表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第1章
66/130

タキオン


現在3番手争いのフラッシュフォワードとフランシスだが、ここからもう1段階ギアを上げられそうなフラッシュフォワードが優勢に見える手応えに見えた。


そしてその2頭と王者の猛追を逃げ切れるのか先頭のサイレンススタート。


アブソルートも流石の底力、本来バテ合いになりそうな競馬で減速することなくサイレンススタートを残り200mで捉えた!


「捕まえたぞ祐翠」


サイレンススタートも失速はしないまでもここで捉えられたらもう限界という状況だ。

本馬のスタミナは底をつきかけていた。

しかし鞍上の祐翠はまだ諦めていないという表情をしていた。


「祐翠先輩はまだ諦めてない!」


テレビ放送で応援中の白浜美波が祐翠の表情を見て感じていた。


「そうは言ってもこの状況は…」


一緒に観戦中の小和田や珍念、その他の騎手もサイレンススタートは限界だと思った。このままズルズルと…


誰もがそう思っていたが、サイレンススタートは頭差まで迫られたアブソルートとの差をギリギリで凌ぎ簡単に抜かせない。


すぐさま異変に気づいたアブソルートのR.ムーアJr.。

「サイレンススタートのスピードが戻った?」


大逃げからスタミナ切れした馬にはあり得ない状況だ。

しかしそんな有り得ない状況がまさに今起きている。


「どういうことだ。」


驚いているジュニアに向けて祐翠が言った。


ーー「確信はなかったんだけどな。」

「何の話だ?」


ーー「サイレンスの特性だよ。この馬はただの逃げ馬じゃない。前からスタミナが切れかけた時でも競りかけられると勝負根性で復活することはあったけど。」


観戦中の祐一調教師もこの光景を見て歓喜しているものの全くの予想外だとは思っていない表情をしていた。


ーー「恐らくサイレンスはスタミナが切れると再加速する!」


「スタミナが切れるとだと?!…エネルギーを失うと加速する性質…タキオン?」


アブソルートに頭だけ凌いで先頭で走り続けるサイレンススタート。こうなるとなかなか順位の入れ替えが起こりにくくなるのが競馬である。


「マズイ…」


アブソルートに乗って33戦無敗、29ものG1を本馬と制してきたジュニアが初めて敗北をイメージしてしまった…


「いけるぞサイレンス」


アブソルートに勝利するという歴史的快挙が現実の元となるのも目前という状況。

そしてさらにアブソルートを襲う。


残り200mでムチを入れたフラッシュフォワードが日本では恒例の超前傾姿勢に入り、超加速!

光速の脚で並走していたフランシスを一瞬で置き去りにして2頭との距離をグングン縮めていた。


仕掛けたフラッシュフォワードが先頭との距離を縮めるとテレビも本馬をカメラに捉えた。

その映像に一八調教師。


「スタートから最大10m登った後はファルスストレートで下り、最後の直線はほぼ平坦。最後の末脚に賭けるフラッシュフォワードにはこれ以上ないコース形態なんだ。」


サイレンススタートとアブソルートを完全に視界に捉えたフラッシュフォワード。

2転3転した先頭の攻防もフラッシュフォワードの末脚が2頭を差し切ろうという手応えだ。


ハイペースに失速することなく伸び続けるサイレンススタートとアブソルートだが、末脚の破壊力でいうとやはり完全に1枚上を行っていた。


「完全に春馬の馬の展開になった。」

同期の小和田がフラッシュフォワードの勝ちを確信した。


「まだ分からないわ。」

白浜は言った。


フラッシュフォワードが2頭に正に並びかけたその時だ。

サイレンススタートがアブソルートとあったアタマ差を引き離し始めたのだ。


「やはり奴の馬の性質はタキオン…タキオンはエネルギーを失えば失うほど加速する。そのスピードは光速を超える…。」


驚愕の表情のR.ムーアJr.。

再加速したサイレンススタートはアブソルートを突き放す。

そして後ろから来たフラッシュフォワードもアブソルートに並んだ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ