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「娘が、俺の娘をこいつは無理やり犯して、犬猫でも捨てるように、殺して立ち去ろうとしたんだ!」
「まことかっ!」
「ああ? 主は何者ぞ? この動物が言ったのは間違いないかと聞いたのであれば、そうだな、無理やりかは知らんが、殺すつもりもなかったが、現象を見れば……死んでおるな」
そいつは黒馬に跨って、視線を麦畑の中に落として、俺にそこを見ろと示した。
馬を後ろに数歩下がらせ、そいつの肩越しに見えてきた白く細い脚、仰向けに倒れる銀色の髪の長い……天を凝視し、動かぬ若い女。下半身の着衣は消え失せて、それは明らかに……
「首を絞めるとなぁ、締まるんだよ……
へへへへ……
だけどな……
あんまり抵抗するから……
加減をな、ちと、間違えた……
おとなしくしてれば死ななくて済んだのだがな……
いやー、いやーっと気持ちよさそうに鳴いておったぞ、ぬははは」
虫けらが……
殺人は重罪だ。
咎人は即刻死刑。




