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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第1章
64/130

直線の攻防


凱旋門賞、フォルスストレート(偽りの直線)250mを越えるといよいよ勝負の直線。

ロンシャン2400mの直線は府中競馬場の直線とほぼ同じの533mだ。


いち早く直線に来たのはサイレンススタート、続いてアブソルートと差がなくフランシスが続く。

少し離れてダンシングカレィジが入ってきた。


そして最後方の4頭がようやく直線に入る頃には先頭のサイレンススタートとはかなりの着差が分かりやすくなった。


「ああ、直線になってわかりやすくなったけど、こんなに前と差があったのか!」

テレビで応援中の珍念が驚いた。


「素人みたいな驚きかたするなよお前は…」

呆れたようにツッコむ小和田。


直線いち早く仕掛けたのは3番手のフランシスと4番手のダンシングカレィジ。

13戦無敗のマイル最強馬の自在の脚質から繰り出す総合力の高い迫力充分の末脚。

日本ダービーでも繰り出されたダンシングカレィジの爆脚と比べても遜色なかった。


仕掛けたのに前のフランシスとの差が縮まらないことに驚いた美馬騎手。

しかし彼が驚いたのは前方の馬だけではなかった。


前走のニエル賞で思ったより弾けなかったフラッシュフォワード。

そのため陣営は仕掛けるのを当初のイメージより一瞬早く仕掛けることを打ち合わせで決めていた!


最後方の4頭の内、最も遅く仕掛けると思われていたフラッシュフォワードがいち早く追い出した。


ここで徐々にペースを上げて…

そう風切は考えていたのだが、前走とは打って変わって究極仕上げでこのレースを迎えた本馬は少し仕掛けたのみで馬なりでみるみるうちに上がっていってしまう。


全力で仕掛けたはずのダンシングカレィジのすぐ外に馬なりで上がるフラッシュフォワード。


「何だと?!」


思わぬ訪問者に驚きを隠せない美馬騎手。

しかし1番驚いたのは春馬だった。


「フラッシュお前…。」

唸るように上がっていくフラッシュフォワード。


本来他馬に威圧感を与えるダンシングカレィジの末脚だが、フラッシュフォワードのあまりの威圧感に負けのめってしまった。


ダンシングカレィジの末脚が止まってしまったので、後方の3頭に捕まってしまった。


鷹極とインゼルジャパンが美馬とダンシングカレィジをかわしていく。


「くそっ……」


4番手に上がったフラッシュフォワード、前は3頭。

サイレンススタートとアブソルートとフランシス。

戦前の人気4頭がそのまま最終対決に残ったようだ。


しかし4頭のレース展開は4者4様。

どの馬が1番余力を残しているのであろうか?



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