口移し
・相瀬 雪琉
主人公。中学2年の14歳で、生まれつき
身体が弱く、大病院に入院している。
・本野江 檜
高校一年の16歳。
主人公の姉的存在だが家族ではなく、
よく主人公のお見舞いに来てくれる。
ヒノキ
ユキくん、きたよ!
ユキル
ああ、ヒノキさん…いつもいつもありがとうございます
ヒノキ
やだなぁユキくんったら!ヒノキさんなんて(照)ヒノキでいいよぉ!
ユキル
ヒノキさん、がいいです…
ヒノキ
むう…仕方ないなぁ…
ヒノキ
それはそうと、お土産!ほら、もみじ饅頭買ってきたよっ♪…あ、でももうご飯か。
看護師
失礼します。昼食をどうぞ。
ユキル
ありがとうございます…ヒノキさん、お土産は食後にいただきます…
ヒノキ
うん♪今日は…茶碗蒸しあるね!ユキルくんの好きなやつだったよね?
ユキル
…はい。とても美味しいです。
ヒノキ
でも熱くない?これ…
ユキル
はい。冷ましきってから食べるんです。
ヒノキ
それじゃ冷たいよ!?
美味しくなくなっちゃう…
ユキル
でも、こうでもしないと食べられないので…
ヒノキ
じゃあいい考えがあるよ!
ユキくん、仰向けに寝て?
ユキル
えっ?あ、はい…
ユキルが仰向けに寝ると、ヒノキは
おもむろに昼食を口に運んだ。
ユキル
…ヒノキさん、お腹すいてたんですか?
ヒノキ
ちがうよぉ(笑)ほら、ユキくん、あーん♪
ユキル
ひぇあっ!?く、口移し!?
ヒノキ
…私のじゃ、イヤ?
そういってヒノキは泣きそうな顔になる。
ユキル
嫌じゃないですよ!?ヒノキさんのならいくらでも食べられます!だから泣かないで!
ヒノキ
ふふっ。じゃあ大丈夫だねっ♪
ユキル
…いや…その…!
ヒノキ
ふぁい…うきくん、ほあ…(はい…ユキくん、ほら…)
泣きそうな顔は一気に引き、
とても嬉しそうな顔で食べ物を口にいれるヒノキ。
さっきの発言を少し後悔した。
しかし…
目をつぶるヒノキの長い睫毛。
目の前には綺麗な唇。
多少は恥ずかしさがあるのか、頬が赤い。
その姿に、ユキルは色気を感じてしまった。
ユキル
……はい…
…チュ…
ヒノキ
ん…ユキ、く…こぼれちゃうよ…
ふふっ…どお?あったかい…?
ユキル
…あったかい…です…
ヒノキ
よかったあ♪ユキくん、まだ一口目だよ?
もっと食べたい?
頬を火照らせながら優しい笑顔で喋る
ヒノキ。恥ずかしいと思いながらもユキルはぬくもりさえも感じていた。
ユキル
…はい。もう少し、だけ…
続く
ユキルは猫舌だけど、
ヒノキさんは大丈夫なのかな?