好騎乗
「春馬の馬はまだ来ないのか?」
後ろを気にする祐翠。
その隙を見逃さなかった小和田騎手。
エスエムオペラオーを歯を食いしばって剛腕追いで追い始めた!
「むん!」
エスエムオペラオーがサイレンススタートに頭1つ抜け出した。
サイレンススタートがデビュー以来初めて先頭を譲った。
「どうする…このまま小和田の馬に前を行かれたらそのままゴールされてしまう。」
再び後ろを確認する祐翠。
「でもここでオペラオーに寄せていったら後ろから春馬が来たら合わせに行けないぞ…。」
祐一調教師も心配そうに観戦している。
「どうする祐翠…」
小和田「一生悩んでろ!」
躊躇している祐翠を嘲笑うように、抜け出すエスエムオペラオー。その差は1馬身となった。
「ヤバい…」
エスエムオペラオーを捕まえに行こうとした祐翠だったが、1頭の馬が急坂から上がって来た気配を察知した。
それは風切騎乗のフラッシュフォワードだ!
鷹豊騎乗のセカンドインパクトと一緒に上がって来た同馬だが、セカンドインパクトは道中の距離ロスもあり直前伸びあぐみ未だ坂の途中にいた。
フラッシュフォワードがセカンドインパクトより強い馬である証明がされた瞬間だ。
「来た!」
再び警戒を後ろにも向けた祐翠。
しかしフラッシュフォワードと先頭2頭の馬の着差はかなりのものがある。普通は絶望的な差だ!
しかしフラッシュフォワードなら、フラッシュフォワードならやってくれる!
そんな目で見ている観客達の期待と同馬を信じて止まない風切春馬という男の姿があった。
風切が前傾姿勢になると同じくしてフラッシュフォワード自身も前傾姿勢になり、走るフォームが変わった!
観戦者の注目が高まる!
「来るぞ!」
フォームの変化を周りが認識した刹那、フラッシュフォワードの末脚爆発!!!
三度の衝撃!
前を行く2頭との差をグングン縮めていく!
8馬身…7馬身…6馬身…
坂を登り終わり最後の気力で走る先頭の2頭の脚も決して大きく鈍っている訳ではないのだが、最高速に入ったフラッシュフォワードの脚を見ると他馬は止まって見えてしまう。
先頭のエスエムオペラオーとサイレンススタートの差は殆ど無い。
その2頭を猛追するフラッシュフォワード!
勢いは完全にフラッシュフォワードでこのままなら2頭を差し切ってゴールしそうだ。
白浜「これは風切先輩の馬が勝ちそうね、どうするの祐翠先輩?」
小和田騎乗のエスエムオペラオーを捕まえに行きながら風切の馬の猛追に気づいた祐翠はゴール前10メール、外側から抜こうとしている風切の馬の方に馬を寄せに行った!
ゴール寸前でフラッシュフォワードに抜き去れそうな勢いだったサイレンススタートだが、馬体を寄せたことにより同馬の勝負根性が発揮される。
フラッシュフォワードに抜かせないまま並走してゴールに2頭殆ど同時にゴールした。
横並びでゴールしたサイレンススタートとフラッシュフォワードは再び殆ど同時にゴールし、クビの上げ下げの攻防となったが、新馬戦との違いはその2頭の内側にもう1頭いたことだった。
サイレンススタートはフラッシュフォワードの末脚に向けて馬体を合わせに行った為に、内側のエスエムオペラオーはせられることなくそのまま2頭よりもクビ差だけ早くゴールしたのだった。
小和田にとって初めての重賞勝利とともにG1初勝利だった!
「うおおおおおーーー!」
歓喜の小和田騎手。
しかし2頭のマッチレースを期待した観客からはヤジも飛んだ!
展開のアヤもあり、中穴人気の馬の勝利に納得のいっていないファンの声も鳴り響いたが、決して1番強い馬が常に勝つわけではないのが競馬なのだ。
小和田騎手の勝利をねぎらいに近づく同期の祐翠と春馬!
「今日は1番うまい競馬をしたのが小和田だったってことだな。」
春馬が小和田を称えた。
「そうだな…悔しいけど…」
「おめでとう小和田!」
2人の言葉に気づいた小和田。
「ああ、サンキューな!」
3人はハイタッチでお互いを讃えた。
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皐月賞2041結果
1着 エスエムオペラオー 小和田
2着 サイレンススタート クビ 福山
3着 フラッシュフォワード ハナ 風切
4着 セカンドインパクト 5馬身 鷹
5着 マイケルダンゴ 1馬身 芝
6着 マイケルシアター 2馬身 江戸
7着 シルクカーディガン アタマ 横川和
7着 クラッシャー 同着 松長
9着 ミッキーマイル 1/2 浜中
10着 ヤマニンアフロ 1/2 勝
11着 タイキクレメンス アタマ 田中
12着 ニシノリュウセイ 1.3/4 川内
13着 エフエフブライアン 3/4 菊池
14着 ダンディハウス クビ 後堂
15着 タダノブライアン 3/4 漢田
16着 カシマアントラーズ ハナ 的場浩
17着 アドマイヤグッド 大差 岡田
除外 ワンダーコング 幸




