入ると、ここ最近朝食時には館を離れていたグレアムが座っていた。
「えっ!」
ティアは驚いて声をあげた。
「どうした、ティア。落ち着きなさい」
8日振りに会う兄はすっかりいつもの完璧な兄に戻っていた。
「ごめんなさい、お兄様。」
(びっくりしたわ。そうだ、後でフェシリアに優しくするようにお兄様に頼まなくっちゃ。)
「お兄様、後でご相談があるのだけどいいかしら?」
「構わないよ」
グレアムはいつも通り優しく笑った。
(あっ!この後、フェシリア来ちゃう!どうなるの!?)
ティアは焦った。
次に食堂に入ってきたのは、ヘンリーだった。
配膳係を手伝って、ポットを待って入ってきたが一瞬立ち止まった。
(グレアム様が……いらっしゃる…)
ヘンリーは冷や汗をかいた。
ウィリアム様と奥様から手紙の返事はきたが、まだこちらにこれそうには無さそうだ。ムードメーカーのルーク様は最近ずっとご友人宅にいっているし。この後、フェシリア様が来てしまう。どうしたものか…)
焦りながらもヘンリーは熟練執事らしく、
「おはようございます。グレアム様、ティア様」
と言った。
最後に入ってきたのは、フェシリアとお付きのライラだ。
ライラは思った。
(げーーー!!いるわ。参った。せっっかく、今日は久々にお嬢様が元気そうだったのに。なんかボーっとはしてるけど。キィーッ!あの澄ました顔!頭から水かけたろか)
フェシリアはグレアムの姿に少し驚いたようだが、挨拶をすると静かに席に座った。
ティアは椅子に座りながら、ヘンリーとライラは部屋の角に立ちながら三人三様の思いで2人を見ていた。しかし、この後3人はグレアムとフェシリアから目が離せなくなるのである…
まず、席に座った2人はチラチラとお互いを見ていた。
しかし目が合うと2人共下を向いてしまうのだ。
見る→目が合う→うつむく→見る→目が合う→うつむく
朝食の間中それは繰り返された。
(?????????)
3人の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだった。
謎だらけだった朝食も終わりに近づくと、グレアムが口を開いた。
「今日もいい天気だ。フェシリア、後で庭園でお茶でもしないか?」
(えーーーー???)
3人は驚いて一斉にフェシリアを見た。
「……はい、是非」
フェシリアは答えると、真っ赤な顔をしてうつむいた。
ティアは開いた口が塞がらなかった。
(えぇ…何があったの!?でも仲直りしたのね?そうなのね?良かったぁ…)
「そういえば、ティア、相談があると言ったね?いつにしようか?」
グレアムが言った。
「あっ、もう解決しました」
ティアは答えた。
ライラは開いた口をやっと塞いだ。
(…おぉっ?一瞬どこかの世界に飛んでた。でも、何かしらんけど仲直りしたみたい。良かった…ん?この後また会うのか。そうと決まればお嬢様にオシャレさせるぞー!!)
「お嬢様!そろそろお部屋に戻りましょう!」
と大きな声で言った。
ヘンリーは敏腕執事なので流石に口は開けなかった。
だが、異常な程に目は泳いでいた。
(解決した……のか?2人の間に何が起きたか全くわからないが、無事解決したんだな。良かった…旦那様、奥様、解決しましたぞー!!そういえばあれは何だったんだろう?)
ヘンリーはウィリアム夫妻からきた手紙の返事を思い出していた。
【 ヘンリー、手紙の件は了解した。
こんな時に私達は別宅におり、お前に全て任せてしまってすまない。本来はすぐそちらに向かうべきだが、私達夫妻も今困難に立ち向かっている。
いや、何、心配はいらない。前に比べれば小さなハリケーンみたいなものだ。ハハハハハ。小さくったってハリケーンだよ。ヘンリー…
解決したらそちらへすぐ向かうからそれまで何とか頑張ってくれ。 ウィリアム・アリツィアより】
(…?フェシリア様の件も解決したし、まぁいいか。)
ヘンリーは部屋を出ていった。




