ライラの暴走
「おっはようございまーす!フェシリア様、昨日は眠れましたか?」
カーテンを開けるライラの声でフェシリアは目を覚ました。
「おはよう。ライラ。眠れたようよ」
部屋を見渡してみたが、ノーフォーク公の姿はない。あの後部屋を出ていったのか。それとも…夢? とも思ったがフェシリアのベッドサイドには昨日慌てて開いたまま置いた本があった。
少したつと食事係のメイドが朝食を運んできた。いつもとても美味しそうだ。
「そういえば、今日の昼頃ノーフォーク公爵様のご兄妹が到着されるようですよ。楽しみですね〜美形3兄妹がそろうのを見れるなんて!」
「そうなのね。私が挨拶なんてしてもいいのかしら。ライラもご兄妹の事知っているのね?」
ライラは少し得意気に話し初めた。
「勿論ですよ!このエドニア大国において、ノーフォーク3兄妹を知らない人なんていませんよ!まずは長男グレアム様24歳 公爵家の跡継ぎでありながらエドニア騎士団の団長を務め、皇帝陛下の信頼も厚い。冷静沈着・頭脳明晰、それであの見た目で柔らかい物腰。巷では薔薇の貴公子と呼ばれています!」
(…物腰柔らかいかぁ…?薔薇どっから出てきた?)
「次に次男のルーク様、20歳エドニア国研究所の副所長
明るい笑顔にほがらかな人柄、少しプレイボーイ的な雰囲気。美しい金髪を後ろで束ね、グレアム様とはまた違った魅力を醸し出しています。巷では星屑の王子様と呼ばれています!」
(星屑の王子様…またまたどっから出て来た。星はともかく星屑は宜しくないわね。)
「最後にー!妹のティア様16歳。ティア様はアリツィア様の遠縁ですが、ご両親が亡くなり5歳の頃養女になられました。金髪碧眼ですが、綺麗にウェーブのかかった髪、華奢なお体、控え気味な性格。巷ではエドニアに舞い降りた妖精と呼ばれています!」
(……うん。そうね。妖精みたいだわ。本当に。)
「はぁはぁはぁ…フェシリア様 水飲んでいいですかぁ」
ライラは急いで喉に水を流し込んだ。
「とにかくぅ、民の憧れなんですよお はぁはぁはぁ」
「うん。うん。ライラわかったわ落ち着いて。楽しみね。」
その時、ノーフォーク兄妹を乗せた馬車の到着する音がした。
「わぉ!着かれましたわ。そうだ!フェシリア様も着替えてお洒落しましょう!お化粧もいつもより豪華にやっちゃいましょ!」
「えぇっ必要ある?二人からしたら、私はいわば、兄の婚約パーティーから逃げ出したとんでもないやつなのよ?」
そんな抵抗も侘びしく、ライラはもうフェシリアの顔に化粧水を叩き始めていた。
「私はルーク様のファンなんですよぉ」
(浮かれちゃって全然聞いてない…)
フェシリアは30分後に今まで見たことのないほど飾り立てた自分と鏡で対面した。




